事業内容
大気社は1913年創業の設備工事専業企業で、「環境システム事業」と「塗装システム事業」の2セグメントを主軸とする。環境システム事業では、オフィス・データセンター・病院等のビル空調から半導体・医薬品・食品工場向けクリーンルームまで幅広い産業空調設備の設計・施工を手掛ける。
塗装システム事業では、自動車車体・バンパーをはじめ建設車両・航空機等の塗装設備をグローバルに設計・施工する。顧客は国内外の大手製造業・デベロッパー・ゼネコンが中心で、20カ国・30拠点のグローバルネットワークを活用し、日系・非日系双方の顧客に対応する。
ビジネスモデル
受注から設計・施工・完成引渡しまでを一貫して請け負う工事請負型ビジネスモデルを採用する。売上高は完成工事高として計上され、受注残高(繰越工事高)が次期以降の売上を先行的に担保する構造となっている。
2026年3月期末の連結次期繰越工事高は環境システム事業186,265百万円・塗装システム事業118,140百万円と大幅に積み上がっており、収益の視認性が高い。資機材の製造・販売も一部手掛け、施工との一体提供で付加価値を高める。
企業の強み
2026年3月期の環境システム事業受注工事高は216,588百万円(前期比20.9%増)で、うちビル空調分野は77,129百万円(同43.4%増)と急拡大した。半導体・電子部品・データセンター向け産業空調の実績を積み重ねており、九州・東アジアでのプロジェクト体制強化や精密温調機器ソリューション提供など自社固有の技術・施工ノウハウが受注獲得を支えている。
50年超をかけて構築した20カ国・30拠点のグローバル拠点網を保有し、タイ・インド・フィリピン・中国・米国等に連結子会社を展開する。インド拠点経由でインドネシア・ベトナムの製薬メーカー案件を受注するなど、拠点間連携による非日系顧客開拓が実績として確認されており、競合が短期間で模倣困難な自社固有の営業・施工インフラとなっている。
2026年3月期末の連結次期繰越工事高は環境システム事業186,265百万円(前期比21.6%増)、塗装システム事業118,140百万円(同36.3%増)に達し、合計で次期完成工事高目標307,000百万円の相当部分を既に確保している。工事請負モデル特有の受注残高が業績の先行指標として機能し、収益の安定性・予測可能性を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期209,261百万円→2023期214,793百万円→2024期293,556百万円→2025期276,212百万円→2026期286,127百万円と推移。2024期の急拡大後、2025期は大型案件剥落で減収・純利益減となったが、2026期は増収(前期比3.6%増)かつ営業利益29.8%増・純利益41.4%増と明確な回復を示した。
外部要因として半導体・データセンター関連の設備投資継続と東南アジアの堅調な経済成長が追い風となった。受注工事高351,740百万円(前期比26.8%増)・次期繰越工事高304,405百万円(前期比26.9%増)と先行指標も過去最高水準に達しており、2027期予想売上高307,000百万円(前期比7.3%増)の達成蓋然性は高い。
成長戦略
10年プラン2035のもとグローバル地域戦略・オートメーション・新規事業の3軸で2035年完成工事高5,000億円超を目指す
アセアン・東アジア・インド・北米・国内の5戦略室を新設し、複数国拠点連携による受注・施工活動を組織的に推進。インド拠点を起点にインドネシア・ベトナムの製薬メーカー案件を受注するなど、拠点間シナジーが実績として表れている。データセンター・製薬・食品・半導体関連顧客への受注獲得に注力。
デトロイトスリー向けに強固な顧客基盤を持つ北米オートメーション企業のM&Aを実施。日米の開発拠点を活かし、ユーザー現場の課題を多角的に分析した自動化システムの提供を目指す。次期繰越工事高118,140百万円(前期比36.3%増)と受注基盤は急拡大しており、収益貢献が次期の焦点。
国内では半導体関連メーカーやデータセンター向けの設備投資が継続しており、産業空調・ビル空調の両分野で受注を拡大。2026年3月期のビル空調受注工事高は77,129百万円(前期比43.4%増)と急拡大。都市圏再開発需要も底堅く推移しており、国内環境システム事業の収益基盤を強化している。
2026年3月期の年間配当は110円(前期144円から株式分割調整後実質増配)、配当性向44.9%。自己株式取得5,443百万円・消却8,825百万円を実施し、1株当たり純資産・利益の向上を図った。2027年3月期予想配当は119円(配当性向41.6%予想)と増配方針を継続。
最終更新: 2026年7月19日

