事業内容
高砂熱学工業は1923年創業の空調設備専業大手で、東証プライム上場。空調設備の設計・施工を中核とする設備工事事業(売上高の98%超)を主軸に、空調機器の製造・販売(日本ピーマック)、設備保守・管理(TMES)を展開する。
国内では半導体工場・データセンター・大型再開発案件を手掛け、海外はアジア・中南米を中心に15の連結子会社を通じて事業を展開。主要顧客は大手ゼネコン・製造業・非製造業の民間企業で、当連結会計年度の海外売上高は90,756百万円(前期比+26.8%)に達する。
長期ビジョン2040では建設・保守管理・カーボンニュートラル・環境機器製造の4事業ドメインへの拡張を掲げる。
ビジネスモデル
顧客から空調設備工事を受注し、設計・施工・完工引渡しにより売上を計上する受注型ビジネス。特命受注比率65.0%(当事業年度)の高さが示す通り、長年の実績と技術力に基づく指名受注が収益の安定性を支える。
受注から完工まで複数年にわたる大型案件が多く、手持工事高356,812百万円(2026年3月末)が将来売上の可視性を高める。施工段階での採算管理強化により利益率が継続改善している。
企業の強み
当事業年度の受注工事方法における特命比率は65.0%(前事業年度56.8%)に上昇。Rapidus、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(完成工事高の13.9%)等の大型産業案件を継続受注しており、競合他社が短期間で模倣困難な技術・実績の蓄積が特命受注を支えている。
2026年3月末時点の手持工事高は356,812百万円(前期末308,674百万円から増加)。Torch Tower、大手町常盤橋再開発等、2027〜2028年完成予定の大型案件を複数抱えており、向こう2年程度の売上計上が相当程度確保されている。受注残の積み上がりが業績予測の確実性を高める。
20年以上にわたる建築設備向け水素利用システム開発を基に小型・大型(メガワット級)水電解装置を上市。茨城県つくばみらい市の高砂熱学イノベーションセンターでZEB達成・カーボンフリー運用を継続実現。
研究開発費3,931百万円を投じ、JAXA宇宙探査イノベーションハブへの採択等、先端技術開発の実績を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期302,746百万円から2026年3月期423,923百万円へ5期連続増収(5期間CAGR約8.8%)。営業利益は2024年3月期以降に急加速し、2026年3月期は47,745百万円(前期比+47.3%)と過去最高を更新。
外部要因として製造業・非製造業の旺盛な設備投資需要(半導体・データセンター・製薬)が追い風となる一方、自社の採算管理徹底が利益率を11.3%(前期8.5%)へ押し上げた。営業キャッシュ・フローは29,725百万円(訂正後)と前期比約5倍に拡大し、キャッシュ創出力も大幅に向上した。
成長戦略
長期ビジョン2040に基づく4事業ドメイン展開とDXによる事業変革
受注・施工段階での採算管理を徹底し、半導体工場・データセンター・製薬工場等の大型産業設備工事を継続的に獲得。2026年3月期の設備工事事業受注高408,328百万円、営業利益31,738百万円を達成し、利益率改善が明確に進行中。
東南アジアを中心とした海外事業を拡大し、当連結会計年度の海外売上高は前期比+21.6%増を達成。THS INNOVATIONS CO., LTD.等の新規連結子会社化(連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得支出2,295百万円)により事業領域を拡大。
長期ビジョン2040が掲げる4事業ドメイン(設備工事・環境機器製造販売・エネルギーサービス・デジタルソリューション)のうち、新事業ドメインの収益化を推進。現時点では設備工事事業が収益の大部分を占めており、新事業の本格的な収益貢献は中長期課題。
最終更新: 2026年7月19日

