事業内容
株式会社ヤマトは1946年に群馬県前橋市で設立された総合設備工事会社で、建築・土木、空調・衛生、電気・通信、水処理プラント、冷凍・冷蔵の5分野にわたる工事の設計・監理・施工を手掛ける。連結子会社11社を含むグループ体制で、官公庁・民間双方を顧客とし、関東・東北を中心に事業を展開する。
売上高の約99%を建設工事業が占め、残りを連結子会社が運営する「道の駅まえばし赤城」の商業施設運営業が担う。2026年3月期の連結売上高は54,327百万円で過去最高を連続更新している。
東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
主力の建設工事業は請負形態で収益を得る。空調・衛生分野では特命受注比率が89.9%(2026年3月期)と高く、顧客との長期的な信頼関係に基づく安定受注が特徴。
自社工場(朝倉工場・プロダクトセンター)での配管加工を推進し、現場施工から工場製造へのトランスフォーメーションにより生産性向上と収益性改善を図る。商業施設運営業は不動産管理収益と物品販売収益を組み合わせた安定収益モデルを採用する。
企業の強み
2026年3月期の空調・衛生分野における特命受注比率は89.9%に達し、顧客との強固な信頼関係を示す。期末繰越高は42,474百万円(連結)を確保しており、次期売上の可視性が高い。主要顧客には清水建設・大林組・鹿島建設等の大手ゼネコンが含まれ、安定した受注基盤を形成している。
1989年開設の大和環境技術研究所で水処理・空調衛生分野の研究開発を継続し、2026年3月期の研究開発費は183百万円。1994年開設の総合設備工場(加工センター)、2020年開設のプロダクトセンターを保有し、配管加工の内製化による品質管理と生産性向上を実現している。
2026年3月期の水処理プラント売上高は5,524百万円(前期比25.0%増)、電気・通信売上高は7,868百万円(前期比10.0%増)と成長が顕著。空調・衛生への依存度を低減しつつ収益源を多様化しており、水処理プラントの次期繰越高は7,018百万円と厚みがある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は54,327百万円(前期比2.2%増)、営業利益5,401百万円(同12.6%増)、親会社株主帰属当期純利益4,589百万円(同16.7%増)と過去5期で最高水準を更新した。売上総利益率は14.7%(前期14.8%)とほぼ横ばいながら、営業利益率は9.9%(前期9.0%)に改善。
外部要因として公共投資の底堅い推移と民間設備投資の持ち直しが追い風となった一方、労務費上昇・資機材価格変動が下押し圧力として継続した。2027年3月期は売上高55,000百万円(同1.2%増)・営業利益4,800百万円(同△11.1%)と、「ヤマトテクノパーク」関連の人的資本投資・設備投資増加を主因とした減益予想に転じており、成長投資局面への移行を示している。
成長戦略
「建設プロダクトで未来を築く」を長期ビジョンに、工場製造シフトとDX投資で建設工業化を深化。
鉄骨加工と設備加工の自動化・ロボット化・搬送効率化を飛躍的に促進する「ヤマトテクノパーク」を新中期経営計画(2026〜2028年)期間中に稼働させる。2026年3月期に建設仮勘定が3,483百万円(前期131百万円)に急増しており、投資が本格化している。
施工量増加に対応する施工管理体制の整備と、建設プロダクトを推進する人材育成に注力。2027年3月期の減益予想の主因の一つとして人的資本投資の増加が明示されており、中長期の競争力強化に向けた先行投資フェーズにある。
生産性をより高めるためのDX投資に積極的に取り組む方針を新中期経営計画で明示。無形固定資産取得(2026年3月期335百万円)が前期215百万円から増加しており、システム投資が進捗している。
2027年3月期より連結配当性向45%・DOE(純資産配当率)4.0%を目標とする新配当方針に移行。2027年3月期は1株当たり77円配当(前期60円)を予定しており、安定性と業績連動性を併せた株主還元を実施する。
空調・衛生依存からの脱却を図るべく、水処理プラント(2026年3月期受注高前期比17.8%増)・電気通信(同10.0%増)の受注拡大が進捗。繰越高においても電気通信(6,026百万円、前期比12.2%増)が積み上がっており、次期売上への貢献が見込まれる。
最終更新: 2026年7月19日

