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三機工業株式会社

1961東証プライム建設業

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三機工業株式会社1961

事業内容

三機工業は1949年設立の総合設備エンジニアリング企業で、東証プライム上場。主力の建築設備事業ではビル空調衛生・産業空調・電気設備・ファシリティシステムを手掛け、半導体工場・データセンター・大型再開発案件を主要顧客とする。

機械システム事業では搬送システム・搬送機器の製造販売、環境システム事業では官公庁向け上下水道・廃棄物処理施設の設計・施工・運営を担う。不動産事業では保有不動産の賃貸・管理を行い安定収益を確保。

連結子会社8社を含むグループで、タイ・中国・オーストリアに海外拠点を持つ。2025年度売上高254,674百万円。

ビジネスモデル

売上の大部分は設備工事の請負契約に基づく工事進捗基準での収益認識。受注から施工・完工まで数年にわたる大型案件が多く、期末繰越受注高250,794百万円(2025年度末)が次期以降の売上を担保する。

建築設備事業では特命受注比率70.4%と高く、顧客との継続的関係が収益の安定性を支える。環境システム事業ではDBO方式による長期運営契約も展開し、ストック型収益の獲得を図る。

企業の強み

2025年度末の連結繰越受注高は250,794百万円と前年度末比19.0%増。建築設備単体では204,165百万円(前年度末比32.1%増)に達し、品川駅西口再開発・日本銀行本店空調更新・キオクシア岩手第2製造棟など2027〜2030年完成予定の大型案件を複数抱える。

次期以降の売上の可視性が極めて高い。

2025年度の建築設備部門における特命受注比率は70.4%(前年度66.8%から上昇)。特命受注は競合入札を経ずに発注される案件であり、長年の施工実績と顧客との信頼関係を反映する。半導体・データセンター・大型再開発等の成長分野で大手ゼネコン・事業主から継続的に指名を受けている。

建築設備事業のセグメント利益率は2024年度9.8%から2025年度13.2%へ3.4ポイント改善。連結営業利益率も8.6%から11.0%へ上昇し、2025年度は全段階利益で過去最高を更新した。

受注時・施工時の利益改善施策、内部統制プロセスの徹底、協力会社への全額現金振込による関係強化が寄与している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益率は11.0%(前期8.6%)と大幅改善し、売上総利益率も22.0%へ上昇した。受注選別・施工管理強化という自社努力の成果は評価できるが、外部要因として半導体工場・データセンター向け産業空調の旺盛な需要が利益率の高い大型工事の受注を後押しした側面も否定できない。

市場環境として民間設備投資が一服した局面での利益率維持能力が、構造的改善の真価を問う試金石となる。

機械システム事業は2026年3月期もセグメント損失918百万円(前期614百万円の損失から悪化)と赤字が拡大。BEV向け投資の不透明化により注力分野の二次電池製造施設向け物流設備の受注環境が厳しく、受注高は8,324百万円と前期比23.9%減少した。

グループ全体の利益貢献度は限定的だが、損失拡大が続く場合は事業ポートフォリオの見直し圧力が高まる可能性がある。

2027年3月期の会社予想は売上高260,000百万円・営業利益29,500百万円(営業利益率11.3%)であり、利益率目標は既に達成水準にある。一方、売上高目標の300,000百万円達成には2027年3月期予想比で約15%の上積みが必要。

外部要因として労務費・資機材価格の高騰継続、中東情勢による資機材調達懸念、大型工事の工程遅延リスクが売上計上の遅れをもたらす可能性があり、繰越受注残高の豊富さが売上高目標達成の鍵を握る。

成長戦略

「深化と共創」を軸に2027年度売上高300,000百万円・営業利益率10%を目指す中計2027

半導体製造工場・データセンター・大都市圏再開発向けの大型工事受注を継続強化。2026年3月期の建築設備受注高は262,480百万円(前期比+20.1%)、繰越受注残高は204,165百万円(前期比+32.1%)と積み上がり、次期売上の可視性は高い。

受注時審査・施工管理の強化により利益率改善を継続する。

人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズを取り込み、首都圏国際空港関連物流施設の大規模再編計画など新規大型案件の獲得体制を強化。BEV投資不透明化の影響を受けた二次電池向け需要の代替として新規分野の開拓を推進。2026年3月期は損失918百万円と赤字が拡大しており、早期の黒字転換が課題。

中期経営計画2027において純資産配当率(DOE)5.0%以上を配当方針として設定。2026年3月期の年間配当は195円(分割前)・配当性向42.3%・DOE8.8%と方針を大幅に上回る水準を実現。

計画期間中に自己株式400万株程度の取得も掲げており、2026年3月期は4,999百万円の自己株式取得を実施した。

2026年5月にマレーシアの設備工事会社ES Matrix社の発行済株式40%を取得し持分法適用関連会社化。マレーシアの電気電子産業市場への参入と海外人材育成を目的とし、海外事業の売上・利益拡大を図る。環境システム事業では省エネ型散気装置「エアロウイング」の海外拡販に向けた国内外設備投資も推進中。

フレキシブルダクト施工ロボット・複合機能計測ロボットの開発、2D図面から3Dモデルを自動生成するソフトウェア「S-TRANDIM™」の開発など業務効率化を推進。働き方改革「スマイル・プロジェクト」をPhase2(業務プロセス抜本見直しと自動化・デジタル技術活用)へ移行し、技術者不足・労働時間制約への対応を図る。

最終更新: 2026年7月19日