事業内容
株式会社クラフティア(旧・株式会社九電工)は、1944年創業の総合設備工事会社。配電線工事・屋内配線工事・電気通信工事等の電気工事と、空気調和・冷暖房・給排水衛生設備・水処理工事等の空調管工事の設計・施工を主軸とする。
九州電力グループとの委託契約を基盤に九州で強固な地位を持ちつつ、首都圏・関西圏にも展開。グループは当社・子会社63社・関連会社51社で構成され、再生可能エネルギー発電事業・不動産事業・ソフト開発・人材派遣・医療関連等の周辺事業も展開する。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
売上高の約96%を占める設備工事業は、九州電力送配電㈱との委託契約(売上高の約11.6%)による安定受注と、首都圏・関西圏の大型民間案件の特命受注(屋内線工事の78.9%が特命)を組み合わせた収益構造。物価上昇を価格転嫁しつつ最適要員配置と受注選別により工事利益率を継続改善。
周辺事業では再生可能エネルギー発電・不動産等のストックビジネスで安定収益を補完する。
企業の強み
九州電力送配電㈱との配電工事委託契約は受注方法別で84.2%が委託契約であり、2026年3月期の同社向け売上高は55,104百万円(売上高比11.6%)。1947年の委託契約締結以来80年近く継続する関係であり、競合他社が短期間で代替困難な固有の契約基盤を形成している。
2026年3月期の設備工事業セグメント利益は51,219百万円(前期比34.8%増)、営業利益率は約11.2%に達した。フロントローディング・コストダウン専門部隊(技術管理部)・早期資材発注(㈱Q-mastとの連携)等の自社施策により、受注時点での想定利益率が過年度比で向上していることを経営陣が確認している。
2026年3月期末の設備工事業次期繰越高は476,049百万円(前期比4.8%増)。宇久島メガソーラーパーク発電所建設工事(2027年度以降完成予定)、大手町常盤橋再開発(2028年5月完成予定)、福岡空港国内線複合施設(2027年5月完成予定)等の大型案件を含み、次期以降の売上を相当程度確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期376,563百万円から2026年3月期476,123百万円へ5期で26.5%増加。営業利益は同期間で33,137百万円から54,600百万円へ64.8%増加し、利益成長が売上成長を大きく上回る。
2026年3月期は売上高前期比0.5%増にとどまる一方、営業利益は前期比31.9%増と利益率の急改善が際立つ。外部要因として民間都市再開発・データセンター・統合型リゾート向けの旺盛な設備投資需要が追い風となり、価格転嫁環境の好転が完成工事総利益率を14.5%から17.9%へ押し上げた。
親会社株主帰属当期純利益は40,053百万円(前期比38.7%増)、ROEは12.2%(前期9.6%)へ改善。2027年3月期は売上高500,000百万円(前期比5.0%増)・営業利益55,500百万円(同1.6%増)を予想しており、増益ペースの鈍化が見込まれる。
成長戦略
中期経営計画「Challenge & Grow 2029」で2029年度経常利益600億円・ROIC10%以上を目指す
首都圏・関西圏・福岡の再開発案件、データセンター関連工事、統合型リゾート案件を中心に最適要員配置を踏まえた計画的受注活動を継続。2026年3月期の完成工事総利益率17.9%を維持・向上させることで、2027年3月期の設備工事業売上高481,500百万円・工事受注高495,000百万円の達成を目指す。
中期経営計画期間中の投資総額2,000億円を掲げ、投資有価証券の戦略的取得(当期末残高97,872百万円)、再生可能エネルギー発電事業(葛尾風力・クラフティアイノベーション投資事業有限責任組合等)、不動産事業への投資を推進。投資活動によるキャッシュアウトは当期18,143百万円と前期比倍増しており、投資フェーズが本格化している。
「Challenge2026 未来を見据えた成長領域の確立」をテーマに、11の取組施策と5つの投資戦略を実践。労働需給の逼迫・人口減少による人手不足を継続的経営課題と認識し、人的資本経営への投資を強化することで施工能力の維持・拡大と技術力の深化を図る。
連結配当性向40%を目安とした累進配当方針のもと、2026年3月期は年間220円(前期比80円増、配当性向38.9%)を実施。2027年3月期も年間220円を予定。
配当金総額は15,589百万円と前期9,920百万円から大幅増加しており、株主還元の充実が自己資本比率66.4%の財務基盤に支えられている。
佐世保側交直変換所の建設用地を2026年4月末に取得予定。地盤調査完了後に建設工事契約を締結する工程であり、2026年度中の完成から遅延する見通し。SPC側ではFIP制度転換・コーポレートPPA活用・社会情勢を踏まえた事業性向上施策など新たな収益改善スキームへの見直しを検討中。
最終更新: 2026年7月19日

