事業内容
株式会社四電工は、四国を本拠地とする総合設備工事会社(東証プライム上場)。配電・送電・電気・計装・空調・管・情報通信の各工事を手掛け、四国電力送配電㈱向け配電工事(売上高の42.2%)を安定収益基盤としつつ、首都圏・関西圏での建築設備工事にも積極展開する。
連結子会社26社・関連会社8社を擁し、設備工事業を中核に、リース事業・太陽光発電事業・PFI事業等を複合的に運営。2026年3月期の連結売上高は99,448百万円、営業利益は8,822百万円。
主要顧客は四国電力グループ、大手ゼネコン、官公庁、一般民間企業と多岐にわたる。
ビジネスモデル
売上の約94%を占める設備工事業は、四国電力送配電㈱との配電工事請負契約(受注の約95%が請負契約)による安定受注と、競争入札・特命による建築設備工事の二本柱で構成される。工事完成基準で収益を認識し、繰越工事残高(2026年3月末56,992百万円)が翌期売上の先行指標となる。
太陽光発電事業(利益率41.5%)やリース事業が補完的な安定収益を提供し、グループ全体の収益安定性を高めている。
企業の強み
四国電力送配電㈱向け売上高は42,013百万円(連結売上高の42.2%)に達し、配電工事受注の94.7%が同社との請負契約によるもの。高経年化設備の更新工事が中長期的に増加する見通しであり、安定した受注基盤として機能している。個別受注高は前期比+6.1%の44,017百万円と拡大傾向にある。
2026年3月末時点の個別次期繰越工事高は56,992百万円(前期末比+19.5%)。電気・計装工事33,497百万円(前期末比+22.4%)、空調・管工事10,304百万円(前期末比+23.8%)と主要工種で積み上がっており、2027年3月期連結売上高予想108,000百万円(前期比+8.6%)の裏付けとなっている。
2026年3月末の自己資本比率は68.4%(前期末65.1%から改善)、純資産合計71,199百万円。資金調達は連結子会社の銀行借入・社債を除き自己資金で賄い、現金及び現金同等物残高は17,575百万円。
財務の安定性が高く、中期経営指針2030で掲げる5年間550億円のキャッシュ創出計画の基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期92,648百万円→2025期105,877百万円と拡大後、2026期は前期大型工事の反動減により99,448百万円(前期比▲6.1%)と減収。一方、営業利益は8,822百万円(前期比+9.3%)と過去最高を更新し、営業利益率は8.9%(前期7.6%)へ改善。
投資有価証券売却益1,084百万円の計上もあり親会社株主帰属純利益は7,500百万円(前期比+45.0%)と大幅増益。期末繰越工事残高56,992百万円(前期末比+19.5%)の積み上がりを背景に、2027期は売上高108,000百万円・営業利益9,400百万円の増収増益を予想。
資機材価格高騰・人手不足という外部環境リスクへの対応が収益性維持の鍵となる。
成長戦略
中期経営指針2030で2030年度売上高120,000百万円・ROE10%を目指す
首都圏・関西圏の旺盛な建設需要を取り込むため、連結子会社(アイ電気通信・菱栄設備工業・横山工業等)の施工力を強化。電気・計装工事の繰越残高33,497百万円(前期末比+22.4%)・空調管工事10,304百万円(同+23.8%)が積み上がり、次期増収の基盤を形成。
四国電力グループ向け配電工事受注高は37,519百万円(前期比+6.5%)と増加。高経年化設備の更新工事が中長期的に増加する見通しであり、過不足のない施工体制の確保と収益性向上が課題。四国電力グループ向け繰越残高10,213百万円(前期末比+13.9%)が積み上がっている。
中期経営指針2030のキャッシュアロケーション方針において5年間で人的資本投資20,000百万円を計画。担い手不足・技術者確保が業界共通課題となる中、教育研修費538百万円(個別)を継続投下。DX・AI活用による生産性向上も重点テーマとして位置付ける。
中期経営指針2025の連結配当性向40%以上から、中期経営指針2030では連結配当性向60%程度・DOE5.0%程度へ方針を引き上げ。2026期年間配当77円(配当性向48.6%)、2027期予想84円(同60.2%)と段階的に引き上げ。5年間の株主還元総額は20,000百万円を計画。
中期経営指針2025が掲げた売上高100,000百万円・営業利益6,000百万円・ROE8.0%の数値目標を2024年度に1年前倒しで達成。最終年度の2025年度も減収ながら営業利益8,822百万円・ROE11.0%を確保し、指針を上回る実績で完了。
最終更新: 2026年7月19日

