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五洋建設株式会社

1893東証プライム建設業

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五洋建設株式会社1893

事業内容

五洋建設は1896年創業の総合建設会社(ゼネラルコントラクター)で、国内土木事業・国内建築事業・海外建設事業の三事業を中核とする。国内では港湾・道路・トンネル等の社会インフラ土木工事と、物流倉庫・データセンター・病院等の建築工事を展開。

海外はシンガポール・香港・東南アジアを主市場に空港・埋立・港湾等の大型インフラ工事を手掛ける。主要顧客は国土交通省・防衛省等の官公庁に加え、物流・不動産・エネルギー分野の民間大手企業。

2026年3月期の連結売上高は794,306百万円、受注残高(個別繰越工事高)は1,228,764百万円に達し、複数年分の売上基盤を確保している。

ビジネスモデル

主収益は工事請負契約に基づく完成工事高で、工事進捗度に応じて一定期間にわたり収益を認識する。受注から完工まで複数年を要する大型工事が多く、期末繰越工事高が翌期以降の売上を担保する構造。

2026年3月期末の個別繰越工事高は1,228,764百万円と高水準を維持し、収益の可視性が高い。補完的収益として不動産賃貸・造船・環境関連事業も展開する。

企業の強み

2026年3月31日時点の個別繰越工事高は1,228,764百万円(国内土木327,855百万円、国内建築508,924百万円、海外391,983百万円)。前期比で国内建築13.5%増、海外15.1%増と積み上がりが加速しており、複数年分の売上基盤が確保されている。

SEP型多目的起重機船「CP-16001」「CP-8001」「Sea Challenger」等の洋上風力対応作業船を自社保有。BIM/CIM・AIを活用した施工管理システム(i-PentaCOL/3D、PiCOMS)、耐硫酸コンクリート「MICガード100」、長大プレキャスト桟橋のスマート接合技術等の独自技術を蓄積し、競合が短期模倣困難な技術基盤を持つ。

2026年3月期の売上高上位顧客は国土交通省119,389百万円(売上比15.0%)、シンガポール政府90,168百万円(同11.4%)、防衛省84,667百万円(同10.7%)。官公庁との長年の取引実績と信頼関係が受注の安定性を支えており、2026年3月期の国内土木受注高は340,623百万円(前期比37.9%増)と急拡大した。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の連結売上高794,306百万円(前期比9.2%増)、営業利益55,304百万円(同154.9%増)、親会社株主帰属当期純利益34,692百万円(同178.4%増)はいずれも過去最高。前期まで2期連続で計画未達だった中期経営計画(2023〜25年度)の最終年度を大幅超過達成した。

国内土木・建築の手持工事の順調な進捗と工事採算の改善が主因であり、ROEは18.7%と大幅に改善。外部要因として国内建設投資の堅調な拡大が追い風となったが、採算管理の強化という自社努力も利益急回復に寄与した。

海外建設事業は2026年3月期にセグメント損失3,235百万円と、前期の15,602百万円の損失から大幅に改善したものの、黒字転換には至らなかった。建築工事1件の採算見直しや設備子会社での追加損失計上が響いた。

一方で、チャンギ空港第5ターミナル連絡トンネル工事・トゥアス北部埋立工事・香港国際空港工事等の大型新規受注により個別海外繰越工事高は391,983百万円(前期比15.1%増)と積み上がっており、次期以降の売上拡大は見込める。ただし、海外工事の採算管理の精度向上が連結利益の持続的改善に不可欠な課題として残る。

2026年3月期の設備投資(連結)は95,942百万円と前期の38,151百万円から急増し、有利子負債残高は196,100百万円(前期比29,700百万円増)に拡大。自己資本比率は25.1%(前期26.1%)と低下傾向にある。

新中期経営計画(2026〜28年度)では2028年度に連結売上高880,000百万円・営業利益63,500百万円・ROE16.7%を目標とするが、洋上風力関連作業船建造等の継続的な設備投資が財務負担となる。一方、2027年3月期予想では営業CF56,000百万円の確保と有利子負債の削減(185,000百万円)を見込んでおり、投資フェーズから回収フェーズへの移行が計画通り進むかが注目点となる。

成長戦略

豊富な手持工事の確実な進捗と洋上風力・海外新市場への展開で持続成長を目指す

国土強靱化・防衛力強化・データセンター・物流施設等の旺盛な国内建設需要を背景に、個別繰越工事高836,780百万円(国内)を順調に進捗させ、売上総利益率の継続的な改善を図る。2027年3月期の個別国内受注目標は630,000百万円。

大型基礎施工船等の建造投資(2026年3月期設備投資95,942百万円の主要部分)により洋上風力建設向けの施工能力を整備。北九州響灘洋上ウィンドファーム建設工事の完成実績を足がかりに、国内洋上風力市場での受注拡大を目指す。2027年3月期は投資額を449億円(連結)に抑制し回収フェーズへ移行予定。

チャンギ空港第5ターミナル連絡トンネル工事・トゥアス北部埋立工事・香港国際空港工事等の大型新規受注により海外繰越工事高391,983百万円を積み上げ。設備子会社の損失管理強化と建築工事の採算見直しにより、2027年3月期の海外建築黒字転換(売上総利益率1.1%目標)を目指す。

2026年度を初年度とする新中期経営計画では、2028年度に連結売上高880,000百万円・営業利益63,500百万円・ROE16.7%・配当性向40%以上・総還元性向60%以上を目標とする。DX・GX推進とサステナビリティ経営の実践を通じて「真のグローバル・ゼネラルコントラクター」を目指す。

最終更新: 2026年7月19日