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若築建設株式会社

1888東証プライム建設業

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若築建設株式会社1888

事業内容

若築建設は1890年に北九州若松港の築造を目的として創業した総合建設業者。海上土木(港湾・護岸・浚渫)・陸上土木・建築の3部門を擁し、国土交通省・防衛省等の官公庁から民間企業まで幅広い顧客基盤を持つ。

連結子会社9社・関連会社1社で構成され、建設事業が売上高の98%超を占める。2026年3月期の連結売上高は104,748百万円。

東京証券取引所プライム市場上場。2026年2月には株式会社麻生との資本業務提携契約を締結し、麻生グループの連結子会社となった。

ビジネスモデル

受注型建設業として、競争入札・特命発注により工事を受注し、進捗度に応じて収益を認識する。官公庁比率61.9%(2025年度完成工事高)と公共投資依存度が高く、景気変動に対する一定の安定性を持つ。

子会社の新総建設・大丸防音等が施工協力し、グループ一体で施工能力を確保。不動産事業(賃貸・販売)と船舶監理業務が補完的収益源となっている。

企業の強み

1890年の若松港築造に始まる海上土木の蓄積により、ケーソン据付無人化・浚渫施工管理・ブロック据付無人化等の独自技術を保有。2026年3月期の海上土木受注高は40,102百万円(前期比40.6%増)と急拡大しており、競合が短期間で模倣困難な技術・実績基盤が受注力を支えている。

2026年3月末時点の手持工事高は149,289百万円(前期比22.8%増)。建築75,034百万円・陸上土木46,150百万円・海上土木28,104百万円と分散しており、2027年12月竣工予定の民間大型案件や2029年竣工の日本製鉄向け工事など複数年にわたる受注残が確保されている。

2025年度完成工事高における官公庁比率61.9%・民間比率38.1%と両軸を持つ。国土交通省(21,453百万円・20.5%)・防衛省(12,400百万円・11.8%)が主要顧客であり、民間では再生可能エネルギー・物流・住宅等に多様化。特定顧客への過度な依存を抑制した受注構造を形成している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の連結売上高は104,748百万円(前期比21.1%増)、営業利益6,649百万円(同27.4%増)、親会社株主帰属純利益4,367百万円(同18.4%増)と全指標で大幅改善。2025年3月期の業績悪化(売上高前期比8.9%減、営業利益同25.2%減)は大型工事の進捗遅延等の一時的要因によるものであり、今期の急回復がそれを裏付けた。

営業利益率は6.3%と2024年3月期(7.3%)には届かないものの、回復軌道は明確である。

2026年3月期末の総資産は122,423百万円(前期末比33.2%増)と急拡大した一方、自己資本比率は44.1%(前期末52.6%)へ低下。短期借入金が16,120百万円(前期末12,190百万円)、長期借入金が5,358百万円(前期末378百万円)と有利子負債が急増し、インタレスト・カバレッジ・レシオは1.7倍にとどまる。

大型工事の進捗に伴う運転資本増加が主因とみられるが、金利上昇局面(外部要因として)での財務コスト増加リスクは継続して監視が必要。

2026年3月期の営業キャッシュフローは477百万円のプラスに転換(前期は△10,211百万円)したものの、売上債権の増加額が△13,955百万円と大幅に拡大しており、売上高の急増に伴う運転資本の膨張が続いている。受取手形・完成工事未収入金等は59,794百万円(前期末45,839百万円)と急増。

2027年3月期予想(売上高116,000百万円)の達成には工事進捗管理と回収サイクルの適切なコントロールが不可欠である。

成長戦略

中期経営計画(2024-2026年度)で案件大規模化・新エネルギー・人的資本経営を推進

各部門の強みを活かした事業展開により、受注案件の大規模化と収益性向上を図る。2026年3月期の個別受注高は127,986百万円(前期比23.1%増)と大幅増加し、建築分野の受注高が56,963百万円(前期比58.4%増)と急拡大。

大型工事の高水準進捗が売上高21.1%増の主因となり、施策の効果が数値に表れている。

風力・バイオマス・太陽光等の再生可能エネルギー関連工事への参入を推進。海上土木の専門技術を活かした洋上風力関連工事等への展開が期待される。2026年3月期の海上土木受注高は40,102百万円(前期比40.6%増)と急拡大しており、エネルギー関連需要の取り込みが進んでいるとみられる。

生産性向上と持続的成長を目的としたDX投資および人的資本経営を推進。2026年3月期の販売費及び一般管理費は7,952百万円(前期比5.9%増)と増加しており、DX・人的投資の拡大が継続している。建築分野における生産性向上が営業利益率の改善に寄与しており、投資効果が一部顕在化している。

中期経営計画の目標として純資産配当率(DOE)3.6%を下限とする配当性向40%以上(単体)を設定。2026年3月期の1株当たり配当は135円(配当性向39.3%、DOE3.4%)、2027年3月期予想は145円(配当性向41.9%)と増配基調を維持。連続増配により株主還元の充実を図っている。

最終更新: 2026年7月19日