事業内容
東亜建設工業は1914年創業の総合建設会社で、海上土木(港湾・浚渫・埋立)を中核競争力とし、国内土木・国内建築・海外事業の3セグメントで事業を展開する。国内では港湾・空港・鉄道・道路等の社会インフラ整備を担い、国土交通省を筆頭とする官公庁が主要顧客。
建築部門では冷蔵倉庫を含む物流施設を得意とし、民間デベロッパー・事業会社向けに設計施工を提供する。海外では東南アジア・アフリカ・南アジアを主戦場に大型港湾工事を展開。
子会社15社・関連会社28社を含むグループで、不動産開発・建設機械・PFI等の補完事業も営む。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
受注から竣工までの工事請負を基本とし、受注残(手持工事高)が将来売上の先行指標となる。2026年3月末時点の手持工事高は505,947百万円(個別)と厚く、売上の視認性が高い。
官公庁向け競争入札と民間向け特命・企画提案の二軸で受注を確保し、海外では大型ODA案件や現地発注案件を取り込む。不動産開発・賃貸や建設機械メンテナンス等の補完事業が安定収益を補完する構造。
企業の強み
1913年の浚渫船導入以来100年超の海上土木実績を持ち、大型作業船を自社保有する。港湾・浚渫・埋立の専門技術は競合が短期間で模倣困難であり、2026年3月期の国内土木売上高156,001百万円・海外売上高92,337百万円(前期比40.5%増)の双方で競争優位を発揮している。
2026年3月末時点の個別手持工事高は505,947百万円(土木386,851百万円・建築119,095百万円)に達し、複数年分の売上を確保済み。国内建築の手持工事高は前期比8.2%増の107,964百万円(連結)で、次期以降の売上回復の基盤となっている。
冷凍冷蔵倉庫向けに「断熱パネル打込み型枠工法」を自社開発し省人化・工期短縮を実現するなど、得意分野での技術蓄積が競争優位を形成。2026年3月期の建築セグメント利益率は8.7%(前期5.8%)へ大幅改善し、採算改善案件の比率上昇が数値で確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期の213,569百万円を底に3期連続で大幅増収し、2026年3月期は358,697百万円に達した。営業利益は2023期の6,555百万円から2026年3月期の24,199百万円へ約3.7倍に拡大し、営業利益率は6.7%(前期6.2%)へ改善。
外部要因として国土強靱化・防衛インフラ需要による公共投資の堅調推移、アフリカ・東南アジアの大型港湾工事の進捗が業績を牽引した。2027年3月期は人材・DX投資増により営業利益21,100百万円(前期比12.8%減)と一時的な減益を予想しており、成長投資局面への移行を示す。
成長戦略
国内強靱化・防衛需要の取込みと海外多様化、人材・DX投資で2035年売上5,000億円を目指す
港湾・空港等の得意分野を堅持しつつ、防衛力強化に伴う安全保障関係インフラ整備への参入を拡大。カーボンニュートラル・CCS・洋上風力等の新領域にも取り組む。2026年3月期の国内土木個別受注高は161,850百万円(前期比14.1%増)と順調に拡大。
冷蔵倉庫等の得意分野で競争優位を確立しつつ、社会公共インフラの営業体制を再構築。事業開発・リニューアル・建物管理分野への展開も強化。2026年3月期の建築個別受注高は101,494百万円(前期比11.7%増)と回復し、手持高107,964百万円を積み上げた。
土木分野の強みを生かしながら注力地域を明確化し、建築分野を着実に拡大。2026年3月期は海外建築受注高11,219百万円を初めて本格的に獲得。ただし海外受注高全体は前期比38.5%減の73,533百万円と大幅減少しており、次期以降の受注補充が課題。
中期経営計画〈2026-2028〉において3年間の投資計画額を500億円(M&A別枠)に拡充。施工キャパシティ強化を目的とした人材投資とDX投資を積極実施。2027年3月期は販管費増加により営業利益が前期比12.8%減となる見込みで、先行投資局面に入った。
最終更新: 2026年7月19日

