事業内容
熊谷組は1898年創業の総合建設会社で、土木事業(治山・治水・道路・鉄道等)、建築事業(集合住宅・事務所・工場等)、子会社群による周辺事業(道路舗装・資機材製造・技術商品等)を展開する。官公庁・民間双方を顧客とし、国内全国に支店網を持つほか、台湾・ベトナム・インドネシア・香港等で海外事業も展開。
住友林業との資本業務提携により木造建築分野でのシナジーも追求している。2026年3月期の連結売上高は487,698百万円。
ビジネスモデル
建設事業では官公庁・民間から工事を受注し、完成工事高として収益を計上する請負モデルが基本。採算重視の選別受注と物価スライド条項の活用により利益率改善を図る。
子会社群(㈱ガイアート・テクノス㈱・㈱ファテック等)が建設周辺領域を担い、グループ内外への技術商品外販も行う。中期経営計画では不動産開発・再生可能エネルギー・PPP/PFI等の周辺事業投資(400億円規模)を加速し、建設請負依存からの収益構造転換を目指す。
企業の強み
建築事業ではコロナ禍受注の不採算工事影響が剥落し、受注時粗利益の改善した工事が順調に進捗。2026年3月期の建築営業利益は前期比133億円増の14,160百万円、営業利益率5.5%へ大幅改善。次期繰越工事高(単体)は532,317百万円と高水準を維持し、売上の安定的な消化基盤を確保している。
トンネル切羽自動モデリング「TufmoS-HMC」、ADT自動走行、発破装薬完全自動化、EVワイヤレス給電用プレキャスト版など多数の独自技術を開発。研究開発費は3,418百万円を投入。
「建設WAO」新基幹システム導入やKDP(Kumagaigumi Digital Platform)構築を推進し、現場の生産性向上と技術継承を図っている。
2017年に住友林業と資本業務提携を締結し、木材・緑の知見と熊谷組の建築技術を融合。「環境配慮型λ-WOODⅡ®耐火床」等の独自技術を活用した中大規模木造建築「KiGi AKIHABARA」等が市場から高評価を獲得し、受注を牽引する成長分野として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
完成工事高は2023年3月期の403,502百万円を底に回復し、2025年3月期に498,581百万円のピークを付けた後、2026年3月期は487,698百万円(前期比2.2%減)と微減。一方、利益面は建築事業の完成工事総利益率改善(個別4.0%→9.8%)を主因に営業利益27,092百万円(前期比89.5%増)と過去5期で最高水準を達成。
外部要因として民間設備投資の高水準継続・公共投資の安定執行・物価スライド条項の法的整備が利益率改善を後押しした。営業CFは25,016百万円(前期8,233百万円)と大幅改善し、現金及び現金同等物期末残高は64,679百万円へ増加。
成長戦略
建設事業強化・周辺事業加速・経営基盤充実の3本柱で中計目標達成を目指す。
建築事業における選別受注方針の徹底と物価スライド条項活用による請負金額への価格転嫁を推進。2026年3月期に個別建築事業の完成工事総利益率が9.8%(前期4.0%)へ大幅改善し、施策の効果が数値に表れている。2027年3月期は同12.0%を目標とする。
ローカルエナジーシステム㈱・㈱KGディノ・リゾートを新規連結(2026年3月期)し、再生可能エネルギー・リゾート分野へ事業領域を拡大。台湾・ベトナム・米国における不動産・建設事業への投資も継続。子会社セグメントの外部顧客売上高は116,182百万円、営業利益7,086百万円を計上。
2026年度(2027年3月期)の連結売上高5,000億円・連結経常利益300億円・ROE10%以上を財務目標とする。2027年3月期予想は完成工事高500,000百万円・経常利益31,000百万円であり、経常利益目標は達成見込み。ROEは2026年3月期実績10.9%と既に目標水準を超過達成。
最終更新: 2026年7月19日

