事業内容
戸田建設は1881年創業の東証プライム上場の総合建設会社(ゼネコン)。国内外の建築・土木工事請負を中核事業とし、国内投資開発(不動産自主開発・賃貸)、国内グループ会社(佐藤工業・昭和建設等の建設子会社、ビル管理、ホテル)、海外グループ会社(タイ・ベトナム・インドネシア・米国等での建設・不動産)、環境・エネルギー(浮体式洋上風力・陸上風力・太陽光発電)の6セグメントを展開する。
連結子会社53社・関連会社29社を擁し、2026年3月期連結売上高は645,737百万円。データセンター・物流施設・再開発・インフラ更新等の旺盛な建設需要を取り込みながら、再生可能エネルギー事業を戦略的成長領域として育成している。
ビジネスモデル
主収益源は建築・土木工事の請負。受注から完成工事高計上までのタイムラグを活用し、次期繰越工事高(2026年3月末1,073,376百万円)が将来売上の可視性を担保する。
これに加え、国内投資開発では私募REITを活用した循環型不動産投資モデルで資産効率を高め、環境・エネルギーでは浮体式洋上風力・陸上風力の売電収入を積み上げる。建設事業と戦略事業の「ヨコ展開」連携によりシナジーを創出し、高収益化を目指す構造。
企業の強み
2026年3月末時点の次期繰越工事高(個別)は1,073,376百万円(前期比8.3%増)。国内建築716,343百万円・国内土木353,465百万円と高水準を維持し、虎ノ門一丁目東再開発・横浜湘南道路トンネル等の大型案件を含む。
この受注残が次期以降の売上高を高い確度で裏付けており、業績の安定性・予見可能性を支えている。
建築セグメントの営業利益は2026年3月期に26,972百万円(前期比62.8%増)、利益率は4.6%→7.4%へ改善。フロントローディングによる設計・施工準備段階での原価低減、適正工期・適正利益を重視した受注選別、人員配置・生産プロセスの最適化が奏功した。
個別の建築売上総利益率も10.7%→13.7%へ大幅に向上している。
2013年から五島市沖で実証を重ね、2026年1月に国内初の浮体式洋上ウィンドファーム(2,100kW×8基)の商用運転を開始。環境省委託事業・NEDOグリーンイノベーション基金も活用し、設計・施工・O&Mを一貫した技術開発体制を構築。
先行者としての知見・認証・施工実績は競合が短期間で模倣困難な固有優位性を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の547,155百万円を底に3期連続増収となり、2026年3月期は645,737百万円(前期比+10.1%)と過去5期最高を更新。営業利益は38,215百万円(前期比+43.5%)、親会社株主帰属純利益は36,981百万円(前期比+46.8%)と大幅増益。
建築事業の採算性向上(完成工事総利益率13.7%)と海外グループ会社の不動産売却益が主要ドライバー。外部要因として旺盛な民間建設需要(データセンター・物流施設等)が採算性の高い工事ミックスを後押し。
営業CFは62,460百万円(前期26,413百万円)へ急拡大し、財務基盤も強化。自己資本比率は39.1%(前期37.1%)に改善。
2027年3月期は売上高753,000百万円と増収予想ながら、経常・純利益は減益見通し。
成長戦略
建設高収益化と戦略事業拡大でROE10%以上・ROIC5%以上を中長期目標に掲げる
フロントローディングによる設計・施工準備段階でのムダ排除と原価低減を徹底し、建築完成工事総利益率を13.7%(2026年3月期個別)まで改善。次期繰越工事高1,073,376百万円を背景に、2027年3月期個別建築売上高433,800百万円・利益率11.3%を目指す。
中期経営計画2027の重点管理事業として位置づけ、建設事業と戦略事業の連携(ヨコ展開)によるスマートシティ開発を推進。国内投資開発セグメントの次期売上高予想40,000百万円(前期比+27.9%)への回復を目指す。
五島市沖洋上風力・ブラジル陸上風力が稼働し、環境・エネルギーセグメント売上高は3,327百万円(前期比+261.5%増)へ急拡大。戸田ソーラーシェアリング合同会社も新設。次期売上高予想7,000百万円(前期比+110.4%増)と高成長軌道を見込むが、営業損失は継続中。
米国子会社の不動産売却益とAqua Nishihara Corporation Ltd.の連結子会社化により、海外グループ会社セグメント利益は前期比449.0%増の5,623百万円へ急拡大。次期売上高予想73,000百万円(前期比+7.8%増)を目指し、東南アジア・米国での事業基盤を強化。
DOE3.5%以上・総還元性向70%程度を方針に掲げ、2026年3月期年間配当58円(前期比+28円)・配当性向47.0%を実現。自己株式取得(当期7,001百万円)も実施。ROIC5%以上・ROE10%以上を中長期目標に投資プロセスを強化。次期配当予想60円。
最終更新: 2026年7月19日

