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株式会社森組

1853東証スタンダード建設業

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株式会社森組1853

事業内容

株式会社森組は1934年創業の中堅総合建設会社。土木・建築工事全般を手掛ける建設事業が売上高の約99%を占め、官公庁工事(高速道路・インフラ等)と民間工事(物流施設・マンション・商業施設等)の両輪で事業を展開する。

主要顧客には西日本高速道路㈱、阪急阪神不動産㈱、野村不動産㈱、三井不動産レジデンシャル㈱等の大手企業が名を連ねる。2016年より旭化成㈱及び旭化成ホームズ㈱の関連会社となり、東京証券取引所スタンダード市場に上場。

2025年10月には不採算の砕石事業を譲渡し、建設事業への経営資源集中を図っている。

ビジネスモデル

工事ごとに受注契約を締結し、進捗度に応じた収益認識(原価比例法)で完成工事高を計上する受注型ビジネスモデル。選別受注の徹底と実行予算管理による原価コントロールで収益性を確保する。

次期繰越工事高44,105百万円(2026年3月期末)が将来売上の可視性を高めており、官公庁・民間の双方から安定的に受注を積み上げる構造となっている。

企業の強み

2026年3月期末の次期繰越工事高は44,105百万円(土木19,362百万円、建築24,742百万円)と過去最高水準に達した。2028年完成予定の大型案件(阪急阪神不動産㈱四谷3丁目計画、中日本高速道路㈱紀勢自動車道等)を含み、複数年にわたる売上の可視性が高い。

選別受注の徹底と設計変更協議・追加変更契約の締結による工事採算性改善を推進した結果、完成工事総利益率は前期9.0%から当期10.8%へ向上。建設事業セグメント利益は2,651百万円(前期比18.9%増)を達成し、売上高が減少する中でも利益を拡大させた。

2026年3月期末の自己資本比率は61.5%(前期58.9%)に上昇し、有利子負債はゼロとなった。現金及び現金同等物は6,394百万円(前期比43.0%増)と潤沢で、インタレスト・カバレッジ・レシオは182.2倍。自己資金による運転資金・設備資金の充当を原則とする財務方針を実践している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高28,040百万円(前期比4.8%減)と減収ながら、営業利益1,335百万円(同23.5%増)と大幅増益を達成した。完成工事総利益率は前期9.0%から当期10.8%へ向上しており、選別受注の徹底と原価管理強化の効果が明確に数値に反映されている。

砕石事業の不採算セグメント切り離しも収益構造の改善に寄与した。

2027年3月期の業績予想は売上高27,200百万円(前期比3.0%減)、営業利益1,160百万円(同13.2%減)と減収減益を見込む。中期経営戦略の最終年度モデル数値も受注高29,000百万円・売上高27,200百万円へ下方修正(前回比それぞれ4.9%減・9.3%減)した。

市場環境として原油価格高止まりによるエネルギーコスト・資材価格上昇、担い手不足が継続しており、利益率の更なる改善余地は限定的とみられる。

砕石事業の南海砂利への譲渡(2025年10月1日付)により事業譲渡益42百万円を計上した一方、不採算セグメントを切り離し経営資源の集中が完了した。ただし、法人税等調整額が前期△205百万円(税負担軽減)から当期297百万円(税負担増加)へ転換し、法人税等合計が114百万円から430百万円へ急増した結果、税引前当期純利益が31.0%増加したにもかかわらず当期純利益は926百万円(前期比0.6%増)にとどまった。

繰延税金資産の消滅と繰延税金負債の発生(270百万円)が背景にあり、今後の実効税率水準に注目が必要である。

成長戦略

建設事業集中・ICT活用・官公庁受注拡大で収益基盤の質的向上を追求。

生瀬砕石所の製造・販売事業を2025年10月1日付で南海砂利株式会社へ譲渡完了。不採算セグメントを切り離し、土木・建築工事への人材・資本の集中を実現した。事業譲渡益42百万円を計上。

受注量より収益性を重視した選別受注を推進。2026年3月期の完成工事総利益率は10.8%(前期9.0%)へ向上し、営業利益率も4.8%(前期3.7%)へ改善。中期目標の営業利益1,160百万円は次期予想値として設定済み。

関東・関西・中部地域への事業エリア集約を推進。2026年3月期の土木受注高は13,816百万円(前期比45.4%増)と急増し、官公庁工事比率が37.2%から56.7%へ上昇。繰越土木工事残高19,362百万円を確保。

積極的なICT技術の活用と生産性向上に取り組み、高品質・高性能にこだわった環境配慮型スマート施工管理を推進。ソフトウエア投資が前期16百万円から283百万円へ急増しており、デジタル投資が本格化している。

2021年度比で2030年度にScope1・Scope2の温室効果ガス排出量42%削減を目標として設定。建設現場での環境配慮施工を推進し、ESG対応による企業価値向上を図る。

最終更新: 2026年7月19日