事業内容
株式会社森組は1934年創業の中堅総合建設会社。土木・建築工事全般を手掛ける建設事業が売上高の約99%を占め、官公庁工事(高速道路・インフラ等)と民間工事(物流施設・マンション・商業施設等)の両輪で事業を展開する。
主要顧客には西日本高速道路㈱、阪急阪神不動産㈱、野村不動産㈱、三井不動産レジデンシャル㈱等の大手企業が名を連ねる。2016年より旭化成㈱及び旭化成ホームズ㈱の関連会社となり、東京証券取引所スタンダード市場に上場。
2025年10月には不採算の砕石事業を譲渡し、建設事業への経営資源集中を図っている。
ビジネスモデル
工事ごとに受注契約を締結し、進捗度に応じた収益認識(原価比例法)で完成工事高を計上する受注型ビジネスモデル。選別受注の徹底と実行予算管理による原価コントロールで収益性を確保する。
次期繰越工事高44,105百万円(2026年3月期末)が将来売上の可視性を高めており、官公庁・民間の双方から安定的に受注を積み上げる構造となっている。
企業の強み
2026年3月期末の次期繰越工事高は44,105百万円(土木19,362百万円、建築24,742百万円)と過去最高水準に達した。2028年完成予定の大型案件(阪急阪神不動産㈱四谷3丁目計画、中日本高速道路㈱紀勢自動車道等)を含み、複数年にわたる売上の可視性が高い。
選別受注の徹底と設計変更協議・追加変更契約の締結による工事採算性改善を推進した結果、完成工事総利益率は前期9.0%から当期10.8%へ向上。建設事業セグメント利益は2,651百万円(前期比18.9%増)を達成し、売上高が減少する中でも利益を拡大させた。
2026年3月期末の自己資本比率は61.5%(前期58.9%)に上昇し、有利子負債はゼロとなった。現金及び現金同等物は6,394百万円(前期比43.0%増)と潤沢で、インタレスト・カバレッジ・レシオは182.2倍。自己資金による運転資金・設備資金の充当を原則とする財務方針を実践している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期24,620百万円を底に回復し、2025期29,454百万円まで拡大したが、2026期は28,040百万円と砕石事業譲渡(売上寄与減)および完成工事高の減少により再び減収となった。一方、営業利益は2026期1,335百万円と5期間で最高水準を更新し、営業利益率は4.8%(前期3.7%)へ改善。
市場環境として物流施設・データセンター等の非住宅分野の堅調な需要が建設事業の収益性を支えた。次期2027期は売上高27,200百万円・営業利益1,160百万円と減収減益予想であり、資材価格上昇・人手不足という外部要因が引き続き収益の上値を抑制する見通し。
成長戦略
建設事業集中・ICT活用・官公庁受注拡大で収益基盤の質的向上を追求。
生瀬砕石所の製造・販売事業を2025年10月1日付で南海砂利株式会社へ譲渡完了。不採算セグメントを切り離し、土木・建築工事への人材・資本の集中を実現した。事業譲渡益42百万円を計上。
受注量より収益性を重視した選別受注を推進。2026年3月期の完成工事総利益率は10.8%(前期9.0%)へ向上し、営業利益率も4.8%(前期3.7%)へ改善。中期目標の営業利益1,160百万円は次期予想値として設定済み。
関東・関西・中部地域への事業エリア集約を推進。2026年3月期の土木受注高は13,816百万円(前期比45.4%増)と急増し、官公庁工事比率が37.2%から56.7%へ上昇。繰越土木工事残高19,362百万円を確保。
積極的なICT技術の活用と生産性向上に取り組み、高品質・高性能にこだわった環境配慮型スマート施工管理を推進。ソフトウエア投資が前期16百万円から283百万円へ急増しており、デジタル投資が本格化している。
2021年度比で2030年度にScope1・Scope2の温室効果ガス排出量42%削減を目標として設定。建設現場での環境配慮施工を推進し、ESG対応による企業価値向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

