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株式会社淺沼組

1852東証プライム建設業

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株式会社淺沼組1852

事業内容

株式会社淺沼組は1892年創業の総合建設会社で、東証プライム市場上場。建築・土木の建設本体事業を中核に、メンテナンス・不動産・PFI等の周辺事業を展開する。

国内は大阪・東京の二本社体制で全国に支店網を持ち、官公庁・民間双方を顧客とする。海外はシンガポール・タイを中心に東南アジアで建物塗装・修繕・メンテナンス・土木工事を手掛ける子会社群を保有。

2026年3月期の連結売上高は175,294百万円で、建築が全体の約81%を占める。

ビジネスモデル

建設本体は受注生産型の請負モデルで、特命受注(建築64.4%)と競争入札を組み合わせて工事を獲得する。「選別受注」戦略により受注時利益率を確保し、施工品質と収益性を両立させる。

これに加え、PFI事業(斎場・給食センター等の長期運営管理)やメンテナンス事業(国内外の建物修繕・劣化診断)が安定的な収益源を形成し、建設本体の景気変動リスクを補完する構造となっている。

企業の強み

2026年3月期末時点の次期繰越工事高は建築195,828百万円・土木44,772百万円の合計240,600百万円(前期比26.3%増)に達し、当期売上高175,294百万円を大幅に上回る。なにわ筋線西本町駅部土木工事(2028年3月完成予定)等の大型長期工事が含まれ、複数年にわたる売上の高い可視性を確保している。

「還土ブロック」「立体木摺土壁」の特許取得に加え、「横座屈補剛工法」「シンプルダイア工法」「CCB工法」等の独自施工技術を複数保有。建築特命受注比率は前期50.0%から64.4%へ上昇しており、技術力を背景とした競合回避型受注の拡大が利益率改善(建築セグメント利益率10.9%)に寄与している。

中期3ヵ年計画KPIである「連結営業利益におけるリニューアル営業利益40%以上」に対し、2025年度実績は49.2%を達成。「その他」セグメントのセグメント利益率は21.5%と建設本体を大幅に上回り、PFI・メンテナンス・海外子会社を含むリニューアル関連事業が高収益の安定収益源として機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業CFは18,414百万円と前期(5,184百万円)から大幅増加したが、その主因は売上債権の減少(5,294百万円)と未成工事受入金の増加(1,811百万円)という運転資本の変動によるところが大きい。税金等調整前当期純利益の増加(6,442百万円→7,112百万円)は構造的改善を示すが、売上債権回収の前倒しは一時的要因の可能性もある。

次期以降のCF水準が7,000〜8,000百万円程度に収束するか、高水準を維持できるかが評価の分岐点となる。

2026年3月期の販売費及び一般管理費は12,380百万円(前期11,124百万円、前期比11.3%増)と売上高増加率(5.0%)を大幅に上回るペースで増加した。個別ベースでは従業員給料手当が4,988百万円(前期4,233百万円、前期比17.8%増)と急増しており、採用強化(前期比30名増の85名獲得)・処遇改善施策が費用増に直結している。

外部環境として建設技能労働者不足の深刻化が続く中、人件費上昇圧力は構造的であり、売上総利益率の改善が販管費増加を吸収できるかが利益率の持続的改善の鍵となる。

2027年3月期の連結業績予想は売上高175,500百万円(前期比0.1%増)、営業利益7,780百万円(同7.9%増)、当期純利益5,180百万円(同△0.0%)と売上高は実質横ばいを見込む。中期3ヵ年計画(2024〜2026年度)の最終年度として各KPIの達成が問われる局面だが、外部環境として資材価格の高止まり・供給網の混乱・設備投資抑制リスクが残存する。

一方、次期繰越工事高の大幅積み上がり(240,600百万円)は売上の下支えとなる。SBT認定取得(2025年11月)等の非財務KPI進捗も中長期的な企業価値評価に影響しうる。

成長戦略

中期3ヵ年計画最終年度、6テーマのKPI達成と繰越工事高の収益化が最優先課題。

受注時利益率の確保・4週8閉所・施工体制確保を組み合わせた選別受注を一層強化。2026年3月期の建築セグメント利益率10.9%・土木10.4%と成果が数値に表れており、次期繰越工事高240,600百万円(前期比26.3%増)の高採算案件への転換が次期利益の鍵。

「還土ブロック」「立体木摺土壁」の特許取得独自技術を活用し、脱炭素・SDGs対応の付加価値型リニューアル工事を拡大。環境配慮建築への需要増加という市場環境を追い風に、設計施工一体型の特命受注増加を目指す。

2026年3月期の採用人数は前期比30名増の85名(新卒・中途計)を獲得。処遇改善・新入社員研修拡充・DX/コンプライアンス研修等の人的資本強化施策を推進。構造的な人手不足が続く建設業界において、採用力・定着率の向上が競争優位の源泉となる。

2025年11月にSBTi(Science Based Targets initiative)よりGHG排出削減目標の科学的根拠に基づく認定を取得。これに伴いCO₂排出量総量削減率の非財務KPIをより厳しい内容に更新。脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速し、ESG投資家からの評価向上を図る。

2026年3月期に作業所での死亡災害が1件発生。原因究明・再発防止対策書の監督官庁提出・全作業所への事案共有・管理体制強化等の是正措置を実施済み。安全教育の強化を含む実効性ある再発防止策の継続的推進が課題。

最終更新: 2026年7月19日