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鉄建建設株式会社

1815東証プライム建設業

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鉄建建設株式会社1815

事業内容

鉄建建設は1944年創業の総合建設会社で、土木工事・建築工事を主力事業とし、不動産事業・付帯事業等を兼業する。鉄道近接施工技術を核心的な強みとし、JR東日本をはじめとする鉄道事業者・官公庁・民間企業を主要顧客とする。

2026年3月期の連結売上高は179,825百万円で、土木工事(91,165百万円)と建築工事(84,080百万円)が売上の約97%を占める。羽田空港アクセス新線建設・品川駅北口広場等の大規模鉄道インフラ案件を手持工事として抱え、子会社10社・関連会社3社を含むグループで事業を展開している。

ビジネスモデル

土木・建築工事の受注生産型請負を基本とし、受注→施工→完成引渡しのサイクルで収益を得る。JR東日本向け売上高が連結売上高の約24%を占める安定的な顧客基盤を持ち、選別受注の徹底と集中管理による原価低減で利益率改善を図る。不動産事業(売上高5,002百万円)・付帯事業が補完的収益源となっている。

企業の強み

東日本旅客鉄道向け完成工事高は2026年3月期に41,658百万円(完成工事高全体の24.0%)に達し、前期の39,264百万円(22.0%)から拡大。羽田空港アクセス線・那須塩原車両基地新設等の大型案件を手持工事に抱え、鉄道近接施工で培った技術力が競合他社の参入障壁となっている。

2026年3月末時点の手持工事高は329,481百万円(土木188,403百万円・建築141,078百万円)で、前期末278,222百万円から18.4%増加。羽田空港アクセス線(2029年2月完成予定)・東北新幹線那須塩原車両基地(2033年2月完成予定)等、複数年にわたる大型案件が積み上がり、中期的な売上基盤が可視化されている。

2026年3月期の研究開発費は1,231百万円(土木1,132百万円・建築98百万円)。点群データを活用した軌道面監視システム(JR東日本と共同開発)、非GNSS環境下マシンガイダンス技術、BIM活用コンクリート打設シミュレーションシステム等、独自技術の開発実績を積み上げており、施工効率化と安全性向上を両立する技術基盤を保有している。

エンヴァリスの着眼点

営業利益は2025年3月期3,459百万円→2026年3月期5,622百万円(前期比62.5%増)と力強い回復を示した。しかし営業活動によるキャッシュフローは13,889百万円のマイナス(前期20,285百万円のマイナスから改善)が続き、財務活動CF(借入金純増19,752百万円)で補填する構造が継続。

短期借入金は53,353百万円(前期39,845百万円)、長期借入金は22,326百万円(同16,082百万円)と有利子負債が急増しており、支払利息も1,204百万円(前期752百万円)へ拡大。受注残消化に伴う売上債権増加・棚卸資産増加が運転資本を圧迫しており、収益改善と財務健全性の両立が課題である。

2026年度以降の配当方針をDOE(自己資本配当率)4%以上を目安とする方針へ変更。2027年3月期予想配当は1株当たり223円(前期170円から53円増配)、配当性向49.3%を予定。

DOE基準への移行は業績変動の影響を受けにくい安定配当を実現する一方、自己資本78,420百万円(2026年3月期)に対してDOE4%は約3,137百万円の配当総額に相当し、現状の純利益水準(5,029百万円)では十分な余裕がある。ただし、営業CFがマイナスの状況下での増配継続は借入依存を深める可能性があり、収益力の持続的改善が前提条件となる。

外部要因として、米国の通商政策による関税引上げ・中東情勢緊迫化に伴う原油・資材価格の高騰、および建設業界全体の就業者数減少による人材不足が工事原価の上昇圧力として継続している。2026年3月期の工事損失引当金繰入額は1,687百万円(前期1,684百万円)と高水準を維持しており、南アジア案件の国際仲裁(貸倒引当金2,633百万円計上)も潜在的な損失リスクとして残存する。

2027年3月期の営業利益予想は6,600百万円(前期比17.4%増)と強気だが、資材・労務費の動向次第では達成が困難になるリスクがある。

成長戦略

中計2028アップデートのもと、DOE経営・選別受注・DX推進で企業価値向上を加速

「動き続ける街に、進化し続ける力を」をパーパスに掲げ、社会価値・顧客価値・技術進化・人材育成・組織風土・持続的成長の6視点で将来像を明確化。利益目標を前倒しで達成したことを踏まえ計画をアップデートし、財務・非財務KPIを見直した。

事業ポートフォリオを意識した選別受注を徹底し、建築工事セグメントの黒字転換(前期損失997百万円→当期利益1,030百万円)を実現。品質確保と安全の徹底を前提とした組織的な取組により利益生産性の向上を継続する。

自社専用の生成AIの活用や鉄道工事現場へのICT建設機械の導入を実施。業務変革と効率化を通じた原価低減・人材不足への対応を推進しており、研究開発費は1,231百万円(前期1,101百万円)と増加傾向にある。

2026年度以降の配当方針をDOE4%以上を目安とする方針へ変更し、業績変動の影響を受けにくい安定配当を実現。2027年3月期予想配当は1株当たり223円(前期比53円増配)。自己株式取得も財務状況・市場環境を勘案し機動的に実施する方針。

羽田空港アクセス新線建設・防衛関連工事等の将来への布石となる案件への参画を継続。不動産事業では販売用不動産残高が1,685百万円から6,196百万円へ大幅増加し、売買案件パイプラインを拡充。匿名組合出資等を通じた投資活動も展開。

最終更新: 2026年7月19日