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大末建設株式会社

1814東証プライム建設業

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大末建設株式会社1814

事業内容

大末建設株式会社は1937年創業、大阪市中央区に本社を置く総合建設企業である。建設事業を単一セグメントとし、一般建築(マンション・物流倉庫・工場・超高層建築等)を主力とする。

連結子会社として大末テクノサービス株式会社(保険代理・労働者派遣・警備)、株式会社神島組(建設)、やすらぎ株式会社(訪問看護)等を擁する。完成工事高の99%超が民間向けであり、主要顧客は不動産デベロッパーや事業法人。

東京証券取引所プライム市場上場。ミサワホームとの資本業務提携により住宅領域での知見共有も進める。

ビジネスモデル

工事を受注し完成・引渡し時に売上を計上する受注生産型モデル。2026年3月期の個別受注高152,882百万円のうち特命受注比率は85.0%(前期75.4%)と高く、価格競争を回避しながら工事採算を確保する構造が強みである。

手持工事高(繰越工事高)が将来売上の先行指標となり、2026年3月期末時点で179,939百万円を積み上げており、次期以降の売上・利益の可視性が高い。

企業の強み

2026年3月期の個別建築工事受注における特命受注比率は85.0%(前期比9.6ポイント上昇)。競争入札を回避し顧客との信頼関係に基づく随意契約を主体とすることで、工事採算の安定確保を実現している。

完成工事総利益は前期比44.9%増の11,742百万円に達し、採算改善の実績が数値で裏付けられている。

2026年3月期末の繰越工事高(手持工事高)は179,939百万円(前期比38.1%増)。これは同期売上高105,554百万円の約1.7倍に相当し、次期以降の売上・利益の見通しを高める先行指標として機能する。受注高154,357百万円(前期比34.5%増)の大幅拡大が積み上げを支えた。

鼻先PCa工法・フルPCa工法・ECS-TP工法等の自社保有技術に加え、iPad版配筋検査システムや地下ピット自律走行ヘビ型ロボット、BIM活用等のDX・ICT推進を継続。2025年度には全作業所員へiPadを配布し現場デジタル化を加速。

CFT造施工技術でAランク認定を取得するなど技術ポートフォリオを拡充している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高105,554百万円(前期比18.6%増)、営業利益6,579百万円(同78.0%増)、親会社株主帰属当期純利益3,800百万円(同84.4%増)はいずれも高水準。会社自身が「2030年度に想定していた主要な経営指標を2025年度に前倒しで達成」と表明しており、中長期計画の上方改訂を実施した。

外部要因として民間設備投資の堅調継続が追い風となっているが、受注高・繰越工事高の拡大は自社の営業力強化によるものと評価できる。

2027年3月期の連結業績予想は売上高98,400百万円(前期比6.8%減)、営業利益5,750百万円(同12.6%減)、親会社株主帰属当期純利益3,860百万円(同1.6%増)。売上・営業利益は減少予想だが、繰越工事高179,939百万円の水準を踏まえると保守的な計画とも読める。

一方、資材価格高止まりや労務費上昇という外部要因が工事採算を圧迫するリスクは継続しており、採算管理の巧拙が利益水準を左右する局面が続く。

連結子会社・神島組に係る減損損失は前期1,464百万円(のれん1,119百万円・技術関連資産345百万円)に続き、当期も1,412百万円(技術関連資産1,196百万円・機械等215百万円)を計上した。技術関連資産の残高はゼロとなったが、神島組の事業計画未達が2期連続で確認されており、今後のM&A戦略実行に際しては統合管理能力の向上が課題となる。

個別当期純利益が1,916百万円(前期3,596百万円)と大幅減少した主因であり、連結純利益との乖離要因として投資家は留意が必要。

成長戦略

「Road to 100th anniversary」を上方改訂し2030年度に向けた新目標で次の成長段階へ

民間建築特化の強みを活かし、受注拡大と工事採算管理の高度化を継続推進。2026年3月期の個別受注高152,882百万円・繰越工事高179,579百万円は過去最高水準を更新し、次期以降の売上基盤を確立している。

神島組の統合を通じてM&A実行経験を蓄積。2期連続の減損損失計上により統合管理の課題が顕在化しており、次のM&A案件では統合プロセスの改善が求められる。中長期計画の改訂でM&Aは引き続き成長軸として位置付けられている。

ICT・独自工法の活用による施工効率化と生産性向上を推進。研究開発費は190百万円(前期136百万円)へ増加し、技術投資を継続。慢性的な技能労働者不足という業界課題への対応としてDX活用の重要性が高まっている。

従業員給料手当は1,645百万円(前期1,223百万円)へ増加し、人材投資を拡大。役員報酬BIP信託・株式付与ESOP信託を活用した株式報酬制度を導入し、役職員のインセンティブ設計を強化している。

2026年3月期の年間配当は183円(前期99円)、配当性向50.1%を実現。2027年3月期予想配当は186円(中間93円・期末93円)で総還元性向50%以上を維持予定。2030年度目標の前倒し達成を受け、株主還元方針を明確化した。

最終更新: 2026年7月19日