事業内容
株式会社不動テトラは、土木事業・地盤改良事業・ブロック事業の3事業を中核とする総合建設グループ(連結:子会社8社・関連会社1社)。陸上・海洋土木工事から液状化対策・軟弱地盤改良、消波ブロック用鋼製型枠賃貸まで、国土づくりに関わる幅広い施工領域を保有する。
主要顧客は国土交通省・高速道路会社等の公共機関に加え、データセンター・エネルギー関連施設等の民間事業者にも拡大中。米国子会社Fudo Construction Inc.・Advanced Geosolutions Inc.(AGI)を通じた海外展開も推進している。
ビジネスモデル
受注型建設業を基本とし、土木・地盤改良工事の施工請負が主収益源。地盤改良事業では自社独自工法(サンドコンパクションパイル等)の適用により高採算案件を確保し、ブロック事業では消波ブロック用鋼製型枠の賃貸料収入が安定的なストック収益を形成する。
グループ会社との連携(愛知ベース工業等)で建築市場にも展開し、収益源の多様化を図っている。
企業の強み
サンドコンパクションパイル工法をはじめとする自社独自工法の適用拡大により、2026年3月期の地盤改良事業セグメント利益は7,164百万円(前期比111.0%増)、売上高46,135百万円を達成。独自工法適用工事が採算性を大きく押し上げた実績が有報に明記されている。
2026年3月期末の次期繰越受注高は全社計73,065百万円(土木52,661百万円・地盤改良20,007百万円)。特に土木事業は期首手持ち56,748百万円を背景に当期売上高33,739百万円(前期比18.9%増)を実現しており、中長期の売上可視性が高い。
事業本部から独立した総合技術研究所が48テーマ(委託21・独自27)の研究開発を推進し、当期研究開発費881百万円を投下。特許9件出願、NETIS登録2件(テトラポッド掴み機・CO2吸収材コンクリート)を達成し、DX・カーボンニュートラル対応技術の実用化を進めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は66,778→70,466→67,947→69,557→81,700百万円と推移し、2026年3月期は前期比17.5%増と加速した。営業利益も3,297→3,602→2,656→3,177→5,919百万円と、2024年3月期の落ち込みから急回復し、営業利益率は7.2%(前期4.6%)に改善。
外部要因として国土強靭化需要の高水準継続と民間設備投資(データセンター・エネルギー関連)の堅調が追い風となった。一方、売上拡大に伴う売上債権・契約資産の増加により営業キャッシュ・フローは2,302百万円の支出超過に転じており、運転資金確保のため短期借入金が15,000百万円(前期10,500百万円)に増加した点は留意が必要。
2027年3月期は減収減益予想(営業利益4,800百万円)であり、好業績からの反動局面に入る。
成長戦略
中期経営計画「収穫・実現」フェーズで収益性向上を達成、次期は経営基盤の抜本強化へ
国土強靭化需要を背景に独自工法適用工事の採算性を最大化しつつ、建築市場・エネルギー関連施設・データセンター等の民間分野への営業展開を強化。2026年3月期は受注高47,600百万円・セグメント利益7,164百万円を達成し、次期受注高予想は42,000百万円と反動減を見込む。
採用の積極化と処遇改善を通じた人的資本経営を推進し、担い手不足・労務逼迫という構造的課題に対応。2027年3月期は人的資本投資拡大が販売費及び一般管理費を押し上げ、短期的な利益圧迫要因となる見通し。健康経営との両立も方針として掲げている。
時間外労働上限規制対応・労働人口減少への対策としてDX(デジタルトランスフォーメーション)投資を推進し、生産性向上と適正工期設定・価格転嫁を図る。ブロック事業では3Dプリンタ等新技術を活用した新規事業モデルへの転換も中期経営計画方針として掲げている。
架空発注等の不正事案を受け、2025年12月に追加の再発防止策詳細実行計画を策定・公表。全役職員の意識改革・企業風土改革・内部統制強化・コンプライアンス徹底を推進。特別調査費用として当期354百万円を計上しており、社会からの信頼回復が企業価値向上の前提条件となっている。
中期経営計画における利益還元目標として配当性向40%程度(1株当たり60円以上)を設定。2026年3月期は業績上振れを受け期末配当を115円(前回予想90円から25円増配)とし、配当性向39.0%を実現。
2027年3月期は合併20周年記念配当30円(中間)を含む年間115円を予定し、配当性向は54.4%となる見通し。
最終更新: 2026年7月19日

