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松井建設株式会社

1810東証スタンダード建設業

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松井建設株式会社1810

事業内容

松井建設株式会社は1586年(天正14年)創業、440年超の社歴を持つ東証スタンダード上場の総合建設会社である。建設工事の請負事業(建築・土木)が連結売上高の約98%を占める中核事業であり、連結子会社の松井リフォーム株式会社・松友商事株式会社とともに事業を展開する。

主要顧客は官公庁および民間企業で、2026年3月期の売上高17,524百万円が官公庁向け、77,028百万円が民間向けである。神社仏閣・城郭・文化財等の伝統建築から一般建築・土木まで幅広い施工実績を有し、不動産売買・賃貸・設計監理事業も補完的に営む。

ビジネスモデル

建設工事の請負契約に基づき、工事完成・引渡し時点で完成工事高を計上する工事請負モデルが基本である。受注から完成まで一定期間を要するため、次期繰越高(2026年3月期末111,998百万円)が将来売上の先行指標となる。

選別受注へのシフトと資材等価格転嫁の進展により完成工事総利益率を改善し、不動産賃貸収益(2026年3月期1,111百万円)が安定的な補完収益として機能する構造である。

企業の強み

1586年創業以来、神社仏閣・城郭・文化財等の伝統建築を社会的使命と位置付けて継承してきた。重要文化財「旧長崎英国領事館本館ほか保存修理第2期工事」等の施工実績が示すように、競合他社が短期間で模倣困難な伝統技術の蓄積が差別化要因となっている。

2026年3月期末の自己資本比率は65.1%(前期末比2.5ポイント向上)、純資産合計57,028百万円。取引銀行5行と総額8,000百万円のコミットライン契約を締結し、手元現金及び現金同等物は16,459百万円に達する。有利子負債依存度が低く、財務の健全性が高い。

2026年3月期末の個別建設事業次期繰越高は111,998百万円(前期比8.1%増)で、うち建築工事繰越高は110,462百万円(前期比8.5%増)。(仮称)北区立堀船中学校等複合施設新築工事(2027年7月完成予定)等の大型案件を含み、向こう1〜2年の売上基盤が既に確保されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高が前期比3.2%減の96,037百万円と減収となった一方、営業利益は67.3%増の5,659百万円、当期純利益は59.6%増の4,350百万円と大幅増益を達成した。売上規模を追わず採算性を重視する選別受注戦略が数値として結実しており、「身の丈経営・質的成長」の方針が着実に機能していることを示す。

個別ベースの次期繰越高は112,719百万円(前期比8.1%増)と積み上がっており、2027年3月期の売上高96,000百万円予想を支える可視性は高い。一方、2027年3月期の営業利益予想は5,400百万円(前期比4.6%減)と小幅減益を見込む。

外部要因として建設コスト高騰・中東情勢による建材不足リスクが継続しており、採算管理の維持が引き続き評価の焦点となる。

2026年3月期の年間配当は78円(前期48円から大幅増配、うち創業440周年記念配当3円含む)、配当性向51.4%と方針に沿った還元を実施した。ただし2027年3月期予想は70円と減配見通しであり、記念配当剥落と利益減少が重なる。

連結配当性向50%目安の方針は継続しており、利益水準の維持・向上が配当水準を左右する構造に変わりはない。

成長戦略

選別受注・採算改善・連結配当性向50%目安による「身の丈経営・質的成長」の継続

採算性の低い案件を排除し、特命受注比率の向上と価格転嫁を推進することで完成工事総利益率を高める戦略。2026年3月期に完成工事総利益10,261百万円を達成し、前期比大幅改善を実現した。

個別建設事業の次期繰越高は111,998百万円(前期比8.1%増)、建築工事繰越高は110,462百万円(前期比8.5%増)と拡大。受注高103,029百万円(前期比2.1%減)と受注は若干軟化しているが、繰越高水準は高く次期売上の可視性は高い。

当面の間、連結配当性向50%を目安とする安定的な配当を方針として掲げる。2026年3月期は配当性向51.4%・年間78円を実施。2027年3月期は年間70円(中間35円・期末35円)を予定しており、利益水準に連動した還元を継続する。

有利子負債をゼロとし、投資有価証券残高を20,196百万円(前期14,657百万円)に拡大。自己資本比率65.1%と財務健全性を高めつつ、保有資産の含み益(その他有価証券評価差額金10,698百万円)も拡大している。

最終更新: 2026年7月19日