事業内容
大成建設は1873年創業の歴史を持つ総合建設企業。土木事業(道路・ダム・トンネル・海洋工事等)、建築事業(オフィス・工場・商業施設等)、開発事業(不動産売買・賃貸・管理)を三本柱とし、連結子会社75社・持分法適用会社77社を擁するグループを形成する。
主要顧客は官公庁・大手民間デベロッパー・製造業等の幅広い法人。2025年9月に東洋建設を完全子会社化し、海洋工事領域を取り込んで総合土木力を強化した。
売上高は2,089,091百万円(2026年3月期)規模の国内大手ゼネコンの一角を占める。
ビジネスモデル
建設事業は受注から施工・引渡しまでの工事進捗に応じて売上を計上する受注型モデルが基本。次期繰越高(個別:土木1,054,248百万円・建築2,286,568百万円)が将来売上の先行指標となる。
開発事業では自社保有不動産の賃貸収益と売却益を積み上げる安定収益源を確保。受注時採算の改善と価格転嫁の進展により、完成工事総利益率の向上が収益拡大の主要ドライバーとなっている。
企業の強み
2026年3月末時点の個別手持工事高は土木1,054,248百万円・建築2,286,568百万円の合計3,340,816百万円。新宿駅西口地区開発計画や八重洲一丁目北地区再開発等の大型案件を含み、2〜3年分の売上基盤が既に確保されており、業績の予見可能性が高い。
個別の建築完成工事総利益率は2025年3月期11.3%から2026年3月期15.0%へ大幅に改善。不採算工事の減少と受注時採算管理の徹底が奏功し、建築セグメント営業利益は前期比590.6%増の78,370百万円を達成した。価格転嫁の進展が自社の採算管理努力と相まって利益率を押し上げた。
2025年9月に東洋建設を完全子会社化し、陸上土木に海洋工事・洋上風力関連技術を垂直統合。土木セグメント売上高は前期比8.5%増の720,226百万円、営業利益は同9.1%増の95,557百万円に拡大。海外受注も個別で33,091百万円(前期117百万円)へ急増し、事業領域が大幅に拡張された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025期の2,154,223百万円から2026期は2,089,091百万円(前期比3.0%減)と微減したが、建築事業の採算改善と工事損失引当金の大幅減少(35,984百万円→6,508百万円)により営業利益は120,160百万円から187,973百万円へ56.4%増加。ROEは13.8%から18.7%へ改善し、中期経営計画目標を大幅超過した。
外部要因として民間設備投資の持ち直しと底堅い公共投資が建設市場全体を支えた。2027年3月期は売上高2,420,000百万円(15.8%増)・営業利益188,000百万円(横ばい)を予想するが、東洋建設の本格寄与と繰越高の消化が売上増加を牽引する見通し。
成長戦略
TAISEI VISION 2030のもとM&A・海外展開・建設DXで新たな成長基盤を構築
2025年9月に東洋建設株式会社を取得原価131,684百万円で完全子会社化。陸上×海洋の垂直統合により総合土木ケイパビリティを獲得し、土木事業の売上高・利益率の双方に貢献。2027年3月期は土木事業売上高7,800億円(当期比14.7%増)を計画。
2026年度(2027年3月期)の経営数値目標として営業利益1,880億円・純利益1,510億円・ROE15.4%を設定。2026年3月期実績(営業利益1,879億円・ROE18.7%)は既に目標を超過達成しており、最終年度も目標水準の維持を見込む。
2026年度末までに政策保有株式残高を連結純資産額の20%未満とする目標を設定。2025年度末時点の残高は2,775億円(連結純資産比率28.0%)。売却により創出した資金を成長投資・株主還元に配分する方針であり、当期投資有価証券売却益54,656百万円を計上。
個別受注高の海外比率が前期0.6%から当期2.2%へ拡大(海外受注高39,919百万円、前期比253.2%増)。東洋建設の海外土木実績も加わり、TAISEI VISION 2030が掲げる海外展開加速の初期成果が表れている。
2027年3月期個別海外売上高は300億円(当期230億円から増加)を計画。
最終更新: 2026年7月19日

