事業内容
株式会社大本組は1937年に岡山市で創業し、2026年3月期の売上高87,448百万円を誇る中堅総合建設会社(ゼネコン)である。建築事業(売上高44,508百万円)と土木事業(売上高42,940百万円)をほぼ均等に擁し、商業施設・物流施設・工場等の民間建築から、港湾・道路・下水道等の公共土木まで幅広い工事種別を手掛ける。
国土交通省が完成工事高の18.4%を占める最大顧客であり、官公庁と民間の双方から安定的に受注を獲得している。東京・大阪・仙台・福岡等に支店を持ち、全国規模で施工体制を構築。
子会社テクノアシスト㈱が環境整備事業、関連会社クイント企画㈱が保険代理業を営む。東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
建設工事の請負契約を受注し、工事の進捗に応じて収益を認識する工事進行基準を採用する。受注から売上計上までにタイムラグが生じる構造上、期末の繰越工事高(手持工事高)が翌期以降の売上を先行的に規定する。
2026年3月期末の繰越工事高は148,311百万円(建築61,380百万円・土木86,930百万円)と過去最高水準に達しており、翌期売上高予想98,000百万円の裏付けとなっている。資金調達は内部資金を基本とし、不足時は取引金融機関9社との50億円コミットメントライン等で補完する。
企業の強み
2026年3月期末の次期繰越工事高は148,311百万円(建築61,380百万円・土木86,930百万円)と前期末比22.5%増の過去最高水準に達した。これは翌期売上高予想98,000百万円の約1.5倍に相当し、中期的な売上計上の安定性を裏付ける自社固有の受注基盤の厚みを示している。
大深度基礎工事に用いるニューマチックケーソン工法において、掘削機の自動(自律)運転システム「Full Auto Pneuma®」や長距離遠隔操作技術、救護設備の共同開発など独自技術を継続的に開発している。2026年3月期の研究開発費は189百万円、設備投資718百万円のうち同工法用機械装置が主要項目であり、技術的参入障壁を形成している。
2026年3月期末の自己資本比率は66.3%と建設業界の中でも高水準を維持している。純資産合計は687億円(68,700百万円相当)に達し、有利子負債依存度が低い。取引金融機関9社と50億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金流動性も確保されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は87,448百万円(前期比24.8%増)、営業利益は2,362百万円(同30.2%増)、経常利益は2,708百万円(同28.3%増)と増収増益を達成。受注高は114,734百万円(同26.2%増)と大幅に拡大し、建築・土木ともに伸長。
外部要因として、国土強靭化政策や防災・減災事業の推進による公共投資の堅調推移、企業収益改善に伴う民間設備投資の回復が追い風となった。一方、建設資材価格の高止まりや労務費上昇が収益環境に影響し、売上高営業利益率は2.7%と低水準にとどまる。
当期純利益は1,813百万円(同1.4%増)と小幅増にとどまったが、前期に計上した特別利益679百万円(固定資産・投資有価証券売却益)が当期はゼロとなった影響が大きい。5期推移では2023年3月期に営業利益が580百万円まで落ち込んだ後、回復基調が続いており、2027年3月期は営業利益4,200百万円(前期比77.8%増)を予想。
成長戦略
長期ビジョン2036・中期経営計画最終年度で収益基盤強化と企業価値向上を推進
中期経営計画(2024〜2026年度)の重点施策として受注基盤強化と採算管理を推進。2026年3月期の受注高は114,734百万円(前期比26.2%増)と大幅拡大し、次期繰越工事高148,311百万円を確保。2027年3月期は売上高98,000百万円・営業利益4,200百万円を目標とする。
人的資本への投資を通じた技術力・組織力の強化を推進。従業員給料手当は1,231百万円から1,521百万円へ増加し、株式給付費用も22百万円から46百万円へ拡大。人材確保・育成への投資を継続しながら生産性向上を図る。
財務安全性を維持しつつ資本効率を意識した株主還元を実施。2026年3月期の配当は1株当たり50円(配当性向70.1%)、2027年3月期は74円を予定。中期経営計画において事業戦略・財務資本戦略・非財務戦略の三位一体推進を掲げる。
最終更新: 2026年7月19日

