事業内容
コージンバイオ株式会社は1981年創業、2024年4月に東京証券取引所グロース市場へ上場したバイオテクノロジー企業。細胞培養用培地の開発・製造・販売を担う組織培養事業、感染症・食品・産業向け微生物検査製品を扱う微生物事業、再生医療等安全性確保法に基づく特定細胞加工物製造受託を行う細胞加工事業の3事業を展開する。
主要顧客は国内外の大学・研究機関・製薬企業・医療機関で、国内連結子会社1社・海外連結子会社2社・持分法適用関連会社(味の素コージンバイオ株式会社)1社を含むグループで事業を運営している。
ビジネスモデル
組織培養事業で開発・製造した細胞培養用培地を細胞加工事業の受託製造に自社使用することで、競合他社比で原価率を低く抑えつつ、現場からの性能フィードバックを製品改良に即時反映できる。微生物事業との間では顧客基盤・販売代理店網を共有し、単一事業の競合に対して営業効率面での優位性を持つ。
収益は製品販売(組織培養・微生物)と受託加工フィー(細胞加工)の組み合わせで構成される。
企業の強み
細胞加工事業において自社製細胞培養用培地を使用することで、外部調達が必要な競合他社と比較して原価率を低く抑えられる。また、細胞加工現場からの性能フィードバックを組織培養事業の製品開発に直接活用できる体制を構築しており、品質向上と差別化を同時に実現している。
KBM500シリーズ(免疫細胞培養用)、KBM ADSCシリーズ(間葉系幹細胞用、2014年発売)など再生医療向け無血清培地を複数ラインナップ。CHO細胞用CD培地は既に上市済みで、HEK293細胞用培地の開発も順調に進捗。
2026年3月期の組織培養事業売上高は2,539百万円、セグメント利益946百万円(利益率37.3%)と高収益を実現している。
ISO9001(2003年取得)、ISO13485(2006年取得)を保有し、体外診断用医薬品製造販売業許可(1993年取得)、細胞培養加工施設許可(施設番号FA3190002)も取得済み。新型コロナウイルス感染症抗原検査キットでは国からの増産要請に応じ月産最大約20万検体分を製造した実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期4,770百万円→2025年3月期5,206百万円(+9.1%)→2026年3月期4,939百万円(△5.1%)と成長が反転した。営業利益は2025年3月期991百万円から2026年3月期341百万円へ65.5%減と急落し、営業利益率は19.0%から6.9%に低下した。
外部要因として感染症流行の沈静化による抗原検査キット等の需要急減と、日中関係悪化によるインバウンド患者数の減少が主因である。2027年3月期は売上高4,722百万円・営業利益137百万円と会社側はさらなる減収減益を予想しており、底打ちの時期は不透明である。
唯一の明るい材料は組織培養事業の堅調な成長継続であり、OEM培地受注の拡大が中長期的な収益回復の鍵を握る。
成長戦略
組織培養OEM拡大・細胞加工の国内転換・微生物事業の収益構造改善を3本柱とする
国内外研究機関・製薬企業向けOEM培地の受注拡大を継続し、新工場用地取得・新倉庫建設による供給能力増強を進める。2026年3月期は売上高2,540百万円・セグメント利益946百万円と計画超過を達成しており、グループ全体の収益基盤として機能している。
日中関係悪化によるインバウンド患者数低迷を受け、国内患者・国内医療機関向け受託の拡大、長期契約型案件の獲得、受託プロセスの効率化を推進する。広島県新細胞加工施設の稼働による処理能力拡大も並行して進める。2026年3月期は計画を大幅に下回っており、転換の実現には時間を要する見通し。
感染症関連製品の需要減少が続く中、臨床検査・産業用途向けの安定需要を基盤に新製品開発を強化し、収益構造の改善を図る。OTC医薬品認可取得によるドラッグストア・インターネット販売チャネルの拡大やアジア圏での新市場開拓も視野に入れる。
2026年3月期はセグメント損失94百万円と厳しい状況が続いており、2027年3月期も改善は限定的と見込まれる。
最終更新: 2026年7月19日

