事業内容
太洋基礎工業は1967年設立の名古屋本社の建設専業企業で、地盤改良・推進工事・液状化対策等の特殊土木工事等事業(売上構成比48%)を主力に、住宅基礎補強工事、環境関連工事(太陽光・風力・土壌浄化)、建築事業(中規模マンション等)、機械製造販売、再生可能エネルギー売電の6事業を展開する。主要顧客は官公庁(売上高4,625百万円)および民間住宅・不動産オーナー。
東京証券取引所スタンダード市場上場。全国に支店・営業所網を持ち、国土強靭化・インフラ老朽化対策需要を主要マーケットとする。
ビジネスモデル
受注残高を「営業財産」として可視化する受注生産モデルを採用。特殊土木・住宅関連の2事業で全社売上の約77%を占め、公共工事(官公庁向け)と民間住宅需要の双方を取り込むことで景気変動への耐性を持つ。
再生可能エネルギー売電(営業利益率約59.9%)が高収益の補完機能を果たし、自己資金と一部借入金で運転資金・設備投資を賄う財務構造を維持している。
企業の強み
第59期末の受注残高は7,069百万円と過去最高を更新。特殊土木工事等事業の受注高が8,196百万円(前期比+47.1%増)と急増し、同セグメントの受注残高は3,578百万円(前期比+52.4%増)に達した。
建築事業の受注残高も3,258百万円(前期末比+36.6%増)と積み上がり、全社的な売上の先行指標として機能している。
売上構成比48%の特殊土木工事等事業(営業利益332百万円)と同29%の住宅関連工事事業(営業利益156百万円)が収益の両輪を担う。住宅関連工事事業は売上減少下でも採算管理徹底により営業利益率が前期2.7%から当期3.7%へ改善。公共・民間の需要源泉を分散させた事業構造が収益安定性を支えている。
第59期末の純資産合計は9,497百万円、資産合計12,444百万円に対し負債合計は2,946百万円と低水準。現金及び現金同等物は3,619百万円(前期末比649百万円増)。営業キャッシュ・フローは898百万円の収入と改善し、自己資金中心の財務運営により財務健全性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は12,934→14,710→14,572→13,482→14,511百万円と横ばい圏で推移。営業利益は2023期797百万円をピークに2024期225百万円・2025期170百万円と急落後、2026期551百万円に回復。
2027年1月期第1四半期は売上高3,892百万円(前年同期比0.6%増)に対し、営業利益335百万円(同57.9%増)・経常利益350百万円(同61.4%増)・四半期純利益236百万円(同53.5%増)と利益面が大幅改善。完成工事原価の削減(前年同期比4.2%減)と工事竣工時の精算金額交渉強化が主因。
外部要因として建設価格高騰による民間投資抑制が売上成長の上限を制約している。通期予想は売上高14,700百万円(前期比1.3%増)・営業利益588百万円(同6.7%増)で据え置き。
成長戦略
中期経営計画(第59〜61期)で売上高150億円・ROE6%・DOE1.5%を目指す
2年目となる中期経営計画において、競争に勝てる営業力の強化を基本方針として掲げる。原価管理・精算交渉力の向上により、売上横ばいでも利益率を改善する体質転換を推進。2027年1月期第1四半期で営業利益率8.6%(前年同期4.7%)を達成し、方針の実効性が確認された。
再エネ分野への新機械導入を検討・実施し、環境関連工事セグメントの拡大を図る。2027年1月期第1四半期の環境関連工事受注高が前年同期比699.9%増の474百万円と急拡大しており、受注残高533百万円が第2四半期以降の売上を下支えする。ESG関連投資の拡大という外部環境も追い風。
建築事業の受注残高2,782百万円(前年同期比66.4%増)を第2四半期以降に順次売上計上し、収益貢献を図る。販売用不動産388百万円(前期末284百万円から増加)への積極投資により、不動産開発事業の拡大余地を追求する。ただし新規受注高14百万円と低調なため、次期受注確保が課題。
2027年1月期の年間配当予想を65円(前期60円から8.3%増配)に設定。中期経営計画でDOE1.5%を目標として掲げ、利益水準に連動した安定的な株主還元を継続する方針。1株当たり当期純利益予想237.98円に対する配当性向は27.3%。
最終更新: 2026年7月17日

