事業内容
コムシスホールディングスは、2003年に純粋持株会社として設立され、日本コムシスをはじめとする8統括事業会社と子会社85社・関連会社17社で構成される電気通信設備工事グループである。事業領域は通信キャリア事業(NTTグループ・NCC向け電気通信設備工事)、ITソリューション事業(ITインフラ構築・ソフトウェア開発)、社会システム関連事業(社会インフラ構築・再生可能エネルギー設備)の三本柱で構成される。
主要顧客はNTT東日本(売上高の15.9%)・NTT西日本(同10.5%)を筆頭とする通信事業者であり、北海道から九州まで全国に地域密着型の統括事業会社を配置することで、全国規模の施工体制を確立している。
ビジネスモデル
各統括事業会社が担当地域の通信事業者・官公庁・民間企業から電気通信設備工事・ITシステム構築・社会インフラ工事を受注し、請負形態で施工・納品することで収益を得る。持株会社は統括事業会社から経営管理料(1,726百万円)と配当金(13,900百万円)を収受し、グループ全体の資金管理にはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用している。
受注残高(手持高)は319,912百万円と高水準を維持しており、売上の先行指標として機能する。
企業の強み
NTT東日本向け売上高100,056百万円(売上比15.9%)、NTT西日本向け66,211百万円(同10.5%)と、NTTグループ2社だけで売上高の26.4%を占める。長年の施工実績と全国施工体制を背景に、NTT設備事業における通信品質改善工事(モバイル)や10G光回線対応工事で継続的な受注を確保している。
北海道(つうけん)・甲信越(TOSYS)・東海(NDS)・九州(SYSKEN)・北陸(北陸電話工事)等、地域ごとに統括事業会社を配置し、全国規模の施工ネットワークを構築している。2018年にNDS・SYSKEN・北陸電話工事を完全子会社化するなど、M&Aを通じて地域カバレッジを拡大してきた実績を持つ。
2026年3月期末の純資産合計は407,451百万円、自己資本比率は70.7%(前期比1.4ポイント改善)と極めて健全な財務構造を維持している。有利子負債を圧縮しCMSによる連結資金管理を徹底しており、営業キャッシュフローは42,469百万円と潤沢で、設備投資・株主還元の双方を賄える財務余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の563,295百万円を底に回復基調が続き、2026年3月期は630,658百万円と過去最高を更新(前期比+2.6%)。営業利益は50,904百万円(前期比+10.7%)、親会社株主帰属当期純利益は36,307百万円(前期比+20.7%)と4期連続増益。
営業利益率は8.1%(前期7.5%)に改善。外部要因として、データセンター建設活況・モバイル通信品質改善工事の継続的好調・10G光回線対応工事の堅調推移が業績を押し上げた。
自社要因としてDX活用による業務効率化・生産性向上が利益率改善に寄与。2027年3月期は売上高670,000百万円・営業利益54,000百万円の増収増益を計画。
成長戦略
2030年度に売上高800,000百万円・営業利益60,000百万円・ROE10%を目指す「2030ビジョン」
NTT設備事業の通信品質改善工事(モバイル)の継続的好調を取り込みつつ、メタル回線から光回線への設備移行(10G対応)による工事量増加を見込む。グループ間連携による施工体制強化で大型案件への柔軟対応を推進。2027年3月期も通信キャリア事業の増収を計画。
官公庁・自治体の国内ITサービス市場成長、大企業のAI関連投資継続、クラウド環境でのマネージドサービス需要拡大を受注拡大に結びつける。社内では「生成AIセンター」を設置し、業務変革・生産性向上を推進。コムシス情報システムグループを中核としたITソリューション事業の拡大を図る。
首都圏・関西圏の大型データセンター建設活況、再生可能エネルギー案件、高速道路関連設備、防災・減災インフラ整備等の需要を取り込む。次世代コンテナ型データセンター「TOSYS Cube Park NAGANO」(水冷・液浸冷却技術導入)のサービス開始により、データセンター事業への直接参入も推進。
業務DXプラットフォーム活用による標準化・効率化を全グループで推進し、利益率改善を継続。従業員エンゲージメント向上を重要課題と位置付け、「組織文化の醸成」「働きやすさの追求」「人材マネジメントの最適化」に取り組む。CDPより「気候変動」分野最高評価「Aリスト」企業に選定されるなどESG評価も向上。
成長が期待されるインドネシア市場での事業展開加速のため「日本コムシス株式会社インドネシア支店」を設立。顧客ニーズに迅速に対応できる体制を構築し、国内で培った電気通信設備工事のノウハウを海外展開する。
最終更新: 2026年7月19日

