事業内容
東急建設は東急グループの開発事業分野を担う総合建設会社(プライム市場上場)。当社・子会社11社・関連会社5社で構成され、国内外の建築・土木工事を中核とする「建設事業」と、不動産販売・賃貸・ICT関連サービス・PFI・ベンチャー投資等を含む「不動産事業等」を展開する。
建築部門では物流施設・住宅・ホテル・再開発案件等を幅広く手掛け、土木部門では道路・鉄道・上下水道工事を担う。海外はインドネシア・ベトナム・ミャンマー・バングラデシュ・米国等に子会社を展開。
東急グループ各社からの継続的な受注を安定基盤としつつ、民間・官公庁向けにも幅広く施工実績を積み上げている。
ビジネスモデル
建設事業は受注生産方式を採用し、受注高・繰越工事高が将来売上の先行指標となる。2026年3月期末の個別繰越工事高は618,119百万円(前期比19.2%増)と高水準を維持し、売上の可視性が高い。
収益は完成工事高に対する完成工事総利益率で管理され、土木部門では16.8%まで改善。不動産事業等は賃貸収入・販売用不動産売却益・ICTサービス等で補完的収益を創出する。
企業の強み
建築部門の個別受注高に占める東急グループ発注工事の割合は2026年3月期に27.1%(82,310百万円、前期比280.6%増)に達した。渋谷駅街区西棟・中央棟高層部新築工事(2031年10月完成予定)等の大型案件を繰越工事高に抱え、グループ内からの継続的・安定的な受注が競合他社が模倣困難な固有の強みとなっている。
2026年3月期末の個別繰越工事高は建築450,647百万円・土木167,472百万円の合計618,119百万円(前期比19.2%増)。渋谷駅街区再開発(2031年完成予定)やバングラデシュ港湾道路工事(2029年完成予定)等の長期大型案件を含み、複数年にわたる売上の可視性が高い。
土木部門の個別完成工事総利益率は2025年3月期の11.4%から2026年3月期に16.8%へ5.4ポイント改善し、完成工事総利益は7,757百万円から12,484百万円へ60.9%増加した。追加・設計変更工事の獲得を主因とする収益性向上が実績として確認されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期258,083百万円→2026年3月期341,181百万円と4年で32%増加。営業利益は2022年3月期△6,078百万円の赤字から2026年3月期16,306百万円へ大幅回復し、営業利益率は4.8%に達した。
外部要因として民間建設投資の堅調推移と政府建設投資の底堅い推移が追い風となった。建築セグメント利益15,499百万円(前期比31.1%増)、土木セグメント利益9,731百万円(同114.4%増)と両輪で拡大。
2027年3月期会社予想は売上高334,000百万円(前期比2.1%減)、営業利益16,500百万円(同1.2%増)と微増益にとどまる見通し。
成長戦略
長期経営計画「To zero, from zero.」でコア事業深化と戦略事業成長を両輪に推進。
国内建築・土木を主力コア事業と位置づけ、施工品質向上と採算重視の受注選別を継続。2026年3月期に土木完成工事総利益率16.8%(前期11.4%)を達成し、建築も8.3%に改善。繰越工事高618,119百万円の積み上げにより中期的な売上基盤を確保。
保有固定資産の販売用不動産への振り替えを積極化し、期末残高17,244百万円に拡大。不動産セグメントへの設備投資3,342百万円と前期比倍増。賃貸事業・販売用不動産売却・新規事業育成により建設請負依存からの収益多様化を推進。
2026年3月期に海外土木受注が1,976百万円(前期比94.0%減)と急減したが、2027年3月期個別受注見通しで海外76,000百万円を計画し、海外土木の大幅回復を目指す。中東情勢等の外部リスクを注視しながら国際事業の再拡大を図る。
人材とデジタル技術を競争優位の源泉と位置づけ、技能労働者の確保・育成とデジタルによる技術革新(構造変革)を推進。時間外労働上限規制適用後の生産性維持と協力会社との関係強化を並行して実施。
短期利益変動に左右されにくい自己資本配当率(DOE)4.0%以上を配当方針の基本とし、2026年3月期は年間40円(DOE4.0%)を実施。2027年3月期は年間43円(中間21円・期末22円)を予定し、増配を継続。
最終更新: 2026年7月19日

