事業内容
第一カッター興業株式会社は1967年創業、工業用ダイヤモンドを使用したダイヤモンド工法および水圧を利用したウォータージェット工法を中核に、コンクリート構造物の切断・穿孔工事を全国展開する専門工事会社。連結子会社4社(ウォールカッティング工業・新伸興業・アシレ・ユニペック)と持分法適用関連会社2社を擁し、東日本から九州・沖縄まで地域別に営業基盤を持つ。
主要顧客は総合建設業者・道路建設業者等であり、橋梁・港湾・鉄道・道路・空港・生産設備メンテナンスなど幅広い公共・民間インフラ工事を手掛ける。ビルメンテナンス事業(給排水設備保守・清掃)も展開。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
事業形態は主として専門工事業者としての下請契約。元請の総合建設業者・道路建設業者から受注し、ダイヤモンド工法・ウォータージェット工法という環境負荷の低い独自工法で施工することで差別化を図る。
売上高の大半は公共事業関連工事が占め、切断・穿孔工事事業が売上高の約97%を構成。ビルメンテナンス事業は首都圏中心の小規模成長セグメント。
資金調達は主に自己資金で賄い、自己資本比率86.4%の強固な財務基盤を維持する。
企業の強み
1967年創業以来、東日本(本社)・東海(ウォールカッティング工業)・近畿(ユニペック)・九州(ダイヤモンド機工)・沖縄(新伸興業)・関東(アシレ)と全国6エリアに営業基盤を持つグループ体制を構築。切断・穿孔工事事業の完成工事高は19,614百万円に達し、業界ナンバーワンの規模を誇る。
2025年6月期末の総資産22,247百万円に対し純資産19,358百万円、自己資本比率86.4%と極めて強固な財務基盤を有する。有利子負債への依存が低く、運転資金・設備投資を主に自己資金で賄う方針を堅持。現金及び現金同等物は8,209百万円を確保しており、景気変動への耐性が高い。
騒音・粉塵・振動を抑制するダイヤモンド工法・ウォータージェット工法は、都市部や環境規制の厳しい現場での競争優位性を持つ。整備開発課による機械設備の改良・開発を継続し、2025年6月期の研究開発費は77百万円(切断・穿孔工事事業)。
建設汚泥の少量化・遠隔作業対応など現場ニーズに即した技術革新を推進している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年6月期22,164百万円をピークに2025年6月期20,229百万円まで減少したが、2026年6月期は通期予想20,500百万円(前期比1.3%増)と底打ち。利益面では2025年6月期に営業利益1,647百万円(前期比33%減)と急落したが、2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)で営業利益1,774百万円(前年同期比28.6%増)と急回復。
完成工事原価の抑制(外注加工費等の経費削減)が主因。外部環境として公共投資の堅調と民間設備投資の持ち直しが受注を下支えしている。
通期予想に対する3Q累計進捗率は営業利益92.2%、純利益93.1%と高水準。
成長戦略
西日本拡大・エネルギー等新市場開拓・技術力強化の3軸で既存優位性を拡張
近畿・九州エリアを中心に施工体制を強化し、地方インフラ老朽化需要を取り込む。2026年3月末時点で土地が前期末比683百万円増加(2,418百万円→3,101百万円)しており、拠点整備への投資が進行中。
再生可能エネルギー関連施設や水中施工等の新市場に対し、既存の切断・穿孔技術を応用した提案を強化。高速道路関係工事への依存度を分散させ、収益基盤の多様化を図る。
首都圏を中心に大手デベロッパーの新規案件開拓に注力。2026年6月期第3四半期累計の完成工事高は486百万円(前年同期比5.2%増)と増収を確保したが、体制強化に伴う管理費増加でセグメント利益は38百万円(同24.2%減)と減益。規模拡大と収益性の両立が課題。
受注確保と施工体制強化に加え、外注加工費等の経費抑制を徹底。2026年6月期第3四半期累計で完成工事原価を前年同期比1.6%削減し、完成工事総利益率を29.1%から32.3%へ改善。通期でも利益率向上が見込まれる。
最終更新: 2026年7月17日

