事業内容
TANAKEN株式会社(旧・田中建設工業株式会社)は1982年創業の解体工事専業会社。建築構造物の解体工事を中心に、土木工事・山留工事・基礎解体・杭抜き工事のほか、アスベスト・PCB・ダイオキシン等の有害汚染物質除去、土壌改良まで解体関連工事をワンストップで提供する。
施工は協力会社が担い、当社は施工管理・安全管理・近隣対応・行政対応等を一括して受託する元請モデルを採用。主要顧客はデベロッパー(売上高の42.4%)、再開発等(同24.4%)、エンドユーザー(同23.6%)と多様で、三井不動産等の大手不動産会社との取引実績を有する。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
当社は自社施工を行わず、現況調査・工法提案・設計・施工計画・外注手配・施工管理・安全管理・原価管理・行政対応を一括受託する元請施工管理会社。「相談を起点とした営業の好循環」を標榜し、顧客の相談段階から提案を行うことでリピート受注を獲得する。
設備投資を最小化しつつ、協力会社(TANAKEN安全協力会)を指導・監督することで施工力を確保し、大型案件ほど高い収益貢献が期待できる構造を持つ。
企業の強み
2026年3月期の受注高は18,591,770百万円(前期比39.0%増)と過去最高を更新。次期繰越工事高(受注残)は11,931百万円(前期比46.2%増)に達しており、2027年3月期売上高16,000百万円(前期比+8.0%)の見通しを裏付ける潤沢な受注残高を確保している。
施工管理に特化した元請モデルにより、2026年3月期の営業利益率は14.7%を確保。純資産は9,325百万円(前期比+1,102百万円)と増加を続け、14,000百万円の金融機関信用枠を保有するなど財務基盤は堅固。配当性向30%以上を目標とした株主還元方針も明示している。
ISO9001・ISO14001・ISO45001の3規格を取得し、国土交通大臣許可(特定建設業)を保有。1982年の創業以来40年超の施工管理ノウハウを蓄積し、2025年4月の「TANAKEN」への社名変更を機にブランド価値向上を推進。難易度の高い大型案件の受注増加がその競争力を裏付けている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期9,824百万円→2026年3月期14,820百万円と5期連続増収(CAGR約10.8%)を達成。しかし利益面では、2025年3月期に過去最高益(営業利益2,328百万円)を記録した後、2026年3月期は営業利益2,185百万円(△6.1%)・当期純利益1,502百万円(△4.7%)と減益に転じた。
外部要因として建築資材価格上昇・技能労働者需給逼迫によるコスト圧力が継続する中、役員退職慰労引当金繰入額の急増(前期比+23,851千円)や人財・施工体制強化への先行費用が利益を圧迫。2027年3月期予想も営業利益2,100百万円(△3.9%)と2期連続減益見通しであり、増収・減益フェーズへの移行が鮮明となっている。
一方、受注環境は老朽化建物増加・都市再開発・データセンター需要拡大を背景に引き続き堅調で、期末手持工事高11,931百万円は次期売上の高い可視性を担保している。
成長戦略
「Vision NEXT 10」Secondary Phaseで人財・施工力強化と売上160億円達成を目指す
Primary Phase(2023〜2025年度)での基盤構築を踏まえ、Secondary Phaseでは「成長戦略の3ヵ年計画」として更なる基盤強化と施工力強化を推進。2027年3月期はその初年度として採用活動・研修制度拡充・現場支援体制確立・協力会社アライアンス拡充を実施し、TANAKENブランドの価値向上を図る。
採用活動の強化と研修制度の拡充により、施工管理技術者の確保・育成を加速。社名変更・本社移転による就労環境改善をベースに、競争力の源泉である人財の拡充に注力。2026年3月期は販管費内の給与手当が238,636千円(前期230,304千円)へ増加しており、人件費投資が進行中。
元請施工管理モデルの根幹を支える協力会社ネットワークの強化・拡充により、大型・難易度の高い案件への対応力を高める。2026年3月期は仕入債務(工事未払金)が1,530百万円から1,945百万円へ増加しており、協力会社との取引規模が拡大していることが確認できる。
市街地再開発・マンション建替え・物流倉庫・データセンター等の需要拡大を背景に、難易度の高い大型案件の受注を積極的に推進。TANAKENブランドの認知向上と実績蓄積により、デベロッパー等の大口顧客からの受注基盤を強化する。2026年3月期末手持工事高は11,931百万円に達している。
最終更新: 2026年7月19日

