事業内容
株式会社ホクリヨウは1949年創業、1972年から採卵養鶏に特化した北海道最大手の鶏卵専業メーカーです。北海道内5農場(札幌・登別・北見・十勝・千歳)と東北3農場(岩手2・宮城1)を保有し、初生雛の育成から採卵・GP工場での選別包装・販売まで自社一貫体制を構築しています。
2026年3月末時点の道内飼養羽数は約225万羽で、北海道市場において高いシェアを占めます。主要顧客はスーパー等の小売流通会社で、ホテル・レストラン・食品加工業者向け業務用にも幅広く供給しています。
FSSC22000認証取得のGP工場、ウインドレス鶏舎、サルモネラワクチン接種など食品安全への取り組みを特徴とします。
ビジネスモデル
生産から販売まで自社内で完結する垂直統合モデルを採用し、問屋を介さず流通会社へ直接販売することで中間マージンを排除しています。「PG卵モーニング」等の自社ブランドに加え、取引先向けOEMプライベートブランドも展開し、差別化卵(特殊卵・ケージフリー卵)の販売比率向上により相場変動への耐性を高めています。
収益は鶏卵相場に大きく左右されますが、販売価格改定と差別化卵拡販により単価向上を図っています。
企業の強み
2024年2月時点の北海道採卵鶏飼養羽数約452万羽に対し、当社道内飼養羽数は2026年3月末時点で約225万羽と約50%のシェアを占めます。問屋を介さず流通会社へ直接販売する体制により、消費者ニーズを迅速に生産へ反映できる点が競合との差別化要因となっています。
道内5GP工場全てがFSSC22000認証を取得し、統一設計思想に基づく同一品質製品を製造しています。ウインドレス鶏舎による野生動物侵入防止、サルモネラワクチン接種、植物性飼料使用、HACCPに準拠した衛生管理、卵殻への賞味期限・トレーサビリティ番号直接印字など、多層的な食品安全体制を構築しています。
D/Eレシオ0.06と極めて低水準の財務健全性を維持しており、2026年3月期の設備投資総額3,686百万円を全額自己資金で実施しています。純資産合計は17,518百万円に達し、営業CFは6,087百万円を創出。財務的な制約なく継続的な設備更新・能力増強投資が可能な体制を有しています。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期15,360百万円から2026年3月期23,107百万円へ5期で50%超拡大。営業利益は2022年3月期878百万円→2024年3月期2,245百万円→2025年3月期1,925百万円(相場軟化で一時減益)→2026年3月期4,965百万円と大幅改善。
2026年3月期の主要ドライバーは、外部要因として2年連続の高病原性鳥インフルエンザ感染拡大による鶏卵相場の高止まり(北海道M年間平均332円19銭、前年比67円54銭高)であり、売上総利益率が19.6%から31.9%へ急改善した。営業CFは6,087百万円(前期3,216百万円)と大幅増加し、期末現金は7,304百万円に積み上がった。
ただし2027年3月期は採卵鶏の供給回復による相場下落を見込み、営業利益3,330百万円(前期比32.9%減)と大幅反動減を予想している。
成長戦略
差別化卵拡販・輸出拡大・生産性向上による相場依存脱却と安定収益基盤の構築
相場変動の影響を受けにくいPG卵・ケージフリー卵(エビアリー卵)の販売地域・チャネル拡大を推進。物流費・人件費上昇への対応として販売価格改定も実施し、売上単価の安定化と収益性向上を図る。2027年3月期も引き続き注力方針を継続。
農場・工場における生産性向上への継続的取り組みにより、物流費・人件費上昇分を吸収するコスト構造の改善を目指す。2026年3月期の設備投資総額は3,686百万円(全額自己資金)で、建物・構築物・ソフトウエア等への投資を実施。
香港向け鶏卵輸出および東南アジア向け発酵鶏糞肥料輸出を継続・拡大し、国内相場依存からの収益分散を図る。副産物の有効活用による収益化も兼ねた取り組みであり、中長期的な事業ポートフォリオ強化に寄与。
内部留保資金を企業体質強化・生産設備・製造設備の強化、将来の事業活動強化を中心とした有効投資に充当する方針。2026年3月期末の現金及び現金同等物7,304百万円・純資産17,518百万円を背景に、M&Aを含む事業領域拡大の余地を保持。
最終更新: 2026年7月19日

