事業内容
株式会社ホーブは、北海道を拠点とするバイオテクノロジー企業で、自社開発の四季成性いちご品種「ペチカエバー(コア)」「ペチカほのか(夏瑞/なつみずき)」を軸に、育種・組織培養による苗生産・販売から、生産農家への栽培指導、収穫果実の仕入・販売まで川上から川下を一貫して手掛ける。主要顧客はシャトレーゼ等の大手洋菓子メーカーで、国産いちごが市場に出回らない夏秋期(5〜11月)に国産業務用いちごを通年安定供給できる唯一性の高いビジネスモデルを構築している。
連結子会社エス・ロジスティックスによる運送事業も展開し、2025年6月期の連結売上高は2,413百万円。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
種苗事業で自社品種苗を生産農家に販売し、栽培契約に基づき収穫果実を全量買い取る仕組みを構築。買い取った果実はいちご果実・青果事業として洋菓子メーカー等に販売する。
夏秋期は自社品種の国産いちごを、冬春期は全国産地から仕入れた促成いちごを供給することで通年対応を実現。一段トレーソフトパック・クールコンテナ等の独自輸送技術が高品質長距離流通を支え、種苗・果実・運送の各事業が有機的に連動して競争優位を形成している。
企業の強み
国産いちごが市場に出回らない5〜11月の夏秋期に、自社開発四季成性品種「夏瑞/なつみずき」「コア」を活用した通年供給体制を確立。2024年のいちご果実(生鮮)輸入量は約2.8千トンの大部分が夏秋期に集中しており、国産代替需要を独占的に取り込める構造にある。
1987年創業以来、植物組織培養技術を商業ベースで確立し、均一無病苗の大量生産を実現。2017年6月に品種登録した「ペチカエバー」「ペチカほのか」を含む計6品種を保有。研究開発費は2025年6月期に34,580千円を計上し、耐暑性・省力化対応の次世代品種開発を継続している。
高温・衝撃に弱いいちごの夏秋期輸送課題に対し、クールコンテナによる低温管理輸送システムと一段トレーソフトパック梱包を独自開発。全産地の自社品種に同梱包を採用し、スレ・あたりを防いだ高品質流通を実現。この輸送技術が業務用国産夏秋いちごの通年供給を物流面から支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計(2025年7月〜2026年3月)の売上高は2,001百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益13百万円(同79.2%減)、経常利益17百万円(同74.2%減)、親会社株主帰属四半期純利益9百万円(同79.7%減)。外部要因として、北海道の記録的高温による自社品種の出荷量急変・品質低下、本州の残暑による促成いちご定植遅れ、クリスマス時期の業務用サイズ全国的品薄が重なった。
加えて、原材料価格上昇・消費者節約志向を背景に年明け以降の大手取引先の取扱数量が減少。販管費は前年同期比414百万円(前年389百万円)へ増加し、売上総利益の減少(452百万円→428百万円)と相まって営業利益を大幅に圧迫した。
財務面では総資産1,048百万円、純資産727百万円、自己資本比率69.4%と健全性は維持。通期予想(売上高2,482百万円、営業利益24百万円)は2026年2月公表値から変更なし。
成長戦略
耐暑性新品種開発・海外展開・運送効率化による収益基盤の再構築
北海道の記録的高温が2期連続で自社品種の出荷量・品質に打撃を与えており、耐暑性向上を目的とした新品種育成が急務。猛暑を想定した栽培管理(早期休眠促進等)を実施し9月下旬からの出荷回復を図ったが、減少分の補填には至らなかった。
2026年6月期第3四半期累計で種苗販売本数が増加し、栽培指導業務受託収益も加わり売上高・利益ともに増加。海外売上高3百万円を初計上しており、海外市場向け栽培指導の受託拡大が次の成長軸として具体化しつつある。
子会社エス・ロジスティックスが受託業務の見直しを進め、2026年6月期第3四半期累計の売上高は前年同期比10.6%増の112百万円を達成。ただし外注費増加により営業利益は前年同期比22.0%減と利益面での課題が残る。
最終更新: 2026年7月17日

