事業内容
ホクト株式会社は、ブナシメジ・エリンギ・マイタケを中心とした施設型きのこの研究開発・生産・販売を主軸とする食品メーカーである。国内20ヵ所33生産センターを全国展開し、量販店・生協・市場等を主要顧客とする「国内きのこ事業」を中核に、米国・台湾・マレーシアの海外3拠点による「海外きのこ事業」、きのこ加工品・レトルト食品・健康食品を手掛ける「加工品事業」、包装資材・農業資材・工業資材を扱う「化成品事業」の4セグメントで構成される。
2026年3月期の連結売上高は85,915百万円で、国内きのこ事業が売上の約65%を占める。
ビジネスモデル
生産から販売まで一貫した垂直統合モデルを採用し、全国33生産センターで収穫したきのこを翌日に量販店店頭へ届ける鮮度重視の供給体制が競争優位の根幹をなす。主力の国内きのこ事業でセグメント利益7,242百万円(利益率約12.9%)を稼ぎ出しつつ、加工品・化成品事業が収益を補完する。
研究開発投資(734百万円)による新品種開発と高付加価値商品展開が価格維持・向上に寄与している。
企業の強み
国内20ヵ所33生産センターを9地域に配置し、収穫翌日に量販店店頭へ届ける鮮度直送体制を構築。この全国規模の生産・物流インフラは長年の設備投資の積み重ねによるものであり、競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。2026年3月期の国内きのこ事業売上高は56,077百万円に達する。
1983年設立のきのこ総合研究所を起点に、ブナシメジ・エリンギ・マイタケ等の新品種を継続的に開発。2026年3月期には26年振りの品種改良による新エリンギを発売し、韓国・欧州での品種登録も複数取得。
研究開発費は734百万円を計上しており、独自品種「霜降りひらたけ」等のプレミアム商品展開に活用されている。
2026年3月期末の自己資本比率は57.1%(前期比4.3ポイント上昇)、営業キャッシュフローは10,824百万円を計上。有利子負債/キャッシュフロー比率は1.9年と低水準を維持しており、設備投資(4,859百万円)と配当(1,590百万円)を自己資金で賄える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期70,932百万円→2026年3月期85,915百万円と4期連続増収。営業利益は2023年3月期に△2,948百万円の赤字を計上後、2024年3月期3,180百万円→2025年3月期6,628百万円→2026年3月期7,031百万円と3期連続で大幅回復し過去5期最高を更新。
2026年3月期の純利益7,006百万円は前期比57.8%増だが、火災保険金1,915百万円(特別利益)を含む。外部要因として円安進行が海外子会社の円換算業績を押し上げ、国内では物価上昇局面でのきのこ需要堅調が追い風となった。
2027年3月期会社予想は売上高88,100百万円(前期比2.5%増)・営業利益7,260百万円(同3.3%増)と増収増益を見込む一方、純利益は特別利益剥落で5,250百万円(同25.1%減)の予想。
成長戦略
国内高付加価値化・海外拡大・加工品強化・DX推進を4本柱とする新中期経営計画を推進
健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」キャンペーンと霜降りひらたけ等プレミアムきのこのSNS・店頭プロモーションを推進。2025年11月には26年振りの品種改良による新エリンギを発売し商品力を強化。
2026年3月期は国内きのこ事業売上高56,077百万円・セグメント利益7,242百万円を達成。
エネルギーマネジメントの推進、DX/省人化による効率改善、調達資材の最適化等に取り組み原価低減を図る。物流コスト増加・人件費上昇・エネルギーコスト高騰が続く中、売上高営業利益率8.2%(2026年3月期)を維持しており一定の効果が確認されている。
米国・台湾・マレーシアの3拠点で現地マーケティング強化・工場稼働率向上・新規顧客開拓を推進。2026年3月期は円安効果で売上高8,236百万円(前期比6.8%増)を確保したが、3拠点すべてが現地実態で計画未達。重点成長領域として引き続き注力する方針。
外食・デリカ・中食向け業務用商材の拡販、通信販売における乾燥きのこ・健康食品の定期顧客拡大、子会社アーデンのOEM事業拡大を推進。2026年3月期はセグメント利益511百万円(前期比36.5%増)と大幅改善し、重点成長領域として位置付けられている。
リサイクル製品・バイオマス製品等の環境包材需要取り込みとSDGs関連取り組みの強化、新規受注製品の生産開始による自社製品部門拡充を推進。2026年3月期は売上高13,598百万円(前期比12.1%増)・セグメント利益470百万円(同39.2%増)と大幅増益を達成。
最終更新: 2026年7月19日

