事業内容
株式会社サカタのタネは1913年創業の総合種苗会社で、野菜種子・花種子・球根・苗木・農園芸資材の開発・生産・販売を行う。当社グループは子会社36社・関連会社3社で構成され、国内卸売・海外卸売・小売・造園緑花等の4セグメントを展開。
売上高の約77%を海外卸売事業が占め、北中米・南米・欧州・アジアに現地法人32社を擁するグローバル体制を構築している。主要顧客は国内外の種苗会社・農業生産者であり、独自育種品種の継続的な開発・供給を通じて世界の農業・園芸産業を支えている。
ビジネスモデル
研究開発者約536名・国内外21拠点の研究農場体制でオリジナル品種を継続開発し、国内外の種苗会社・農業生産者へ卸販売することで収益を得る。品種の知的財産価値が価格競争力の源泉となり、高い粗利率を実現。
海外現地法人32社が各地域の栽培環境に適した品種開発・販売を担い、為替換算効果も加わりグローバルに収益を積み上げる構造を持つ。
企業の強み
研究開発者約536名、国内5拠点・海外16拠点の研究農場を保有し、当連結会計年度の研究開発費は10,625百万円。第75回全日本野菜品種審査会での農林水産大臣賞受賞、民間部門農林水産研究開発功績者表彰での農林水産技術会議会長賞受賞など、品種開発力の高さが外部機関からも評価されている。
2025年5月期の海外卸売事業は外部顧客売上高71,977百万円(前期比5.8%増)、セグメント営業利益20,021百万円(前期比9.8%増)を達成。北中米・欧州・南米で野菜種子・花種子が好調に推移し、現地法人32社体制による地域密着型の品種開発・販売が高い収益性を支えている。
2025年5月期末の自己資本比率は84.5%で5期連続80%超を維持。総資産190,986百万円に対し純資産161,768百万円、現金及び現金同等物22,445百万円を保有。有利子負債に対する金利負担は支出に占める割合として十分低く、財務健全性は業界内でも際立って高い水準にある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年5月期73,049百万円から2026年5月期104,280百万円へ5期連続増収。営業利益は2024年5月期に一時的に低下したが2025年5月期以降回復し、2026年5月期は13,122百万円と過去最高を更新。
当期純利益は2024年5月期に固定資産売却益等の特別利益で16,162百万円を計上した後、2025年5月期に9,711百万円へ落ち込んだが、2026年5月期は投資有価証券売却益・受取和解金の計上等により12,163百万円に回復。外部要因として円安(売上高へのプラス影響6,929百万円)が業績を押し上げており、為替変動の影響を除いた実力ベースの成長率の把握が重要。
営業キャッシュ・フローは9,174百万円と前期比大幅改善。
成長戦略
戦略品目への育種集中・M&Aによるグローバル拡大と長期経営計画「PASSION2035」の推進
ブロッコリー・トマト・カボチャ・スカッシュ・トルコギキョウ等の戦略品目に育種・販売リソースを集中し、新品種導入・従来品種の再評価による需要拡大を図る。2026年5月期においてもこれらの品目が業績を牽引し、戦略の有効性が確認された。
2025年7月にブラジルのAgritu Sementes Ltda.(タマネギ種子の開発・生産・販売)を取得原価1,778百万円で買収し連結子会社化。ブラジル市場でのプレゼンス拡大とAgrituブランドの活用によりタマネギ種子市場でのシェア獲得を目指す。
のれん721百万円・無形固定資産1,006百万円を計上。
2026年7月公表の10カ年長期経営計画「PASSION2035」に基づき、年間配当90円(2027年5月期予想)・自己株式取得上限5,000百万円(上限100万株)を決議。6期連続増配を継続しつつ、株主資本配当率2.5%目標の達成を目指す。
海外での事業拡大に伴い人員増加・給与水準向上への対応を進めるとともに、有形固定資産取得6,828百万円(2026年5月期)を中心に設備投資を継続。建物及び構築物(純額)が前期比5,928百万円増加し、生産・研究インフラの整備が進んでいる。
最終更新: 2026年7月17日

