事業内容
ユキグニファクトリー株式会社(旧雪国まいたけ)は、まいたけ・エリンギ・ぶなしめじ・マッシュルーム等のきのこ類を独自の工業生産手法で製造し、小売事業者への直接販売を中心に展開するきのこ総合企業である。国内では新潟県南魚沼市を拠点に複数のバイオセンターを運営し、2023年12月にはオランダのエキゾチック・マッシュルーム事業会社SPROOMZ B.V.を完全子会社化して欧州展開も開始した。
売上収益の約99%を茸事業が占め、主要顧客は国内大手スーパー等の小売事業者。健康食品・代替肉(「キノコのお肉」)等の新規事業も育成中である。
ビジネスモデル
農薬・化学肥料不使用の独自培地レシピと環境制御技術によりきのこを安定大量生産し、広範な直接取引ネットワークを通じて小売事業者へ販売する。「極」ブランドに代表されるプレミアム戦略で販売単価を維持しつつ、FA化・自動化による生産コスト低減でマージンを確保する構造。
IFRSの農業会計(IAS第41号)を適用し、生物資産を公正価値で評価している。
企業の強み
2015年導入の独自新菌から収穫する「雪国まいたけ極」は歩留まり向上と生産安定化を実現。袋栽培で1株約900グラムの大型化に成功し、50グラムから1株販売まで柔軟なアイテム展開が可能。ぶなしめじ・エリンギはほぼ全工程を自動化済みで、業界最大規模の培養室・発生室(各約1,350㎡)を保有する。
創業来構築した小売事業者との広範な直接取引ルートを保有し、単一の販売先が連結売上収益の10%を超えない分散した顧客基盤を持つ。直販モデルにより市況に応じた柔軟なアイテム提案とキログラム単価の最大化が可能で、2026年3月期においても店頭シェア拡大を実現した。
2023年12月に取得したオランダ子会社SPROOMZ B.V.はエキゾチック・マッシュルームの欧州トッププレーヤーの一角であり、2026年3月期も好調に推移。2025年12月に完全子会社化を完了し、国内で培った直接販売ネットワークのノウハウを活用した欧州事業拡大の基盤が整った。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2023年3月期の42,204百万円を底に回復し、2026年3月期は37,845百万円(収益合計53,449百万円)と2期連続増収。営業利益は前期の減損損失1,599百万円計上の反動により4,319百万円(前期比78.5%増)と大幅回復し、親会社帰属当期利益も2,958百万円(同96.9%増)と過去5期で最高水準。
コアEBITDAは6,422百万円(マージン17.0%)へ改善。ただし2027年3月期は材料費高騰・労務費増加・販促費拡大を背景に営業利益4,140百万円(前期比4.1%減)の減益予想であり、構造的なコスト上昇圧力が利益成長の制約となっている。
成長戦略
国内プレミアム強化・全社BPR・研究開発体制拡充の三本柱で持続成長を目指す
「極」ブランドを軸に大株カット品・新設計製品等の商品ラインアップを拡充し、季節行事連動の売り場展開やSNS・デジタルプロモーションで新規ユーザー基盤を獲得。2027年3月期まいたけ売上収益20,660百万円(前期比2.0%増)を見込む。
中期経営計画の「聖域無き全プロセスの合理化」方針のもと、全社BPRによる事業プロセス改善と新規設備投資による省人化・省エネを継続推進。2026年3月期の設備投資(有形固定資産取得)は2,095百万円。コアEBITDAマージンは17.0%へ改善済み。
2025年11月に「研究開発室」を「研究開発本部」へ格上げし、既存きのこ研究を深化させる「キノコ研究所」と機能性素材・新技術を担う「ミライ研究所」を新設。新規事業製品「キノコのお肉」シリーズ(2025年2月販売開始)の認知度向上と販売拡大を推進中。
海外グループ会社が扱うエキゾチック・マッシュルームは2026年3月期も好調推移。2027年3月期のその他の茸売上収益は6,360百万円(前期比20.3%増)を見込み、海外展開が成長ドライバーとして期待される。
最終更新: 2026年7月19日

