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マルハニチロ株式会社

1333東証プライム水産・農林業

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事業内容

マルハニチロ株式会社(2026年3月にUmios株式会社へ商号変更)は、国内外で漁業・養殖・水産物加工・食材流通・加工食品製造を一貫して手掛ける総合水産食品グループ。子会社98社・関連会社53社を擁し、売上高1,105,890百万円(2026年3月期)を誇る。

水産資源事業では国内養殖(クロマグロ・ブリ・カンパチ)と北米水産加工を担い、食材流通事業では国内市場流通から欧州子会社を含むグローバル販売網を構築。加工食品事業では家庭用冷凍食品・缶詰・ペットフード・DHA等ファインケミカルを製造販売する。

主要顧客は国内外の食品小売・外食・業務用食品市場に広がる。

ビジネスモデル

グループの収益構造は、漁業・養殖による一次資源調達(水産資源事業)、国内外の市場流通・販売ネットワーク(食材流通事業)、高付加価値加工品の製造販売(加工食品事業)の三層で構成される。食材流通事業が売上高の約70%を占める最大セグメントであり、水産資源事業が原料供給基盤を担い、加工食品事業がDHA等の差別化素材で利益率を補完する。

グループ内の物流・不動産事業がバリューチェーン全体を支援する補完機能を果たす。

企業の強み

漁業・養殖から市場流通・加工・販売まで一貫したバリューチェーンを国内外で構築。北米(Westward Seafoods等)・オーストラリア(Austral Fisheries)・欧州(Seafood Connection Holding B.V.)に生産・販売拠点を持ち、グローバルな資源調達力と販売網を自社グループ内で完結させる体制を有する。

長年の研究開発に基づきDHA・EPAを関与成分とした特定保健用食品「リサーラ」シリーズを展開。2024年に心血管疾患リスク低減表示特保として国内初許可を取得、2025年にも追加許可を取得するなど、規制上の参入障壁を伴う差別化製品を保有。研究開発費は2,064百万円(前期比12.0%増)。

AI画像認識による魚体計数システム「かうんとと」の実用化、閉鎖循環型陸上養殖の実証試験(山形県遊佐町)、川崎重工業との閉鎖式海面養殖システム検証、インテグリカルチャー・UMAMI Bioworksとの細胞培養魚肉研究など、次世代水産技術への投資実績を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高1,105,890百万円(前期比2.5%増)、営業利益31,191百万円(同2.7%増)と増収増益を達成した一方、経常利益は31,251百万円(同3.1%減)、親会社株主帰属当期純利益は22,182百万円(同4.7%減)と2期連続で減少した。為替差益の縮小(前期1,714百万円→当期262百万円)や受取配当金の減少が経常利益を圧迫し、特別利益の投資有価証券売却益も前期10,903百万円から7,717百万円へ縮小した。

営業利益率は2.8%と前期と同水準にとどまり、収益の質の改善が課題として残る。

セグメント別では水産資源事業が黒字転換(前期損失3,899百万円→当期利益2,445百万円)した一方、食材流通事業の営業利益は15,777百万円(前期比12.5%減)、加工食品事業は10,074百万円(同27.7%減)と主力2セグメントが揃って減益となった。食材流通はコスト増と輸入冷凍豚肉の価格変動、加工食品は国内での価格改定後の販売計画未達と原材料高が響いた。

外部要因として商材価格の高値圏推移や地政学的リスクによるコスト上昇が継続しており、次期も厳しいコスト環境が想定される。

2027年3月期の連結業績予想は売上高1,110,000百万円(前期比0.4%増)、営業利益32,000百万円(同2.6%増)と営業段階では増益を見込む一方、親会社株主帰属当期純利益は15,000百万円(同32.4%減)と大幅減益を予想している。後発事象として開示されたUmiosロジ株式会社の株式一部譲渡(2026年9月予定、譲渡後持分49%)により、同社が2027年3月期より連結子会社から持分法適用関連会社へ移行することが純利益の大幅減少の主因とみられる。

インタレスト・カバレッジ・レシオも前期9.4倍から当期5.6倍へ低下しており、財務コストの上昇にも注意が必要。

成長戦略

バリューサイクル構築・グローカル戦略・企業文化変革の3軸で持続的成長を目指す

不採算事業の撤退・北米生産拠点統合・操業効率改善を推進し、養殖魚・スケソウダラ製品の販売増加と付加価値向上を図る。2026年3月期に前期の営業損失3,899百万円から営業利益2,445百万円へ黒字転換を達成し、構造改革の成果が顕在化した。

欧州子会社Seafood Connection Holding B.V.の完全子会社化(2025年4月・2026年1月の2段階取得、取得総額12,213百万円)により欧州食材流通網を強化。次期は養殖ユニット販売機能の一部を水産商事ユニットへ移管し、販売機能の集約・強化を図る。

完全子会社Umiosロジ株式会社の株式51%をセンコーグループホールディングスへ譲渡(2026年9月予定、譲渡価額4,890百万円)し、物流専業企業のノウハウを活用した持続可能な物流体制を構築。譲渡後も49%を保有し持分法適用関連会社として物流サービスを継続受領する。

中期経営計画期間(2026年3月期~2028年3月期)において配当性向30%以上を前提とした累進配当を基本方針とする。2026年3月期は期末配当を予定の24円から28円へ増配し、配当性向30.4%を達成。2027年3月期は年間45円(中間22円・期末23円)を予想し、配当性向は45.4%を見込む。

最終更新: 2026年7月19日