株式会社スズケン logo

株式会社スズケン

9987東証プライム卸売業

株式会社スズケン logo
株式会社スズケン9987

事業内容

株式会社スズケンは1932年創業の医薬品卸売最大手の一角。医療用医薬品・診断薬・医療機器の全国卸売を中核事業とし、子会社38社・関連会社10社を擁するグループを形成する。

事業領域は医薬品卸売にとどまらず、医療用医薬品・医療機器の研究開発・製造(㈱三和化学研究所、ケンツメディコ㈱)、保険薬局・介護サービス(㈱ユニスマイル等)、希少疾患治療薬等のスペシャリティ医薬品流通受託(㈱エス・ディ・コラボ)、医薬品メーカー物流受託・デジタルヘルスサービス(中央運輸㈱、㈱コラボスクエア等)まで多岐にわたる。主要顧客は全国約16万軒の医療機関・保険薬局・医薬品メーカー。

2026年3月期の連結売上高は2,486,647百万円。

ビジネスモデル

コア収益は医薬品卸売事業における仕入・販売差益(マージンビジネス)。これに加え、スペシャリティ医薬品流通受託事業では製薬メーカーから流通管理を受託しフィーを得る。

医療関連サービス等事業では製薬企業向けメーカー物流受託やデジタルヘルスサービスで収益を多様化。キュービックスシステムの全国展開や44万人超の医療・介護従事者IDを活用したマーケティング支援など、情報・デジタルによる新収益モデルの構築も進める。

企業の強み

医薬品卸売事業において全国156支店を通じ約16万軒のお得意さまと取引関係を構築。この広域営業網は長年の合併・統合(加藤薬品、秋山愛生舘等との合併)を経て形成された参入障壁の高い資産であり、スペシャリティ医薬品流通受託やデジタルヘルスサービスの展開基盤としても機能する。

米Cencora社との独占ライセンス契約に基づくスペシャリティ医薬品トレーサビリティシステム「キュービックス」を、期末時点で全国597軒・710台稼働。がん拠点病院の半数以上、国立大学病院の約8割に導入済み。希少疾患治療薬等の一社流通受託獲得に直結する競合模倣困難なインフラ。

2024年4月に埼玉県草加市で業界初コンセプトの首都圏物流センターを本稼働。最新ロボット技術による自動化・省人化を実現し、卸物流拠点に製造業務受託・メーカー物流エリアを併設。

設備投資総額19,510百万円のうち物流センター関連が14,008百万円を占め、輸配送コスト低減・GDP品質対応・BCP強化を同時に実現する物流基盤を保有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益38,136百万円は、政策保有株式売却益15,581百万円(連結11銘柄)という特別利益が大きく寄与した結果。2027年3月期予想は売上高2,563,000百万円(前期比3.1%増)と増収を見込む一方、営業利益31,200百万円(同14.2%減)、純利益25,000百万円(同34.4%減)と大幅減益を予想。

新中期経営計画初年度として3カ年累計600億円以上の投資を計画しており、コスト先行局面での利益水準の回復時期が焦点となる。

2026年3月期の売上高営業利益率は1.5%と前期と同水準にとどまり、医薬品卸売事業の営業利益は31,467百万円(前期比1.4%減)と減益。医薬品等の仕入価格上昇に加え、外部委託費などインフレ起因の営業費増加が販管費抑制努力を相殺している。

外部要因として物流費・人件費の上昇が続く中、2024年4月改訂の流通改善ガイドライン対応コストも重なり、卸売事業の収益性改善には適正利益確保に向けた価格交渉力の強化が不可欠な状況が続いている。

新中期経営計画(2027年3月期〜2029年3月期)では2029年3月期ROE7.0%以上、2031年3月期8.0%以上を目標に掲げる。2026年3月期のROEは9.3%と目標水準を上回っているが、これは特別利益寄与による一時的な押し上げ効果が大きい。

2027年3月期予想純利益25,000百万円ベースでは自己資本利益率が大幅に低下する見込みであり、「次世代卸への進化」として掲げるフィービジネス(機能の事業化)の収益化スピードと、政策保有株式縮減(2029年3月期に連結純資産額の10%以下目標)による資本効率改善の進捗が評価の鍵となる。

成長戦略

次世代卸への進化・事業ポートフォリオ再設計・経営基盤強化の3本柱で健康創造事業体を目指す

スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステム「キュービックス」を全国597軒・710台稼働(がん拠点病院の半数以上、国立大学病院の8割程度)まで拡大。周辺サービスとの連携・機能拡充により流通在庫の可視化・需要予測にも展開し、製薬企業からの受託獲得を継続強化する。

2024年4月に埼玉県草加市「首都圏物流センター」が本稼働。2025年5月に愛知県春日井市の「中部圏物流センター(仮称)」用地取得を完了し、2027年10月着工予定。両センターを核とした物流網の自動化・輸配送コスト低減・GDP基準対応・BCP強化を実現する。

2026年2月に生成AI活用医療文書作成SaaS「medimo」を完全子会社化(全国累計1,000軒以上導入)。2026年4月にエンブレース㈱と㈱コラボスクエアを統合し、44万人超の医療・介護従事者IDを活用したマーケティング支援など情報による新収益事業の創出を加速する。

「次世代卸への進化」「事業ポートフォリオの再設計」「経営基盤の強化」を3本柱とし、2029年3月期に連結売上高2.7兆円以上・ROE7.0%以上・経常利益率1.5%以上を目標とする。3カ年累計600億円以上の投資を計画し、2031年3月期には売上高3兆円以上・ROE8.0%以上の長期目標を掲げる。

2026年3月期に連結11銘柄の政策保有株式を縮減し投資有価証券売却益15,581百万円を計上。2029年3月期までに政策保有株式を連結純資産額の10%以下に削減する目標を設定。配当は2027年3月期に1株当たり120円(20%増配)を予定し、総還元性向100%を基準として継続実施する方針。

最終更新: 2026年7月19日