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株式会社イエローハット

9882東証プライム卸売業

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株式会社イエローハット9882

事業内容

株式会社イエローハットは、カー用品・二輪用品等の小売・卸売販売および賃貸不動産事業を営む国内最大級のカー用品チェーンである。「イエローハット」「格安タイヤトレッド」「2りんかん」「バイク館」「ワイズロード」の5ブランドを展開し、2026年3月期末時点で合計936店舗(車検センター・コイン洗車場・ニコニコレンタカーを除く)を全国に構える。

主要顧客は自動車・二輪車を日常移動手段とする一般消費者であり、タイヤ・オイル等の消耗品販売から取付・整備作業(工賃)、車検、自動車保険まで幅広いカーライフサービスを提供する。連結子会社44社・関連会社3社で構成されるグループ体制のもと、カー用品販売事業が売上高の96%超を占める。

ビジネスモデル

タイヤ・オイル・バッテリー等の消耗品販売(小売・卸売)と、取付・整備作業の工賃収入を組み合わせた複合収益モデルを採用する。2026年3月期の工賃売上高は25,266百万円(前期比111.0%)と拡大しており、粗利率の高い工賃収入が利益構造を支える。

また、グループ内賃貸不動産事業(売上高5,793百万円、利益率24.3%)が安定的な収益基盤を補完する。小商圏・ローコスト出店戦略により地域インフラとしての店舗網を拡大し、会員データ・POSデータを活用したリピート促進でロイヤルカスタマーを育成する構造である。

企業の強み

2026年3月期末時点でイエローハット765店舗を含む合計936店舗を全国展開。小商圏・ローコスト出店戦略により当期純増19店舗を達成し、カーディーラーやガソリンスタンドが減少する中で地域住民の整備・消耗品ニーズを取り込む地域インフラとしての競争優位を確立している。

2026年3月期の工賃売上高は25,266百万円(前期比111.0%、2,493百万円増)に達し、売上構成比14.8%を維持しながら絶対額を拡大。WEB作業予約件数が前年同期比157%に伸長するなど、デジタル集客との連動で粗利率の高い整備作業需要を継続的に取り込む体制を構築している。

2りんかん(65店舗)・バイク館(78店舗)・ワイズロード(28店舗)の3ブランドで二輪・スポーツサイクル市場を網羅。2025年1月に株式会社ワイ・インターナショナル(現ワイズロード・イエローハット)を子会社化し、当期より連結損益に取り込み開始。カー用品に依存しない収益多様化を実現している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高171,280百万円(前期比+11.2%)と大幅増収を達成した一方、営業利益は15,087百万円(前期比▲2.4%)と減益に転じた。販売費及び一般管理費が59,389百万円(前期比+14.3%)と売上増を上回るペースで膨張しており、新東北物流稼働・既存店設備更新による減価償却費増、人件費増額、ワイズロードのれん償却増、物流拠点移転・システム整備等の一時費用が重なった。

営業利益率は10.0%(前期)から8.8%(当期)へ低下しており、コスト構造の正常化が利益回復の鍵となる。

2026年3月期末に長期借入金18,000百万円を新規調達した結果、自己資本比率は64.8%(前期)から59.8%(当期)へ低下した。キャッシュ・フロー対有利子負債比率は2.2年(前期)から5.1年(当期)へ悪化し、インタレスト・カバレッジ・レシオも707.9倍(前期)から51.2倍(当期)へ急低下した。

支払利息は23百万円(前期)から202百万円(当期)へ増加しており、借入コストの動向が今後の経常利益に影響する点に留意が必要である。

2026年5月1日公表の通り、連結子会社・株式会社2りんかんイエローハットの会員専用サーバーへの不正アクセスにより、会員情報の不正持ち出しの痕跡が確認された。問い合わせ対応・調査・セキュリティ対策等の費用発生が見込まれるが、業績への影響は現時点で精査中であり、2027年3月期業績予想には未織り込みである。

外部要因として情報セキュリティリスクが顕在化した事例であり、ブランド毀損・会員離脱・追加費用計上の可能性について継続的なモニタリングが必要である。

成長戦略

出店拡大・工賃強化・DX深化・2輪事業拡充の4軸でトータルサービス企業を目指す

自動車が日常移動手段の地域への小商圏・ローコスト出店を積極展開し、地域住民の生活インフラとなることを目指す。2026年3月期はイエローハット20店舗開店・6店舗閉店で純増14店舗を実現し、グループ合計936店舗に拡大した。

自社ECでの商品販売と店頭取付をシームレスに連携する体制を整備し、EC・店舗双方の利便性を向上させる。EC上での幅広い商品展開・車種専用商品の充実と、店舗でのお手頃価格品強化により顧客の選択肢を拡大する。

会員情報・POSデータの統合管理により顧客が求める商品情報を適切なタイミングで提供し、新規会員のリピート率向上を図る。WEB作業予約件数は前年同期比157%に伸長しており、オイル交換当日予約機能追加等のアプリ機能拡充が奏功している。

オイル・タイヤ交換・取付業務や車検の強化に向け、整備士・検査員の人材育成を強化する。2025年4月の規則改正により車検受検可能期間が2ヶ月前に拡大したことを活用し、車検需要の取り込みを推進している。

2りんかん・バイク館・ワイズロードの2輪事業において、店舗数増・設備更新・人材育成・既存店収益拡大を実行し、イエローハット+2輪事業を含めたトータルサービスの提供を目指す。当期はワイズロード28店舗を含む2輪関連171店舗体制を構築した。

最終更新: 2026年7月19日