事業内容
NSW株式会社は1966年創業の独立系ITサービス企業で、東京証券取引所プライム市場に上場。エンタープライズソリューション(製造・小売・金融・公共向けITシステム開発)、サービスソリューション(IoT・クラウド・データマネジメント)、エンベデッドソリューション(オートモーティブ・産業機器向け組込み開発)、デバイスソリューション(LSI・ボード設計)の4セグメントを展開する。
国内主要都市に事業拠点を持ち、中国・マレーシアにも子会社を有する。2026年3月期の連結売上高は52,431百万円。
ビジネスモデル
顧客企業のITシステム開発・運用・保守を受託するSIerモデルを基本とし、上流コンサルティングから設計・開発・テスト・運用管理まで一貫して提供する。自社データセンター(山梨・高松)によるハウジング・ホスティングサービスも展開し、ストック型収益も確保。
2026年3月期末の受注残高は19,810百万円(前年同期比2.7%増)と次期売上の可視性が高い。資金調達は自己資金を基本とし、無借金経営に近い財務構造を維持している。
企業の強み
エンタープライズ・サービス・エンベデッド・デバイスの4セグメントが売上高でそれぞれ16,349百万円・15,218百万円・11,250百万円・9,612百万円と分散しており、特定領域の不振を他セグメントで補完できる構造。2026年3月期はデバイスソリューションが増益となり、エンタープライズ・サービスの不採算案件影響を一定程度緩和した。
デバイスソリューションの営業利益率は約15.1%(営業利益1,447百万円)、エンベデッドソリューションは14.3%(営業利益1,609百万円)と高水準。両セグメント合計の営業利益は3,056百万円で、連結営業利益5,290百万円の約57.8%を占め、収益の質を支えている。
2026年3月期末の自己資本比率は76.9%(前期比1.8ポイント増)、現金及び現金同等物は19,550百万円。無借金に近い財務構造のもと、M&Aや戦略的投資を自己資金で実行できる体制を維持。配当金支払額1,266百万円を継続しながらも純資産は37,891百万円と増加している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期43,452百万円から2026年3月期52,431百万円へ5期連続増収(年平均成長率約4.8%)。ただし2025年3月期は微減収(50,028百万円)を挟んでおり成長ペースは安定的。
営業利益は2025年3月期に過去最高の6,116百万円を記録した後、2026年3月期は5,290百万円へ13.5%減少。不採算案件の発生(エンタープライズ・サービス両セグメント)と広告宣伝費の急増(前期比769百万円増)が主因。
当期純利益は前期の有価証券評価損733百万円の剥落により3,709百万円(前期比1.3%増)と小幅増益を確保。外部環境として企業のDX投資需要は引き続き堅調だが、AI人材獲得競争の激化が人件費上昇圧力として継続する見込み。
成長戦略
基盤事業拡大と中長期成長領域創出を両輪に、DX需要を全セグメントで取り込む
小売・金融・公共向けシステム開発とIoT・データマネジメントサービスの受注拡大を推進。2026年3月期は両セグメント合計受注高31,594百万円(前期比2.6%増)と積み上がりは継続しているが、不採算案件の発生により利益率が低下。案件管理の高度化が課題。
半導体設計・組込み開発の需要拡大を背景に、高位設計からテストまでの一貫対応能力を活かした高付加価値案件の獲得を推進。デバイスソリューションは2026年3月期に営業利益前期比13.3%増を達成し、計画値を上回る結果となった。
AI人材獲得競争の激化を見据えた人的投資の継続と、広告宣伝費の大幅増額(2026年3月期898百万円)によるブランド認知向上を推進。短期的には費用増として利益を圧迫するが、中長期的な受注基盤拡大と人材確保を目的とした戦略的投資と位置づけられる。
2026年3月期に年間配当を85円から125円へ大幅増配(配当性向50.2%)。2027年3月期も125円を維持予想。潤沢な現金(19,550百万円)を背景に、投資有価証券取得(1,000百万円)等の戦略投資も継続。資本効率向上に向けた取り組みが株主から注目される。
最終更新: 2026年7月19日

