事業内容
株式会社歌舞伎座は1949年設立、東京証券取引所スタンダード市場上場の企業で、日本を代表する伝統芸能の殿堂「歌舞伎座」(東京・銀座)を所有・運営する。事業は不動産賃貸事業(売上高構成比61.2%)、食堂・飲食事業(同18.8%)、売店事業(同20.0%)の3セグメントで構成される。
主要顧客は劇場を賃借する松竹株式会社(売上高の52.4%を占める)のほか、歌舞伎座を訪れる国内外の観光客・歌舞伎ファン。連結子会社の歌舞伎座サービス株式会社が飲食・売店事業を担い、グループ一体で劇場来場者向けサービスを提供している。
ビジネスモデル
収益の中核は松竹株式会社への劇場賃貸であり、安定的な長期賃貸収入が事業基盤を形成する。これに加え、連結子会社が劇場内外で飲食店舗・売店を運営し、歌舞伎公演の来場者需要を取り込む。
公演演目や季節に連動した限定商品・メニューの提供、インバウンド向け商品展開、木挽町広場での定期イベント開催により、来場者単価と集客力の向上を図る複合収益モデルを採用している。
企業の強み
2013年に竣工した現劇場歌舞伎座を所有し、松竹株式会社に賃貸することで安定的な賃料収入を確保。不動産賃貸事業の売上高は1,900百万円(2025年2月期)、セグメント利益率は30.4%(2026年2月期)に達し、グループ収益の基盤を形成している。代替不可能な立地・ブランドが参入障壁となっている。
2023年2月期から2025年2月期にわたり有利子負債がなく、キャッシュ・フロー対有利子負債比率・インタレスト・カバレッジ・レシオとも算出対象外(負債なし)。自己資本比率は46.4%(2025年2月期末)まで上昇し、総資産24,349百万円に対し純資産11,293百万円を保有する財務健全性を維持している。
2022年2月期・2023年2月期は営業赤字が続いたが、2024年2月期に営業利益203百万円で黒字転換。2025年2月期218百万円、2026年2月期379百万円へと拡大し、売店事業のセグメント利益は前期比97.8%増の111百万円、食堂・飲食事業も損失から利益17百万円へ転換するなど全セグメントで収益改善が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年2月期2,470百万円の赤字局面から段階的に回復し、2026年2月期は3,633百万円・営業利益379百万円と過去最高水準を達成。2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)は売上高905百万円(前年同四半期比+6.1%)、営業利益103百万円(同+18.0%)、経常利益124百万円(同+18.8%)、親会社株主帰属四半期純利益84百万円(同+31.4%)と全利益項目で二桁増益を達成。
セグメント別では売店事業が+23.5%と最も高い伸びを示し、シアターミラノ座での「歌舞伎町大歌舞伎」物販好調が寄与。外部要因として観光客増加・インバウンド需要拡大が追い風となっている。
一方、通期会社予想は営業利益339百万円(前期比△10.3%)と減益見通しであり、下期の費用増加等を織り込んでいる。
成長戦略
保有資産の価値向上・インバウンド対応・飲食収益性改善の三本柱で持続的成長を目指す
テナントの賃料改定を実施し、不動産賃貸事業の売上高は2027年2月期第1四半期に504百万円(前年同四半期比+0.5%)、セグメント利益172百万円(同+4.3%)と着実に増加。賃料水準の適正化による収益基盤の強化を継続的に推進している。
歌舞伎座外の劇場(シアターミラノ座)での物販・飲食展開を推進。2027年2月期第1四半期には「歌舞伎町大歌舞伎」での物販が予想を大きく上回り、売店事業の売上高前年同四半期比+23.5%増に大きく貢献。外部劇場への展開が収益多様化に寄与している。
歌舞伎座への観光客増加傾向が継続しており、外国人観光客向け商品展開の強化によりインバウンド需要を取り込む戦略を推進。売店事業のセグメント利益率は2027年2月期第1四半期に22.1%と高水準を維持しており、利益率の高い売れ筋商品への注力が奏功している。
5月の襲名披露公演を記念したお食事・お弁当の販売が予想を上回り、食堂・飲食事業の売上高は前年同四半期比+4.9%、セグメント利益は同+15.1%増と収益性が改善。演目・季節に連動した限定メニューの展開が来場者の購買意欲を高めている。
最終更新: 2026年7月17日

