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東宝株式会社

9602東証プライム情報通信業

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事業内容

東宝株式会社は1932年設立の総合エンタテインメント企業。映画事業(映画営業・興行・映像の3事業)、演劇事業(帝国劇場を中心とした製作・興行)、不動産事業(賃貸・道路・保守管理)、その他事業の4セグメントで構成される。

連結子会社47社・持分法適用関連会社4社を含むグループ全体で事業を展開し、TOHOシネマズによる全国717スクリーンの映画興行、TOHO animationレーベルによるアニメIP展開、帝国劇場を核とした演劇製作、都心好立地の不動産賃貸を主要収益源とする。主要顧客は映画・演劇の一般消費者に加え、不動産テナント企業・公共機関など多岐にわたる。

ビジネスモデル

映画・アニメ・演劇のコンテンツIPを自社企画・製作し、劇場興行→配信権・商品化権→パッケージ・グッズ販売と多段階で収益を最大化する。映画事業の営業利益50,807百万円が全社の約74%を占める一方、不動産事業(営業利益16,826百万円)が景気変動に左右されにくい安定収益基盤として機能し、コンテンツ事業の変動リスクを補完する構造となっている。

企業の強み

2024年(自然暦)に東宝配給作品の年間累計興行収入が初めて900億円を超え、国内シェアで45%に迫る歴代1位の成績を達成。「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」「キングダム 大将軍の帰還」等の大ヒット作を年間30本程度供給し続ける企画・配給力が競合他社との差別化要因となっている。

「呪術廻戦」「ハイキュー!!」「僕のヒーローアカデミア」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「怪獣8号」等の人気タイトルを保有。アニメコンテンツの利用収入は33,881百万円(前期比16.1%増)に達し、国内外の配信・商品化権・ゲーム等で多面的に収益化。

日本アニメ市場の海外市場が初めて国内を逆転する成長局面を直接取り込む体制を有する。

2025年2月期末の自己資本比率は73.3%、純資産494,815百万円。有利子負債(リース債務含む)残高は3,014百万円に対し現金及び現金同等物は76,608百万円と実質無借金経営を維持。

R&I格付「AA-」を取得しており、中期経営計画2028で計画する成長投資1,600億円程度に対する資金調達余力は十分に確保されている。

エンヴァリスの着眼点

2027年2月期第1四半期は営業収入が前年同期比4.6%増の88,742百万円と増収を確保した一方、営業利益は13,869百万円(同28.3%減)、親会社株主帰属純利益は8,196百万円(同29.1%減)と大幅な減益となった。特にIP・アニメ事業の営業利益が520百万円(同91.8%減)と急失速しており、映像利用・許諾収入の19.2%減・商品化権収入の41.8%減が主因。

前年同期に計上した大型案件の反動減が複数セグメントに波及しており、構造的な収益力低下か一時的な変動かの見極めが投資判断の焦点となる。

通期連結業績予想(営業収入345,000百万円、営業利益62,000百万円)は変更なしとされているが、第1四半期の営業利益進捗率は13,869百万円÷62,000百万円=22.4%にとどまる。前年同期の進捗率(19,339百万円÷67,889百万円≒28.5%)と比較しても大幅に低い。

下期に向けた大型作品の興行成績や、IP・アニメ事業の回復ペースが通期達成の鍵を握る。外部要因として、物価上昇による消費者の娯楽支出への影響や中東情勢・金融市場の変動も注視が必要。

映画事業全体では営業収入43,381百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益9,598百万円(同6.1%増)と堅調。映画館入場者数も12,005千人(同9.4%増)と回復基調にある。

一方、損益計算書上では営業原価が50,092百万円(前年同期44,812百万円)、販管費が24,780百万円(同20,725百万円)と費用が大幅に膨らみ、売上総利益は38,650百万円(同40,065百万円)と減少。人件費・広告宣伝費・借地借家料の増加が利益率を圧迫しており、コスト管理の改善が課題として浮上している。

成長戦略

中期経営計画2028でアニメ・海外・デジタルを軸に長期成長を追求

2026年3月1日付で東宝㈱が保有する映像作品・コンテンツの国外市場向けライセンス事業をTOHO Global㈱に会社分割で承継。海外展開の専門体制を整備し、「ゴジラ」「呪術廻戦」等のグローバルIPの収益最大化を図る。Anime Limited(新規連結1社)の取り込みも海外展開を加速させる。

2026年3月28日に「TOHOシネマズ 大井町」(8スクリーン)を開業し、全国スクリーン数を725スクリーンに拡大。新規出店と既存劇場の改装により、映画館入場者数の増加(第1四半期12,005千人、前年同期比9.4%増)と興行収入の拡大を継続的に追求する。

「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「葬送のフリーレン」等の人気アニメIPへの製作出資を継続し、国内外の配信利用・商品化権・劇場版映画等で多面的に収益化する。「ゴジラ カードゲーム」等の新商品展開や「ゴジラ・ストアHakata」(2026年4月6日開業)等の直販チャネル拡充も推進。

2025年4月策定の「中期経営計画2028」に基づき、映画・IP・演劇・不動産の各事業で収益拡大を図る。2027年2月期通期予想は営業収入345,000百万円・営業利益62,000百万円(前期比8.7%減)と一時的な減益を見込むが、長期的には2032年営業利益750〜1,000億円の達成を目指す。

最終更新: 2026年7月17日