事業内容
株式会社クオンツ総研ホールディングスは、2018年設立・2022年上場のM&A仲介特化型ホールディングスである。中核子会社の株式会社M&A総合研究所がAIマッチングアルゴリズムとDXを組み合わせたハイブリッドM&A仲介サービスを提供し、グループ売上収益の約91%を占める。
主要顧客は後継者不在に悩む国内中小企業の譲渡希望オーナーおよび買手候補企業。2023年にホールディングス体制へ移行後、コンサルティング事業(株式会社クオンツ・コンサルティング)、オペレーティング・リース事業(株式会社総研リース)、海外M&A仲介(M&A Research Institute Singapore Pte. Ltd.)へと事業領域を拡張している。
2025年9月期の連結売上収益は16,603百万円。
ビジネスモデル
M&A仲介事業では、譲渡希望企業・買手候補企業双方とアドバイザリー契約を締結し、成約時に仲介手数料を収受する完全成功報酬制を採用。着手金・中間報酬(譲渡側)を徴収しない料金体系が案件獲得の競合優位性となっている。
2025年9月期の1件あたり平均成約手数料は64.7百万円、成約件数は234件。コンサルティング事業は先行投資フェーズで売上収益1,452百万円を計上するも損失段階にある。
企業の強み
生成AI・NLP・機械学習を融合した独自アルゴリズムを自社開発し、12,000回超の改修を重ねた基幹業務システムと連携。2025年9月期の全成約案件の平均成約期間は7.2ヶ月を実現しており、業務効率化が採用競争力にも波及している。
譲渡希望企業からは着手金・中間報酬を一切収受しない完全成功報酬制を採用。競合他社が着手金・中間報酬を収受するケースが一般的な中、参入障壁の低さが案件獲得数の拡大に寄与しており、インバウンド集客でも国内M&A仲介事業者の中で高水準のオーガニック検索数を維持している。
2025年9月期に78名を増員し、期末時点でM&Aアドバイザー390名体制を構築。AIによる買手候補企業の自動抽出がM&A未経験者でも即戦力化を可能にし、採用力の強化と組織拡大の両立を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年9月期中間期(2025年10月〜2026年3月)は売上収益10,296百万円(前年同期比34.4%増)、営業利益3,023百万円(同26.6%増)、親会社帰属中間利益1,905百万円(同27.9%増)。2025年9月期通期(売上収益16,603百万円、営業利益4,778百万円)の低迷から明確に回復した。
外部要因として経営者高齢化・後継者不在問題の構造的継続と行政の事業承継支援策がM&A需要を下支え。通期予想は売上収益22,292百万円(前期比34.3%増)、営業利益5,778百万円(同20.9%増)へ修正済み。
過去5期の売上収益推移は2022期3,912百万円→2023期8,643百万円→2024期16,550百万円→2025期16,603百万円(横ばい)→2026期通期予想22,292百万円と再加速の軌道に乗っている。
成長戦略
M&A仲介の深化・コンサルティング黒字化・リース事業確立・海外展開の4軸で成長
AIマッチングアルゴリズムの継続的高度化と業務DX推進により成約効率を向上。2026年9月期中間期の成約件数は110件と堅調推移。M&Aアドバイザーの継続採用拡大により案件処理能力の底上げを図る。
コンサルタント数を中間期末199名まで拡大し、旺盛なクライアント需要を取り込み売上収益を前年同期比194.2%増に拡大。先行投資フェーズが継続しセグメント損失は248百万円だが、規模拡大による損益改善を目指す。
2025年1月設立の株式会社総研リースが航空機1機(取得価額5,195百万円)を取得しリース事業を開始。中間期売上収益115百万円を計上。JOLCOも活用しながら新たな収益の柱として育成する。銀行借入による資産取得でレバレッジを活用。
シンガポール現地法人を拠点とした海外案件の獲得体制を継続強化。国内中小企業の海外展開ニーズや、クロスボーダーM&Aの需要を取り込み、国内仲介事業の補完的成長軸として位置づける。
2026年5月15日の取締役会で上限4,300,000株・取得価額総額3,800百万円の自己株式取得を決議(取得期間2026年5月18日〜2027年5月17日)。発行済株式総数(自己株式除く)の最大7.95%に相当し、EPS向上と株主還元強化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

