事業内容
株式会社BSNメディアホールディングスは、2023年6月に認定放送持株会社へ移行した新潟地区の総合メディア・情報産業グループである。中核の放送事業(㈱新潟放送)はTBS系列のテレビ・ラジオ放送を展開し、システム関連事業(㈱BSNアイネット等)はITソリューション・システムインテグレーションを地域企業・自治体に提供する。
建物サービスその他事業(㈱BSNウェーブ)は建物管理・不動産業を担う。連結子会社6社・非連結子会社2社・関連会社4社で構成され、2026年3月期の連結売上高は25,757百万円に達する。
ビジネスモデル
放送事業はネットタイム収入・スポット収入等の広告収入を主収益源とし、コンテンツ制作力とJNN系列ネットワークを活用する。システム関連事業はシステムインテグレーション・受託開発・機器販売・保守サービスを組み合わせたITソリューションで継続的な収益を確保する。
建物サービスその他事業は施設管理・不動産賃貸による安定収益を補完する。3事業の組み合わせにより、広告市況の変動リスクを分散する構造となっている。
企業の強み
2026年3月期のシステム関連事業売上高は18,361百万円で、グループ連結売上高25,757百万円の約71%を占める最大セグメントである。受託開発・機器販売・保守サービスを組み合わせた多層的な収益構造を持ち、新潟ニアショア開発拠点を活用した首都圏受託案件や自動搬送ロボット導入など、付加価値領域への展開実績を有する。
2026年3月期末の自己資本比率は72.0%、現金及び現金同等物は9,374百万円に達する。有利子負債は極めて少なく、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.2%、インタレスト・カバレッジ・レシオは128.8倍と財務健全性は高い。この財務基盤が成長投資や株主還元の原資となっている。
1952年のラジオ放送開始以来70年超の歴史を持ち、新潟地区においてTBS系列(JNN)テレビ・ラジオ放送の免許を保有する。放送免許は参入障壁として機能し、地域における認知度・信頼性は代替困難な競争優位を形成している。
2026年3月期の放送事業売上高は5,869百万円、営業利益は368百万円(前期比17.6%増)と収益性も改善傾向にある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期21,051百万円から2026年3月期25,757百万円へ5期連続増収。営業利益は2024年3月期に1,342百万円へ落ち込んだ後、2025年3月期1,721百万円・2026年3月期1,739百万円と回復基調を維持。
2026年3月期の親会社株主帰属純利益1,385百万円は投資有価証券売却益327百万円(特別利益)の計上が寄与し前期比32.4%増と大幅増益。一方、経常利益は1,935百万円(前期比2.0%増)にとどまり、本業ベースの利益成長は緩やか。
2027年3月期は売上高25,290百万円・営業利益1,536百万円と減収減益予想を開示しており、特別利益剥落と費用増加圧力(人件費ベースアップ等)が業績の重石となる見通し。
成長戦略
放送外マネタイズ・自治体DX・AI活用X-Techの三軸で持続成長を追求
製造現場向け自動搬送ロボット導入・現場コンサルティング業務が増加し、AI活用による業務自動化・省人化ソリューションへの民間需要が拡大。2026年3月期のシステム関連事業売上高は前期比6.8%増の18,361百万円と成果が出ているが、利益率低下が課題。高付加価値案件へのシフトが次の焦点。
新潟をニアショア開発拠点とするスマートフォン向けアプリ開発・首都圏受託案件が好調に推移。地域の人件費優位性を活かしたコスト競争力と技術力の組み合わせで首都圏顧客を獲得。2026年3月期も継続的な受注増加が確認されており、引き続き拡大基調。
㈱語れ。によるブランディング戦略コンサルティング、プロモーション部門でのテレビ・ラジオ新規広告主獲得など放送外収益の多様化を推進。2026年3月期の放送事業売上高は前期比0.1%増の5,869百万円と横ばいながら、営業利益は前期比17.6%増の368百万円と費用構造改善が進展。
新規不動産物件の取得や設備管理業務・設備工事の新規受注獲得により、建物サービスその他事業の売上高は前期比8.4%増の2,060百万円、営業利益は前期比20.7%増の111百万円と全セグメント中最高の増益率を達成。仕入原価高騰の影響を全社的なコスト削減で吸収。
2026年3月期の年間配当は16円(前期14円から増配)、2027年3月期は18円へのさらなる増配を予定。配当性向は6.9%と依然低水準であり、増配方針は評価できるが、ROE5.2%・純資産配当率0.3%の水準からは資本効率改善余地が大きく残る。
最終更新: 2026年7月19日

