事業内容
大東港運株式会社は1957年創業の港湾運送専業企業で、東京証券取引所スタンダード市場に上場。大東港運本体と子会社9社・関連会社1社で構成されるグループを形成し、輸出入貨物取扱事業(売上構成比72.9%)を中核に、鉄鋼物流事業、海外事業(中国・シンガポール等)、国内不動産賃貸事業、その他事業(港湾荷役・陸上運送・水産物卸売等)の5セグメントを展開する。
主要顧客にはコストコホールセールジャパン株式会社(売上比11.1%)をはじめとする食品輸入業者が含まれ、畜産物・水産物・農産物の輸入通関から保管・配送までワンストップで対応する物流インフラを提供している。
ビジネスモデル
輸出入貨物取扱事業では、輸入食品の検疫・通関・保税運送・配送を一貫して受託し、取扱量に応じた手数料・運賃収入を得る。鉄鋼物流事業では国内鉄鋼製品の荷役・保管・配送を担い、安定的な受託収入を確保する。
海外事業では中国・シンガポールの子会社が現地物流サービスを提供。国内不動産賃貸事業では自社・子会社保有の倉庫・物件を賃貸し、利益率33.6%の高収益キャッシュフローを創出する複合収益モデルを構築している。
企業の強み
1957年創業以来、畜産物・水産物・農産物を中心とした食品輸入物流に特化し、AEO認定通関業者として東京・横浜・大阪・神戸・門司の各税関で通関業許可を保有。2026年3月期の輸出入貨物取扱事業営業収益は13,221百万円と全体の72.9%を占め、コストコホールセールジャパン等の大口顧客との継続的取引関係を構築している。
商船三井ロジスティクス株式会社との戦略的提携を通じ、より安全かつ信頼性の高いサービスを顧客に提供できる体制を整備した。第8次中期経営計画の「持続的価値の拡大」施策として実施され、新規顧客・取扱量の獲得に寄与。大手物流グループとの連携により、単独では困難なサービス領域への対応力を獲得している。
国内不動産賃貸事業は2026年3月期に営業収益338百万円・セグメント利益率33.6%を達成し、グループ内で最高水準の収益性を誇る。大東運輸倉庫株式会社による新規倉庫物件取得(276,065千円)により賃貸資産基盤を拡充中。
物流施設の安定稼働を背景に、前期比16.7%増の賃貸収入増加を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の営業収益は18,132百万円(前期比+8.2%)、営業利益は1,095百万円(同+65.8%)、経常利益は1,239百万円(同+51.7%)、親会社株主帰属当期純利益は870百万円(同+40.9%)と全指標で大幅改善。2024年3月期を底として2期連続の増収増益となり、利益水準は2022年3月期以来の高水準を回復した。
外部要因として、国内景気の緩やかな回復・世界経済の成長継続が輸出入物流の数量増加を後押しした。海外事業(+49.2%増収・黒字転換)とその他事業(黒字転換)の損益改善が営業利益の大幅増加に寄与。
自己資本比率は67.0%に上昇し、財務基盤も一段と強化された。2027年3月期は営業収益18,200百万円(+0.4%)、営業利益1,100百万円(+0.4%)と横ばい予想で、米国関税政策の不確実性等を保守的に織り込んでいる。
成長戦略
第9次中計「Stronger Together」で既存深化・海外拡大・デジタル化を推進
多様化する顧客ニーズにワンストップで応えるため営業体制を変革し、食品輸入・鉄鋼物流のコア事業をさらに拡大するとともに、新たな派生事業領域への進出に挑戦する。商船三井ロジスティクスとの戦略的提携を活用した新サービス提供が競争力強化に寄与。
納期・温度帯等の要件に柔軟対応できる輸送基盤を整備し、多様な顧客ニーズに対応する安定輸送体制を構築する。輸送機器の設備更新(2026年3月期に実施)を継続し、物流品質の向上と新規顧客獲得につなげる。
既存オペレーティング・モデルにデジタルを取り入れ、成果を再現・拡張できるモデルを確立する。RPA化・IT研修・生産性向上プロジェクトを継続し、顧客対応力と業務効率を同時に高めることで利益率改善を目指す。
海外展開や新領域拡張を支える専門知識を備えた人材を計画的に育成し、現場の判断力と提案力を底上げする。Ever Glory Logistics Pte.Ltd.の倉庫取得による物流キャパシティ拡大を活かし、海外事業の収益規模をさらに拡大する。
売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の全目標値を超過達成(実績:売上高181億円、営業利益10.9億円、経常利益12.3億円、当期純利益9.1億円 vs 目標:175億円・9.2億円・10億円・6.7億円)。
最終更新: 2026年7月19日

