事業内容
鈴与シンワート株式会社は、1947年創業の鈴与グループ傘下の上場企業。情報サービス事業(売上構成比83%)と物流事業(同17%)の2セグメントを展開する。
情報サービス事業では、システム開発、HCMサービス(人事・給与・会計パッケージ)、クラウドサービス、コンサルティングを提供し、企業のDX推進を支援する。物流事業では連結子会社・鈴与シンワ物流株式会社を中心に倉庫・港運・陸運の3事業を展開。
主要顧客は一般企業(情報サービス)および食品・セメント等の荷主企業(物流)。東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
情報サービス事業では、システム開発の受託、HCMパッケージのライセンス・BPO・保守、クラウドインフラの運用監視など継続性の高いサービスを組み合わせて収益を得る。物流事業では倉庫保管・港湾荷役・陸上輸送の取扱量に応じた収益を確保。
親会社・鈴与株式会社との貨物取扱相互委託や倉庫相互利用によるグループシナジーも収益基盤を補完する。
企業の強み
人事・給与・就業を対象としたパッケージソリューションサービスは大型案件の獲得が継続し、2026年3月期の情報サービス事業売上高は17,123百万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は3,363百万円(前期比15.7%増)を達成。生産性向上・高付加価値化により売上総利益率は2021年3月期の18.0%から2026年3月期の27.0%へ大幅改善。
2026年3月期の情報サービス事業の受注高は17,458百万円(前期比5.1%増)、受注残高は4,309百万円(前期比8.4%増)と着実に積み上がっており、次期以降の売上を一定程度先行して確保できる受注構造を有する。前期(2025年3月期)の受注高17,241百万円・受注残高3,974百万円からも継続的な拡大傾向が確認できる。
鈴与株式会社との間でHCMサービスの提供、データセンター建物の賃借、物流事業における貨物取扱相互委託・倉庫相互利用を実施。グループシナジーが情報・物流両事業の安定的な収益基盤を支えており、1993年のグループ入り以降、継続的な事業拡大の礎となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高20,670百万円(前期比8.1%増)、営業利益1,745百万円(同25.1%増)と増収増益を継続。ただし当期純利益は1,079百万円と前期1,106百万円から減少に転じており、減損損失209百万円の計上が影響した。
キャッシュ・フロー面では、訂正後の営業CFが713百万円(前期1,756百万円)と大幅減少し、売上債権増加額1,501百万円が主因。現金及び現金同等物の期末残高は1,028百万円と前期末比957百万円減少した。
外部要因として企業のDX投資需要の継続が売上拡大を支えているが、運転資本の膨張と減損損失が財務面での懸念材料として浮上している。
成長戦略
情報サービス事業の受注拡大・収益性向上とAI・人財投資による持続的成長
パッケージソリューション・システム開発・クラウドサービスの拡販により受注高17,241百万円(前期比18.1%増)・受注残高3,974百万円(前期比29.0%増)を達成。生産性向上・高付加価値化による売上総利益率の改善も継続しており、収益性と成長性の両立を追求している。
株式会社インタークエストの連結子会社化により人材・技術基盤を拡充。前年度第3四半期より売上寄与が本格化しており、情報サービス事業の成長加速に貢献している。統合プロセスの深化による更なるシナジー創出が期待される。
荷役機器の導入による作業効率化と運行管理システムリプレイス等の業務DX化を推進。新規取扱貨物の開始・スポット貨物獲得による取扱数量増加と人財定着による現場力向上を図る。ただし燃料費・電力料金の変動リスクが収益性改善の制約要因となっている。
IT人材の確保・育成への先行投資と待遇改善により人財定着を図るとともに、AI活用による生産性向上を推進。IT人材の需給逼迫という市場環境の中で、自社の人財基盤強化が中長期的な競争優位の源泉となる。
最終更新: 2026年7月19日

