事業内容
株式会社関通は、1983年創業の物流アウトソーシング企業。EC・通販事業者向けに入庫・在庫管理・出庫等の配送センター業務を代行する「EC・通販物流支援サービス」を主軸とし、売上高の94%超を物流サービス事業が占める。
自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」やチェックリストシステム「アニー」を活用した品質管理・業務標準化が特徴。2020年に東証マザーズ(現グロース市場)上場。
2023年12月には関通ネクストロジ株式会社を設立し出版物流分野にも進出。主要顧客はEC・通販事業者で、2025年2月期には㈱ライフドリンクカンパニーが売上高の11.7%を占める大口顧客となっている。
ビジネスモデル
物流サービス事業では、EC・通販事業者の配送センター業務を受託し、労務費・発送運賃・賃借料を主要コストとする従量型収益を得る。ITオートメーション事業では、物流現場で実証済みの自社開発ソフトウェア(「クラウドトーマス」「アニー」等)を外部顧客に提供し、2025年2月期に売上高営業利益率52.3%の高収益を実現。
物流ノウハウをITに昇華させ再販する循環モデルが差別化の源泉となっている。
企業の強み
インターネット通販黎明期の2000年頃から物流センター運営を開始し、蓄積したノウハウを自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」(2017年販売開始、2021年にPro版追加)に実装。キヤノンITソリューションズとの資本業務提携(2022年4月)によりシステム連携を強化し、外部顧客への展開を加速している。
EC・通販物流支援サービスに加え、受注管理業務代行サービス、コンタクトセンター業務、物流コンサルティングサービスを組み合わせ、バックヤード業務のワンストップアウトソーシングを実現。ミャンマーのヤンゴンBPOセンターを活用したコスト効率化も図っており、2025年2月期の売上高は15,270百万円(前期比27.9%増)に達した。
2023年12月に関通ネクストロジ株式会社を設立し、河出興産から出版物流事業を譲受け新領域に参入。2024年12月には所沢物流センター(埼玉県)を新設するなど、関西・関東を中心に複数拠点を展開。2025年2月期の設備投資額は463,099百万円(有形固定資産・ソフトウェア・敷金等含む)に上る。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年2月期10,099百万円→2023期10,494百万円→2024期11,938百万円→2025期15,270百万円→2026期18,346百万円と5期連続増収。営業利益は2025期にサイバー攻撃被害の影響で47百万円の損失に転落したが、2026期に320百万円で黒字回復。
2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)は売上高5,291百万円(前年同期比29.7%増)・営業利益78百万円と前年同期の営業損失33百万円から黒字転換し、回復軌道を確認。外部要因として、EC市場の拡大継続が物流需要を押し上げる一方、エネルギー価格高止まり・人件費上昇・金利上昇による支払利息増加がコスト面での逆風となっている。
純資産は配当支払(102百万円)等により前期末比128百万円減少の2,115百万円。
成長戦略
「ハコからチエへ」の質的転換と持株会社体制による5事業の専門性強化・収益多様化
物流拠点の新規拡張を一時見合わせることで賃借料を抑制し、AIやロボティクスを活用した省人化・自動化投資により生産性を向上。2027年2月期第1四半期のセグメント利益率は0.9%と低水準ながら、前年同期の損失から黒字転換を達成し改善トレンドを維持している。
2026年4月1日に持株会社体制へ移行し、報告セグメントを5区分に再編。コマースDX事業・Estate Leasing事業・サイバーセキュリティ事業をそれぞれ独立させ、各事業の専門性と収益管理精度を高める。ホールディングス化による多事業ポートフォリオの構築で収益の安定性向上を図る。
Cyber Governance Lab株式会社を新規連結子会社として加え、自社のセキュリティ知見を活かしたサービス提供ビジネスを本格稼働。2027年2月期第1四半期に売上高8百万円・セグメント利益2百万円(利益率26.0%)と初四半期で黒字化を達成。
市場環境として企業のサイバーセキュリティ需要は極めて堅調であり、今後の規模拡大が期待される。
サブリースを中心とした物流不動産事業をEstate Leasing事業として独立させ、安定的な賃料収入を確保。2027年2月期第1四半期のセグメント利益は63百万円(前年同期比54.1%増)と高成長を示しており、物流事業の利益変動を補完するキャッシュカウとして機能している。
最終更新: 2026年7月17日

