事業内容
Green Earth Institute株式会社は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)が約30年かけて開発したバイオものづくり技術(RITE Bioprocess®)の実用化を目的に2011年に設立された技術開発型ベンチャーである。コリネ型細菌を活用した高効率発酵技術(バイオプロセス)をコア技術とし、石油由来化学品をバイオマス由来化学品へ転換することでバイオエコノミーとサーキュラーエコノミーの同時実現を経営理念に掲げる。
主要顧客はNEDO(国家プロジェクト受託)および国内外の化学・製紙・エネルギー企業等のパートナー企業であり、アミノ酸・バイオ燃料・バイオ樹脂原料等を対象に研究開発から商用化まで一貫した知見を提供する。2021年12月に東京証券取引所グロース市場に上場。
ビジネスモデル
当社は自ら商用生産設備を保有せず、①研究開発受託(Stage2:マイルストン型収入)、②ライセンス供与(一時金+ロイヤリティ)、③自社販売(委託生産による製品販売)、④テクノロジーパッケージ(菌体・プロセス情報+設備設計書の一括提供)の4形態で収益化する。Stage2で蓄積した技術をStage3で商用化し、特許権等を活用した長期・安定収益への移行を目指す構造である。
2025年9月期のNEDO向け売上比率は38.2%(前期55.2%から低下)であり、民間パートナー向け比率が拡大している。
企業の強み
コリネ型細菌が酸素抑制条件下で増殖せずに高い代謝活性を維持する特性を活用した独創的発酵法を保有。従来発酵法比で高い原料効率・小規模設備・短時間生産を実現し、非可食バイオマス由来の発酵阻害物質の影響も受けにくい。CFDによるスケールアップシミュレーションと3,000L発酵槽での検証設備も整備済み。
バイオファウンドリ事業(6年間・事業総額54億円)、グリーンイノベーション基金事業(2023年受託)、バイオものづくり革命推進事業(第1回:8年間・補助金総額約14億円、第2回:6年間・補助金総額約3億円)を受託・採択。国家プロジェクトが売上基盤と研究インフラ整備を同時に支える構造となっている。
バリン・アラニン・アスパラギン酸・βアラニン等5種類のアミノ酸および米由来次世代タンパク質のライセンス、化粧品用エタノールの自社販売を実現済み。2018年に中国企業とのバリンライセンス契約を皮切りに商用化実績を積み上げており、2025年9月期のStage3収益は172百万円(前期比約5倍)に拡大している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は503百万円→585百万円→897百万円→1,003百万円→1,075百万円と増収基調を維持。2025年9月期には初の経常・当期純利益黒字(当期純利益127百万円)を達成した。
しかし2026年9月期中間期(2025年10月〜2026年3月)は売上高240百万円(前年同期比0.1%増)、営業損失186百万円(前年同期133百万円)、中間純損失192百万円(前年同期134百万円)と赤字が拡大。販管費増加が主因であり、売上高の第4四半期集中という季節性を踏まえると通期予想(売上高1,035百万円、当期純利益146百万円)の達成には後半での大幅な売上計上が不可欠。
外部環境として為替差損5百万円が発生しており、海外取引における為替変動の影響も顕在化している。
成長戦略
ライセンス・製品販売・テクノロジーパッケージの3形態で商用化を加速し、バイオものづくりプラットフォーマーとしての地位を確立
NEDOより受託したバイオファウンドリ事業(事業総額54百万円規模・6年間)において、大学・企業のバイオものづくり技術の商用化プロセス開発・実証を行うプラットフォームを構築・運用する。2026年3月末時点で建設仮勘定が429百万円に達しており、設備投資が本格化している。
カーボンニュートラル実現に向けたグリーンイノベーション基金事業(バイオプロジェクト1,800百万円規模・10年間)およびバイオものづくり革命推進事業(第1回・第2回)を継続推進。国策プロジェクトの受託により研究開発費の外部資金調達と技術蓄積を同時に実現する。
2025年9月期にライセンス・製品販売収益が172百万円(前期比約5倍)に拡大し、中国向け売上54百万円も発生するなど商用化が進展。パイプライン総数22件(Stage2が21件、Stage3が1件)の維持・拡大を通じて、民間収益比率の向上と地理的多様化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

