ブライダル市場の縮小
国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2070年には日本の総人口が8,700万人まで減少し、結婚適齢期人口の縮小と未婚率の上昇によりブライダルマーケット全体の縮小が懸念される。市場縮小が現実化した場合、国内市場における当社グループの売上収益・施行組数に直接的な悪影響を及ぼす可能性がある。構造的・長期的なリスクであり、抜本的な対策は限定的である。
多額借入金と金利変動リスク
2025年12月31日現在、借入金総額は12,371百万円であり、総資産に対する借入金比率は33.6%に達する。借入金総額の91.1%が変動金利であるにもかかわらず金利ヘッジを実施していないため、市場金利の上昇局面では金融費用が増加し、業績・財政状態・キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。中長期的な借入金削減を方針としているが、削減が進まない場合のリスクも残存する。
のれん等非金融資産の減損
2025年12月31日現在、2016年12月のLBOに起因するのれん11,203百万円を連結財政状態計算書に計上しており、その他の有形・無形非金融資産も保有している。対象事業の収益性が低下した場合、帳簿価額と回収可能価額の差額が減損損失として計上され、財政状態および業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。定期的な減損テストを実施しているが、外部環境の悪化により突発的な損失計上リスクが存在する。
融資契約の期限の利益喪失
当社グループが締結している融資契約には純資産維持・利益維持に関する財務制限条項が付されており、これに抵触し貸付人から請求があった場合、期限の利益を喪失する。また、金融市場の混乱や金融機関の融資姿勢変化により借換えが困難になった場合も同様のリスクが生じ、即時の債務弁済資金確保が必要となり財政状態・キャッシュ・フローに深刻な影響を及ぼす可能性がある。本書提出日現在は財務制限条項に抵触していない。
売上収益の季節変動
挙式・披露宴は4〜5月(第2四半期)および10〜11月(第4四半期)に集中する傾向があり、2025年12月期の第4四半期売上収益は7,858百万円(構成比35.7%)と突出している。繁忙期における施行組数が低迷した場合、通期業績への影響が大きく、収益の安定性が損なわれる。季節変動の平準化に向けた施策は限定的であり、外部環境の影響を受けやすい構造となっている。
人材確保・育成の遅延
継続的な出店拡大とサービス水準の維持には優秀な人材の確保・育成が不可欠であり、国内外での積極的な採用活動やOJT・職種別研修を実施している。しかし、人材確保・育成が出店計画に追いつかない場合、計画どおりの出店が困難となるほか、顧客へのサービスレベルが低下し、ブランド価値や業績に悪影響を及ぼす可能性がある。少子化・労働市場の競争激化を背景に、構造的な採用難が継続するリスクがある。
食材等のコスト高騰
地政学的リスク・気候変動・自然災害・パンデミック等の予測困難な要因により、食材調達コストや水道光熱費が高騰するリスクがある。婚礼プランの見直し等で対応しているが、価格上昇分を販売価格に転嫁できない場合は売上原価の上昇を通じて利益率が圧迫される。為替変動も婚礼衣裳・食材等の海外調達コストに影響し、複合的なコスト増加要因となっている。
競合激化・新規参入
ホテルや専門式場が既存施設のリニューアルを通じてゲストハウス・ウエディング市場へ参入するほか、異業種からの新規参入も進んでおり、競合環境が激化している。競争激化により顧客獲得コストの上昇や施行単価の下落が生じた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がある。当社グループは婚礼スタイルの企画・提案力による差別化を図っているが、模倣リスクも存在する。
個人情報漏洩リスク
当社グループは新郎新婦をはじめとする多数の顧客の個人情報を取り扱っており、不正アクセス・コンピュータウイルス等への対策システムや「個人情報保護基本規程」の整備・社内教育を実施している。しかし、これらの措置にもかかわらず個人情報が漏洩した場合、法的責任の追及に加え、社会的信用の低下により顧客離れや業績悪化を招く可能性がある。ブライダル事業の性質上、顧客の機微情報を多く保有しており、漏洩時のレピュテーション毀損は特に大きい。
感染症・自然災害による事業停止
感染症の拡大や大規模自然災害等により社会・経済活動が制限された場合、挙式・披露宴の延期・キャンセルが集中し、当社グループの業績に甚大な影響を及ぼす可能性がある。危機管理対策本部の設置や社内連絡体制の整備により機動的な対応を図っているが、復旧に多大なコストや長期間を要する場合は財務的な負担も大きくなる。過去のパンデミック経験からも、ブライダル事業は外出・集会制限の影響を直接的に受けやすい業種である。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年5月1日

