事業内容
NSユナイテッド海運は、日本製鉄株式会社をその他の関係会社に持つ鉄鋼系海運会社として、外航海運事業(連結売上高の約9割)と内航海運事業(同約1割)を両輪とする専業海運グループである。外航では撒積船(ケープ型・パナマックス型・ハンディ型)、近海小型船、VLGC(大型LPG運搬船)を運航し、鉄鉱石・石炭・穀物・LPGなどを世界規模で輸送する。
内航では石炭・バイオマス等の電力関連貨物、鉄鋼原料、LNG・LPGを国内水域で輸送する。子会社67社・関連会社5社を含むグループ全体で海運業及び海運附帯事業を展開し、1950年の創立以来70年超の輸送実績を有する。
ビジネスモデル
主要荷主である日本製鉄をはじめとする大手顧客との長期・中長期輸送契約を収益の根幹に置き、市況変動リスクを抑制しながら安定的なキャッシュフローを確保する。その上でスポットマーケットでの好採算貨物獲得や3国間輸送による配船効率改善を重ね、収益を積み増す構造をとる。
船舶は自社保有と船主からの用船を組み合わせ、有利子負債を過度に増加させずに船隊を整備する。老齢船の計画的売却による資産入れ替えと売却益計上も収益管理の一環として機能している。
企業の強み
日本製鉄株式会社はその他の関係会社であり、2026年3月期の同社向け売上高は104,420百万円(総売上高比44.2%)に達する。長期・中長期輸送契約を通じた安定収益が業績の下支えとなっており、市況変動局面でも一定の収益水準を維持できる契約構造を有している。
2026年3月期末の自己資本比率は63.2%(前期56.5%から改善)、Net DERは△0.01倍と実質無借金状態を達成した。有利子負債残高は63,602百万円に対し現金及び現金同等物は65,625百万円を確保。インタレスト・カバレッジ・レシオは25.6倍と財務安全性は極めて高い水準にある。
外航では撒積船・VLGC等の多船型を保有・運航し、内航では撒積船・タンカーを通じて国内輸送を担う。外航・内航双方の専門性と総合力を兼ね備えることで、荷主の多様な輸送ニーズに一貫対応できる体制を構築している。2026年3月期の内航セグメント利益は5,041百万円と前期比27.3%増益を達成した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の250,825百万円をピークに2024年3月期に減少、2025年3月期に回復後、2026年3月期は円高(平均為替レート150.33円/US$、前期比1.6%円高)を主因に229,784百万円へ再び減少。一方、営業利益は20,529百万円と前期比1.5%増で横ばい圏を維持。
経常利益は為替差益・デリバティブ利益の増加等で21,046百万円(同10.7%増)。親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益7,037百万円の計上により24,095百万円(同29.4%増)と過去5期で最高水準を達成。
自己資本比率は63.2%、1株当たり純資産は7,943.82円と財務基盤は着実に強化されている。
成長戦略
ESG経営・次世代燃料船転換と新規輸送需要取込みで持続的成長を目指す
当初計画通りに老齢船の売却を着実に実行。2026年3月期に船舶売却収入7,712百万円・固定資産売却益7,037百万円を計上。船舶(純額)は145,085百万円から132,547百万円へ減少し、建設仮勘定は15,395百万円と新造船投資も継続。
IMOにおける温室効果ガス排出削減に向けた中期対策(GFI規制等)やEU-ETS等の環境関連制度の適用拡大を見据え、次世代燃料船への転換を推進。天然ガス専焼エンジン搭載ハイブリッド推進システム船等の導入により競争力強化を図る。
西アフリカからのボーキサイト輸送需要やバイオマス関連貨物を含む電力関連貨物の輸送量拡大を取り込む。2026年3月期の内航海運事業では電力関連貨物の輸送量が当初計画を上回り、増収増益を達成した。
連結配当性向30%を基準とした安定的な株主還元を継続。2026年3月期の年間配当は310円(前期240円)、配当性向30.3%。2027年3月期予想は295円。長期借入金の返済を進め(70,737百万円→48,014百万円)、自己資本比率63.2%と財務基盤を強化。
最終更新: 2026年7月19日

