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大和自動車交通株式会社

9082東証スタンダード陸運業

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大和自動車交通株式会社9082

事業内容

大和自動車交通は1939年創業、1949年東証上場の老舗交通事業者。連結子会社14社を擁し、タクシー・ハイヤーを核とする旅客自動車運送事業(売上高の約75%)を主軸に、東京近郊・京都の賃貸収益物件を運営する不動産事業、燃料・金属製品等の販売事業、ゴルフ場・ホテル向け清掃管理のサービス・メンテナンス事業の4セグメントで構成される。

主要顧客は法人ハイヤー利用企業、個人タクシー利用者、賃貸テナント等。東京都特別区・武三地区から多摩地区まで広域に営業基盤を持ち、2024年12月には大和自動車交通府中(旧十全交通)を買収し事業規模を拡大した。

ビジネスモデル

旅客自動車運送事業では乗務員の稼働率向上と配車アプリ「S.RIDE」活用により運送収入を積み上げる。不動産事業では東京近郊・京都の賃貸収益物件から安定的な賃料収入を得ており、営業利益率60.4%と高収益性を誇る。

販売事業(燃料・金属製品)とサービス・メンテナンス事業が補完的収益を提供し、グループ全体の収益分散を図る構造となっている。

企業の強み

東京都特別区・武三地区から多摩地区まで複数の連結子会社(大和自動車交通王子・江東・吉祥寺・立川・北千住・府中等)を通じて広域営業網を保有。2024年12月の大和自動車交通府中買収により多摩地区の拠点を強化し、2026年3月の多摩地区運賃改定の恩恵を受ける基盤を整備した。

東京近郊および京都府京都市下京区の賃貸収益物件を核とする不動産事業は、2026年3月期売上高1,050百万円に対し営業利益634百万円(利益率60.4%)を計上。建設仮勘定が前期末比565百万円増加し624百万円に達しており、東京都世田谷区・江東区の新規物件稼働による収益拡大基盤が整いつつある。

1939年創業、1949年東証上場の老舗事業者として、大口法人ハイヤー得意先との長期取引関係を構築。ハイヤー部門売上高は2,962百万円(前年同期比4.6%増)と安定成長を維持しており、コスト上昇下でも利益を着実に確保している。信和事業協同組合加盟23社との業務提携も配車網の厚みを支えている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期に旅客自動車運送事業が営業利益350百万円と黒字転換し、連結営業利益も384百万円を計上した点は前進。ただし売上高営業利益率は1.9%にとどまり、絶対水準は依然低い。

2027年3月期予想では営業利益500百万円(前期比30.1%増)を見込むが、経常利益は100百万円(前期比62.0%減)と大幅減益予想であり、シンジケートローン手数料等の金融費用増加が利益を圧迫する構造に注意が必要。

2026年3月期末に短期借入金が9,833百万円から5,228百万円へ大幅減少した一方、長期借入金が3,682百万円から7,438百万円へ急増。長期借入れ実行6,499百万円・返済7,290百万円と借換えが活発化しており、外部要因として金利上昇局面での調達コスト増加リスクが高まっている。

支払利息は前期197百万円から253百万円へ増加しており、次期以降の経常利益圧迫要因として注視が必要。

中期経営計画2027の最終年度(2027年度)目標として掲げる営業利益1,000百万円に対し、2026年3月期実績は384百万円。2027年3月期予想でも500百万円にとどまる見通しであり、最終年度での目標達成には2028年3月期に向けて大幅な収益改善が求められる。

乗務員不足・燃料価格高騰・最低賃金上昇といった継続的なコスト上昇圧力が課題。不動産新規物件の稼働や運賃改定効果の定着が計画達成の鍵を握る。

成長戦略

中期経営計画2027で旅客事業収益化・不動産開発・資本コスト経営を推進

継続的な採用活動と提携先企業からの乗務員受入により稼働率を引き上げ、旅客事業の収益力を高める。2026年3月期に旅客事業営業黒字350百万円を達成し、一定の成果を確認。

2026年3月多摩地区・同年4月東京都特別区・武三地区の運賃改定が単価改善に寄与。2026年6月からS.RIDEとUberの連携開始によりインバウンド旅行客の利用増を見込む。

東京都世田谷区取得物件・2026年4月竣工の江東区物件が順次稼働。建設仮勘定624百万円が示す通り開発投資を継続し、不動産事業の収益力向上を図る。

前中期経営計画で利益面が道半ばに終わったことを踏まえ、中期経営計画2027では資本コストを意識した経営に注力。自己資本比率は30.7%から32.2%へ改善。

最終更新: 2026年7月19日