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ファースト住建株式会社

8917東証スタンダード不動産業

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ファースト住建株式会社8917

事業内容

ファースト住建株式会社は1999年7月設立、近畿圏を主力に愛知・広島・福岡・関東等へ事業エリアを拡大する総合住宅企業。主力の戸建事業では在来工法(木造軸組工法)による建売住宅の企画・建築・販売を行い、グループ全体35拠点を通じて年間1,120棟超を供給する。

マンション事業等では新築分譲・リノベーション販売・不動産賃貸に加え、木造建築ノウハウを活用した大規模木造建築請負(特建事業)も展開。2024年10月に株式会社KHCをTOBで子会社化し、グループ規模を大幅に拡大した。

主要顧客は住宅一次取得者層であり、「より良いものをより安く」の企業理念のもと、コスト競争力を武器に実需型住宅市場でのシェア拡大を目指している。

ビジネスモデル

戸建分譲では分譲用地の仕入・企画設計・施工管理・アフターサービスを自社で一貫管理する一方、各種工事は外部業者へ積極委託し、品質・コスト・工程・安全の管理に人的資源を集中する。販売は地域不動産会社との媒介契約による仲介が主体。

マンション事業等では賃貸収益による安定キャッシュフローと分譲・特建の変動収益を組み合わせる。アウトソーシング活用による少数精鋭主義が固定費を抑制し、機動的な事業展開を可能にしている。

企業の強み

関西地区において戸建住宅販売でトップクラスの供給棟数を誇り、グループ全体35拠点(兵庫・大阪・京都・奈良・愛知・広島・福岡・埼玉・神奈川・東京)を展開。2025期の戸建事業売上高は40,976百万円、販売棟数1,120棟を達成し、KHC子会社化により前期比6.5%増を実現した。

2025期末の自己資本比率は65.8%(前期末比0.9ポイント上昇)、現金及び現金同等物残高は20,688百万円(前期末比9.3%増)。有利子負債残高14,279百万円に対し現金残高が大幅に上回る実質無借金に近い財務構造を維持しており、用地仕入資金の機動的な調達を支えている。

2024年10月のKHC他6社の連結子会社化により、2025期の請負工事引渡棟数は208棟(前期比494.3%増)、売上高は6,248百万円(同545.9%増)に急拡大。高付加価値で安定利益を確保できる請負工事の構成比上昇が戸建事業のセグメント利益率改善(セグメント利益3,137百万円、前期比23.3%増)に寄与している。

エンヴァリスの着眼点

令和8年10月期中間期は売上高18,706百万円(前年同期比12.3%減)の一方、営業利益1,294百万円(同13.8%増)、親会社株主帰属中間純利益723百万円(同13.0%増)と、売上減・利益増の構造が明確化した。外部要因として住宅ローン金利の緩やかな上昇や建築コスト高止まりが需要を抑制する中、用地厳選と在庫質向上で利益率を引き上げる戦略は評価できる。

通期予想(売上高43,400百万円、営業利益2,650百万円)の達成には下期に大幅な売上積み上げが必要であり、進捗率(売上43%、営業利益49%)の観点から下期偏重の構造に注意が必要。

令和8年10月期中間期のマンション事業等売上高は424百万円(前年同期比66.3%減)、セグメント利益126百万円(同55.3%減)と大幅に縮小。前年同期にはマンション分譲40戸・790百万円および特建事業62百万円の売上があったのに対し、当中間期はいずれも販売実績ゼロ。

賃貸収益は424百万円(同5.0%増)と着実に積み上がっているものの、分譲・特建の案件依存度が高く、収益の安定性に構造的な課題が残る。賃貸用不動産の継続取得(有形固定資産1,440百万円増)が中長期の安定収益基盤構築に寄与するか注目される。

令和8年10月期中間期の営業活動によるキャッシュフローは△3百万円(前年同期は947百万円の収入)と実質ゼロに転落。棚卸資産増加570百万円、売上債権増加283百万円、法人税等支払372百万円が主因。

投資活動CFは賃貸用不動産取得を中心に△1,522百万円(前年同期比124.7%増)と拡大。財務活動CFも△795百万円となり、現金及び現金同等物は期首比2,321百万円減少の18,367百万円。

外部要因として金利上昇局面での支払利息増加(100百万円、前年同期比29%増)も収益を圧迫しており、下期の棟数回復によるCF改善が通期業績達成の鍵となる。

成長戦略

用地仕入強化・KHC相乗効果・賃貸拡大の三本柱でグループ収益基盤を強化

令和8年10月期中間期に仕掛販売用不動産が618百万円増加し、今後の販売棟数拡大に向けた用地仕入を積極化。厳選仕入による在庫質向上で利益率を維持しながら棟数回復を目指す。下期の完成・引渡棟数増加が通期予想達成の鍵。

定期的な協議の場の設置と現場業務での情報共有・連携強化を継続。KHCが強みとする付加価値の高い注文住宅の比率向上により、請負工事セグメントの利益率改善を推進。令和8年10月期中間期に戸建事業セグメント利益が前年同期比15.1%増と成果が顕在化。

経営基盤強化を目的に賃貸マンション等の新規取得を積極推進。令和8年10月期中間期に有形固定資産が1,440百万円増加(主に賃貸用不動産取得)。賃貸収益は424百万円(前年同期比5.0%増)と着実に積み上がっており、マンション事業等の安定収益柱として育成中。

今後の市場動向を踏まえながら販売用収益物件の検討を進め、マンション事業等の収益多様化を図る。令和8年10月期中間期はマンション分譲・特建事業の販売実績がなく、下期以降の案件獲得・販売が課題。

最終更新: 2026年7月17日