金融市場・経済情勢悪化リスク
地政学リスクや各国中央銀行の金融政策の動向により、金融資本市場が不安定化し、資産価格下落や市場パフォーマンス悪化が生じる可能性がある。これにより保険商品への需要低下、解約・失効率の上昇、資産運用収支の悪化等が懸念される。対応として定期的なストレス・テストを実施しており、2026年3月末の内部ESRは220%と十分な水準を確保している。
株式投資リスク
グローバル金融市場の変動により株価が急落した場合、有価証券評価損・売却損の増加および含み益・売却益の減少を通じて資産運用収支、純資産、ESR等の健全性指標が著しく悪化する可能性がある。第一生命では株式の売却やデリバティブ活用によるリスク・コントロールを実施しているが、大幅な市場悪化時には重大な損失をもたらす可能性がある。
金利変動リスク
金利の乱高下や長期低水準推移により、ALMを実施しているにもかかわらず逆ざや(運用利回りが予定利率を下回る状態)が生じ、収益性および長期的な事業運営能力に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。金利上昇局面では債券価格下落による純資産へのマイナス影響や解約増加リスクも存在する。責任準備金対応債券の活用やALMによるデュレーションマッチングで影響緩和を図っているが、短期間での大幅な金利変動時には対応が困難となる可能性がある。
保険料率・責任準備金リスク
死亡率・予定利率・事業費率等の計算基礎率と実績が乖離した場合、責任準備金の積増しが必要となり財務内容および業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。特に第三分野商品(医療・がん・介護保険等)は経験データが限定的で不確実性が高く、医療技術の進展や医療行政の変化により支払い発生率が想定を超えて変動するリスクがある。MVAを設定する定額商品や最低給付保証付き変額年金保険においても、市場金利変動に伴う一時的な責任準備金変動リスクが存在する。
サイバー攻撃・システム障害リスク
外部からの不正アクセスやランサムウェア等のサイバー攻撃、ハードウェア・ソフトウェア障害等により情報システムが機能不全に陥った場合、保険金支払いや資産運用業務が中断し、レピュテーションの低下や行政処分につながるおそれがある。当社グループの事業運営は外部業務委託先を含む情報システムに大きく依存しており、グループITガバナンス基本方針の制定やCOBITベースの態勢整備を推進しているが、リスクを完全に排除することはできない。
不正行為・コンダクトリスク
2020年から2023年にかけて第一生命の元従業員による金銭不正取得事案が複数発生し、2024年8月および2025年9月には保険代理店への出向社員による個人情報漏えいおよび内部情報の不正取得事案が判明した。これらの不適切行為はレピュテーションの大幅な低下、重大な法的責任、行政処分につながるおそれがあり、追加的な営業方針の見直しが必要となる可能性がある。再発防止に向けた体制整備・企業文化改革に取り組んでいるが、今後も同様の事案が発生するリスクは残存する。
気候変動・自然資本喪失リスク
温暖化に伴う熱中症・感染症増加や自然災害深刻化による保険金・給付金支払額の増加(物理的リスク)、炭素税導入や市場環境変化による投融資先の資産価値低下(移行リスク)、自然喪失による経済全体への影響(システミックリスク)が業績に悪影響を及ぼす可能性がある。当社グループはTCFD提言への賛同(2018年9月)、ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス加盟(2021年3月期)、TNFDフォーラム参画(2022年10月)等を通じてリスク評価と情報開示を推進している。
海外事業拡大リスク
北米・オセアニア・アジアパシフィック等の海外市場において、政情不安、外国為替変動、法規制の予期せぬ変更、現地市場への理解不足等のリスクにさらされており、想定した事業展開が困難となる可能性がある。海外企業への投資に関連した減損リスクや目標未達市場からの撤退リスクも存在し、財務内容および業績に悪影響を及ぼす可能性がある。北米およびアジアパシフィック地域に地域統括会社を設立し経営管理・支援体制の強化を図っているが、リスクを完全に回避できるとは限らない。
法規制・ソルベンシー規制リスク
2026年3月に改正されたソルベンシー・マージン規制はICSの仕様を基本とした経済価値ベースの新基準であり、従来の規制と大きく異なることから事業展開および業績に影響を及ぼす可能性がある。また、IFRS第17号の適用やFATFによるミャンマーのブラックリスト指定に伴う金融取引の遅延リスク等、国際的な規制動向も当社グループの事業に影響を及ぼす可能性がある。金融庁による包括的な監督下にあり、免許取消しや業務停止等の行政処分が発動された場合には事業継続に重大な影響が生じる。
DX・AI対応遅延リスク
デジタル変革(DX)やAI利活用において他社に劣後した場合、新契約獲得・既契約サポートにおける競争力が低下し、将来にわたって業績に悪影響を及ぼす可能性がある。また、グループ各社や各部署においてAIの不適切な利活用が行われた場合、法令違反や倫理上の問題が生じ、レピュテーション悪化による新契約減少や既契約流出が発生するリスクがある。当社グループはDXを重要戦略と位置付け、データ・AI活用による商品・サービス開発やデジタルコミュニケーションの推進に取り組んでいる。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

