事業内容
HSホールディングスは、モンゴル・キルギス・ロシアの3カ国で銀行業務を展開する銀行関連事業と、国内リユース市場を主戦場とするSTAYGOLDを中心としたリユース事業、および持株会社本体による投資・M&A仲介事業の3セグメントで構成される。銀行関連事業では持分法適用関連会社であるハーン銀行(モンゴル最大級の商業銀行)およびソリッド銀行(ロシア)の業績が持分法投資利益として連結業績に大きく貢献する。
リユース事業では2025年8月にPRICING DATAを吸収合併し、オークション・卸・小売・海外展開を一体的に推進している。連結子会社5社・持分法適用関連会社4社で構成され、東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
収益の主軸は持分法適用関連会社(ハーン銀行・ソリッド銀行)からの持分法による投資利益(2026年3月期16,411百万円)であり、これに持株会社本体が受け取る関係会社配当金が加わる。リユース事業では中古品の買取・オークション・卸・小売・EC販売を通じて売上高55,251百万円を計上。
設備投資は主にSTAYGOLDの新規店舗出店(565百万円)に限定され、資産効率の高い持分法モデルが収益の安定基盤を形成している。
企業の強み
持分法による投資利益は2026年3月期に16,411百万円を計上し、前期比964百万円増と継続拡大。ハーン銀行はモンゴル最大級の商業銀行として融資残高が前期末比20.9%増、資金運用収益が15.0%増と増収増益を維持しており、グループ連結経常利益17,713百万円の大部分を支える収益源となっている。
2025年4月にPRICING DATAを完全子会社化し、同年8月にSTAYGOLDへ吸収合併。合併によりオークション全カテゴリで売上総利益率が向上し、在庫情報の一元管理体制を構築。
リユース事業売上高は前期比204億5百万円増の55,251百万円を達成し、STAYGOLD単体では営業利益15億円弱を計上した。
中期経営目標として連結ROE10%以上の安定維持を掲げる中、2026年3月期のROEは15.8%を達成。持分法利益を主軸とした資産効率の高いビジネスモデルと、リユース事業の増収増益が相まって、株主資本に対する収益性が目標水準を大幅に上回る水準を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の営業収益は57,879百万円(前期比53.3%増)と大幅増収。主因はPRICING DATA合併によるリユース事業売上高の急拡大(55,263百万円、前期比58.6%増)。
経常利益は17,713百万円(前期比17.1%増)、親会社株主帰属当期純利益は14,688百万円(同21.4%増)と増益。外部要因として、モンゴル経済の高成長(実質GDP前期比6.8%増)・貴金属相場高騰・ハーン銀行の融資残高拡大が追い風となった。
一方、営業損失は363百万円と依然赤字(前期△1,106百万円から改善)。営業CFは2,176百万円(前期4,532百万円から減少)と棚卸資産増加・法人税支払増が影響。
1株当たり純資産は3,325円93銭(前期2,869円94銭)と着実に増加。
成長戦略
ハーン銀行持分問題への対応とリユース・海外投資による新収益源の育成
モンゴル銀行法改正に基づく持株比率20%以内への引き下げ期限(2026年12月末)に向け、持分比率低下後の連結業績への影響を最小化する対応策の実施が急務。持分法適用関連会社としての地位維持が前提となる。
PRICING DATA合併後のグループ一体運営により、在庫効率最適化・オークション収益性向上・小売部門強化(BRING屋号での新規出店)を推進。2026年3月期に営業利益617百万円を計上し黒字化を達成。タイでの海外展開テストも着手。
HSホールディングス本体およびシンガポール子会社HS FINANCIAL Pte. Ltd.を通じた対外投資・M&A仲介業務の展開。その他事業の営業利益は6,716百万円(前期比1,144百万円増)と拡大しており、関係会社配当金の増加が寄与。
ソリッド銀行は外為取引等の非金利収入拡大で業績が大幅改善。キルギスコメルツ銀行はリテール融資・カード・オンライン決済に重点を置き収益基盤強化を図るが、引当金追加計上で現地通貨ベースは大幅赤字。リスク管理強化が継続課題。
最終更新: 2026年7月19日

