事業内容
いちよし証券株式会社は、1944年設立の中堅証券会社で、東京証券取引所プライム市場に上場。いちよし証券本体に加え、中小型成長企業リサーチに特化した株式会社いちよし経済研究所、資産運用業を担ういちよしアセットマネジメント株式会社、事務代行・不動産業のいちよしビジネスサービス株式会社、金融商品仲介業のいちよしIFA株式会社の計5社で構成される。
主要顧客は個人富裕層を中心とした個人投資家であり、全国52ヵ店の店舗網を通じてオーダーメイドのポートフォリオ提案を行う。「売れる商品でも、売らない信念」を掲げ、仕組み債等の複雑商品を取り扱わない「いちよし基準」を20年以上維持している。
ビジネスモデル
売買手数料(フロー型)から、ファンドラップ「ドリコレ」のラップフィーおよび投資信託の信託報酬(ストック型)への収益構造転換を推進。2026年3月期の受入手数料23,902百万円のうち、その他の受入手数料(信託報酬・ラップフィー等)が16,131百万円と67.5%を占める。
コストカバー率(安定収益÷販管費)は84.3%まで上昇しており、市況変動に左右されにくい収益基盤の構築が進んでいる。
企業の強み
ファンドラップ「ドリコレ」の当期末残高は4,402億円(前期末比34.5%増)に達し、サービス開始10周年を経てもなお高成長を維持。ドリコレNISA・ドリコレ・ミニ・ドリコレ・パス等の派生サービスも展開し、顧客の世代を超えた資産形成ニーズを取り込んでいる。
ラップフィー等は前期比36.9%増の6,331百万円となった。
連結子会社の株式会社いちよし経済研究所が中小型成長企業に特化したリサーチ・投資助言を担い、グループ全体の差別化要因となっている。中小型株式の委託手数料は662百万円(前期比41.4%増)で、株券委託手数料全体の11.2%を占める。
大手証券が手薄な中小型株領域での独自リサーチ力は競合他社が短期間で模倣困難な固有資産である。
連結子会社いちよしアセットマネジメントの当期末運用資産残高は7,443億円(前期末比27.8%増)に達し、運用に係る信託報酬は3,181百万円(前期比22.6%増)を計上。グループ内に運用機能を内製化することで、アドバイス・リサーチ・運用の三位一体モデルを構築し、収益の多層化を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の営業収益は2022期19,591百万円→2023期16,666百万円(市況悪化で急減)→2024期18,837百万円→2025期18,804百万円(横ばい)→2026期24,579百万円と、2026期に急加速した。営業利益も2022期3,321百万円→2023期1,166百万円→2024期2,803百万円→2025期2,285百万円→2026期6,160百万円と、2026期に過去5期最高を更新。
外部要因として日経平均株価の高水準推移(期中最高5万9,332円)が委託手数料を押し上げた一方、ストック型収益(信託報酬・ラップフィー計15,461百万円)も前期比31.5%増と自律的に拡大し、収益の質も改善している。
成長戦略
新中期計画「ターゲット5」で2030年3月末までに預り資産5兆円・コストカバー率100%・ROE15%を目指す
ドリコレNISA・ドリコレ・ミニ・ドリコレ・パス等の派生サービスを活用し、顧客の世代を超えた中長期資産形成を支援。2026年3月期末残高4,402億円(前期末比34.5%増)と順調に拡大しており、ラップフィー収入の安定的増加に直結する。
信託報酬・ラップフィー等の安定収益を販管費で除したコストカバー率を100%に引き上げ、市場変動に左右されない収益基盤を確立する。2026年3月期実績84.3%(前期71.4%)と改善が続いており、残高拡大と費用管理の両面から目標に接近中。
新中期計画の数値目標であるROE15%を2026年3月期に15.0%で達成。自己株式処分(232百万円)やストックオプション行使(208百万円)による資本効率の管理と、利益成長の両立により目標水準の維持を図る。
人材の採用・育成・定着強化とAI・DX活用による業務効率化を推進。2026年3月期の人件費は10,271百万円(前期比15.3%増)と先行投資が続いており、アドバイザーの質向上と本社バックアップ力強化を通じて預り資産拡大を支える体制を整備する。
最終更新: 2026年7月19日

