事業内容
リコーリース株式会社は1976年設立のリコーグループ持分法適用会社で、東京証券取引所プライム市場上場。事務用・情報関連機器、医療機器、産業機械、車両等を対象としたファイナンス・リース・割賦・融資を主軸とする「リース&ファイナンス事業」(売上高の約93%)を中核に、集金代行・医療介護報酬ファクタリング・BPO等の「サービス事業」、太陽光発電・不動産関連投資の「インベストメント事業」の3セグメントで構成される。
主要顧客は中小企業を中心とした約40万社の法人顧客であり、全国の営業ネットワークを通じてベンダーリースを起点とした多様な金融・サービスを提供している。2026年4月にはテクノレント株式会社を吸収合併し、as a Service事業との統合を推進している。
ビジネスモデル
リース・割賦・融資契約を通じて営業資産残高(2026年3月期:1,244,252百万円)を積み上げ、資産利回りと調達コストのスプレッドから収益を得るアセット活用型金融が主軸。これに加え、集金代行・ファクタリング・BPO等のアセット非依存の手数料ビジネスを組み合わせることで、金利変動リスクを一定程度分散する構造を持つ。
資金調達は金融機関借入・社債・CP・債権流動化を多様に活用し、調達コストの抑制を図っている。
企業の強み
リコーグループのベンダーリースを起点に全国で構築した約40万社の顧客基盤は、競合他社が短期間で模倣困難な固有資産。ファイナンス・リース契約実行高は2026年3月期に249,647百万円(前期比+8.4%)と拡大しており、長年の取引データ・ノウハウの蓄積が新規契約獲得の基盤となっている。
金融機関24社と総額165,600百万円の当座貸越・貸出コミットメント契約を締結し、金融機関借入・社債・CP・債権流動化を組み合わせた多様な調達手段を保有。2026年3月期末の有利子負債調達残高は1,096,451百万円、平均調達金利1.00%を維持しており、大規模な営業資産拡大を支える安定した資金基盤を自社で構築している。
女性管理職比率25.9%(目標25%達成)、一人当たり教育費60,771円(目標55,000円超過達成)等の非財務目標を定量開示。累進配当を基本方針とし、創業50周年を契機に2026年度より6年間の追加株主還元を決定。
2026年3月期の1株当たり年間配当金は185円(前期比+5円)、配当性向44.5%を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期303,853百万円から2026年3月期338,579百万円へ5期で+11.4%増加し、特に2026年3月期は前期比+8.5%と加速した。一方、営業利益は2025年3月期の21,729百万円をピークに2026年3月期は20,621百万円へ減少。
当期純利益も15,658百万円から12,821百万円へ△18.1%減少した。減益要因は、販管費の増加(貸倒引当金繰入額が1,143百万円から2,018百万円へ増加)、資金原価及び支払利息の急増(外部要因として金利上昇の影響)、サービス事業でののれん減損1,410百万円を含む特別損失1,939百万円の計上である。
2027年3月期予想でも利益減少が続く見通しであり、収益性の回復時期が注目点となる。
成長戦略
新中計「リースの可能性を広げ、中小企業を支える基盤へ」のもと5分野で新規ビジネスを創出
Windows10サポート終了需要や企業の効率化・省力化投資を取り込み、ファイナンス・リース契約実行高249,647百万円(前期比+8.4%)、融資残高294,596百万円(前期比+6.5%)と着実に拡大。営業資産残高1,084,914百万円の積み上げにより将来収益の基盤を構築している。
集金代行サービスの新規顧客獲得・学校徴収金等の新領域伸長、医療・介護報酬ファクタリングの取扱高増加により売上高10,298百万円(前期比+9.9%)を達成。ただし、セグメント利益は1,100百万円(前期比△12.7%)と減少しており、のれん減損1,410百万円の計上もあり収益性改善が課題。
太陽光発電・住宅賃貸・不動産関連への投資継続により営業資産残高159,338百万円(前期比+6.2%)に拡大。前期に物流施設向け信託受益権投資が大きく伸長した反動で契約実行高は49,098百万円(前期比△41.8%)と減少したが、資産残高増加により売上高11,892百万円(前期比+19.9%)を確保。
2026年4月より新たな中期経営計画をスタート。新中長期ビジョン「リースの可能性を広げ、中小企業を支える基盤へ」を掲げ、競争優位性を備えた持続的な成長の実現に向けた戦略・施策に取り組む。2027年3月期より2032年3月期の間、特別配当を実施する方針も発表し、株主還元の強化を明示。
最終更新: 2026年7月19日

